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*ゲール語の「ファダ」文字は
 A^a^O^o^U^u^E^e^I^i^,で代用
     

聖ブレンダン

2007-12-01 17:21:00 | ゲール語あれこれ
聖ブレンダンNaomh Breanda^nニーヴブランダーン
St Brendan(484-577)
ケリー郡トロリー生まれ。キリスト教伝道のため北西
ヨーロッパを航海する。ゴールウェイ郡クロンファート
Clonfertの大修道院他いくつかの修道院を設立した。
「航海者LoingseoirロンソールThe Navigator」 と呼ば
れる聖ブレンダンは、伝説によると、僧たちと大洋を
航海しアイスランド、グリーンランド、さらにアメリカ
にまで到達したのではないかといわれている。
「約束の地(地上の楽園)」を目指して、漂流しながら
も不思議な島々を訪れ無事に帰ってくる。
9世紀に、冒険叙事詩「大修道院長聖ブレンダンの
航海 Navigatio Sanctis Brendanis Abbatis」が
アイルランド僧によりラテン語で書かれ、中世英語、
フランス語、ドイツ語、イタリア語他多くの言語に
翻訳された。クリストファー・コロンブスはこれに
影響を受けたともされる。
ブレンダンの名を記念して名付けられた故郷ケリー郡
のブランドン山Cnoc Bhre^anainnクノクブレーナン 
Mt Brandonは、530年頃、航海の前に「アメリカ」を
見るために登ったといわれる。
1976年英国の学者ティム・セヴェリンTim Severinは、
アイルランドの僧がコロンブスより1000年も前に大西
洋を渡り、アメリカを発見できるかを証明するために
聖ブレンダンの航海を再現した。彼のチームは、牛皮
をオークの樹皮でなめし木枠に皮糸で縫い、防水に
動物の脂を塗り舟を作り、ディングル半島から大西洋
に漕ぎ出した。記されていた島々(と思われる)に渡り、
アイスランドにも到達した。結果は、証明できなかった
が、不可能であるとの証明もできなかった。
また北米のウェストヴァージニアWest Virginiaに
「確かな証拠」があるという説がある。オガムアルファ
ベットを用い古代ゲール語が刻まれた石碑がある。
確かにその時代のものとする語学学者、考古学者ら
がいるという。真実は未だ定かではないが夢のある
伝説ではある。5月16日は船乗り、旅人、そして鯨
(クジラを島と思い上陸したエピソードもある)の守護
聖人・聖ブレンダン祝祭日です。
photo:1476年アウクスブルク(ドイツ)のアントン・ソルク
Anton Sorgにより制作された「聖ブレンダンの航海」
版画集から
→オガム(文字)、カラ(小舟)

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