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Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

ジャコウアゲハ

2011年04月27日 | 


ジャコウアゲハと言えば、次女が小さかった頃をまず思い出す。
どこかにも書いたが、当時、いろいろな蝶の名前を覚えるのが得意で、
特にジャコウアゲハがお気に入りのようだった。そして、カラスアゲハ
でもオナガアゲハでも何でも、「からすじゃこうあげは」とか「おなは
じゃこうあげは」・・・などといちいちジャコウの文字をつけて呼んで
いたのが、おもしろかった。

ジャコウアゲハは尾羽が長いので、図鑑の標本写真を見ると大型の
アゲハチョウに見えるが、開張はアゲハチョウの120ミリを基準とすると
110ミリ程度が上限で、実際は中の下くらいの大きさである。
特に♀の表羽根の淡い色が印象的で、自分がまだ出会ったことのなかった
子供の頃はこの色彩はあこがれの一つだった。



初めて出会ったのは小学校高学年の頃、静岡でのことになるが、最初に手に
したのは黒い♂だった。
ジャコウアゲハの名の由来は実は♂の発する香りにある。
つかまえてにおいを嗅ぐと、何とも言えぬ香水のような良い香りがして
びっくりしたのを覚えている。何でもこの香り物質が毒に関わりがある
とかないとかで、鳥がいやがって補食しないらしい。蛾のアゲハモドキ
がジャコウアゲハをそのまま小さくしたような見事な擬態なのは、このため
と言われる。

ジャコウアゲハの♀の羽色にあこがれたと書いたが、♂の表羽根もなかなか
どうして形容しがたい良い色合いだ。これぞカラスの濡れ羽と言うべきか、
深遠な黒のグラデーションである。写真では表現するのがなかなか難しい分野だ。

♂も♀も薄暗い茂みの周りを一定の範囲で落ち着きなくずーっと飛び回っている。
それぞれ目的があってのことだろうが、他のアゲハと違って果敢に茂みの中へ
入っていき、かなり小回りがきくようである。蝶の仲間では、ジャノメチョウなん
かがそんな感じの飛び方で、わざわざススキの茂みを縫うように飛ぶので、何日か
すると羽根がぼろぼろになってしまう。
ジャコウアゲハの器用な(のか?)飛び方を見ていて、アオヤンマが金網に囲まれた
沼地で10センチあるかどうかの狭い金網の目をスルッと通り抜けて実に器用に飛んで
いたことを思い出した。ある意味蜘蛛の巣抜けの修行だったりして。。。


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