Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

GX100試写

2009年06月23日 | トンボ


オークションでGX100を落とした。
サブ機としてポケットに入れて、環境写し込み写真などを
撮るのに役に立つと思っての事だ。



コンデジは、FZ10以来ということになる。
2004年はFZ10を使いまくって、色々楽しんだものだ。
当時は、身近に土手などあったので、空いた時間があれば
いつでもスナップを楽しむことが出来た。
FZ10を手に入れた当初は、虫の接写は難しいのでは?と思ったが、
クローズアップレンズ導入などで、そこそこ気に入った写真が撮れたものだ。

*istDs K20Dとデジイチを使うようになって、FZ10は運動会などでしか
出番が無くなり、しまいには動かなくなってしまった。

コンデジは便利だが、相当使い慣れないと、一眼の即応性にはかなわない。
今日も、昼の小一時間、GX100一台キメうちで近所をうろついたが、こんな
時に限って、K20Dを持っていれば・・・というシーンに次々と出くわして
しまった。。。

上のクロイトも、これだけ撮るのに、少々苦労させられた。
要は、慣れていないだけなのだが、家を出る前に、必要な事項を取説でチェック
して出たものの、肝心のマクロ撮影部分のチェックを怠っていたのだ!



最初適当に写していたら、液晶にマクロモードと表示されたので、
「そうか、被写体との距離でカメラのAIが判断してくれるのか!」と
思ってしまったのだが、このキイトトンボに至っては、いくら写しても
ピントが合わない!
今日はものすごい猛暑で体感温度は38度くらい?あって、そうそうがんばる
訳にもいかないので、早々に引き上げて家で見てから気づいたのだが(苦笑)
マクロ撮影には、マクロボタンを押さなければならなかったのだ。



このハナムグリの撮影の時に、たまたま指がマクロボタンに触れたんだろうな・・・。
それが大いなる勘違いを引き起こしたわけだ。

まだ慣れてないし、暑いので、マニュアルフォーカスもじっくり試せなかった。
VF-1キットで手に入れたので、VF-1もつけていたのだが、視度調節をする余裕も
なく、結局そのあたりテキトーになってしまった。



この玉虫もちょこちょこ動き回って、オートフォーカスが追いつかなかった。
FZ10の時の感覚を思い出して、GX100も早く使いこなして行きたいところだ。
あとで、マニュアルF時にモニター画像拡大の方法をチェックして、試したのが、
冒頭のネジバナ?ショットだ。でもローアングルではきついので、VF1のチルト
操作にも慣れておきたいところ。GX200に搭載されているようなオート水準機能
的なものはなく、液晶でラインを表示して水平を確認することになるが、そうなると
データが表示できないので、露出を決めるのが先と言うことになる。この辺も
すべて慣れだな~・・・。



GX100の魅力の一つは、200にも受け継がれている24ミリ相当の広角マクロ。
絞り込んでパンフォーカスに近い画像を撮れれば、背景写し込みの醍醐味も
味わえるが、とりあえずまだまだそこまでの余裕はないねえ・・・。

画像サイズは2007年頃の全体的なスペックを反映していて、大体10メガサイズ
と言ったらよいのかな?FZ10の1.5倍ほどで、大のばしにも耐えるスペックだ。
元々「長四角」が好きで、フイルムや1デジの3:2に慣れてしまったので、
4:3より3:2を今後は使うかもしれない(と言いつつ、家族用のカメラにも
しようかなと思ってるが・・・)



今回のトンボ接写は、望遠端15ミリ(72ミリ相当)で行った。
それなりに背景もまとまって、悪くはない。
粒状感も、FZ10の頃から比べればだいぶいい!(K20と比べたらちょっとかわいそうだ)
ピントが合えば、解像感はかなり出る。

そこでフラッシュテストだ。



GX100のフラッシュ制御機能として、プラスマイナス補正はないようだ。
FZ10にもプラスマイナス補正はあり、FZ10導入を考えたのもコレがあったからなんだが、
数年後のモデルなのになかった。。。200では補正機能はちゃんと付いているようだ。
ファームウエア等で今後対応してくれるとうれしいかもしれないが、これがない代わりに
昆虫撮影を意識したものと思われるソフト調光機能が備わっているのはありがたい。
流石昆虫撮影で愛用されることの多い機種だけのことはある。
下は、日中シンクロを意識して撮影したが、まあまあの調光になっている。




これは見る人が見ればわかるテスト。
10センチくらいにピントを固定して、ソフト調光で目測撮り。
(合焦位置も調光モードもマイセッティングにメモリー出来るのは
かなり便利。FZでは合焦位置のメモリーが出来ないのが不便だった)
GXのような小型デジカメの利点を生かせる撮影法で、この方法では
一眼の機動性を上回れる。
ただ、闇雲に絞り込んで深度を上げても、暗いな~。
この辺は撮り慣れて、画としても見られるような撮影法を開拓しなくては
なるまい。FZの時はどうやっていたか?もう忘れてしまったが、まあ、
*istDsに17-70の広角端ストロボでやっていた方法と同じでよろしいと言えば
よろしい。ただ、画角、その他の関係で露出は少し注意しないといけないようだ。
Aで撮影すると、背景がかなり影響してくるわけで、イトトンボの写真は、そのあたり
咄嗟にマイナス補正していたので、被写体はオーバーせずに済んだ。早いところ、
マニュアル露出にも慣れておかなければ。。。そのためには、各レバーの役割を
体で覚えるしかない。

それと、一つ気づいたこと。このカメラは長い長方形なので、ローアングルで振
り回すときに軽さの割にはバランスがとりづらい。飛翔物体などでは、下手をし
たら親指でシャッターを押す感じになってしまう。出来れば人差し指で普通に押
せたらいいんだが、シャッターのタイムラグも若干気になるので実戦で使って試
してみたい。そして、家族用に必要?なさげヒモの取り付け位置だが、右側にし
ないと使いづらい。今日は左側につけていたので、撮影中、ひもが気になってし
ょうがなかった。

ヨツボシトンボ

2009年06月11日 | トンボ


今年は例年になくヨツボシトンボに出会う機会が多い。
機会が多いだけでなく、個体数も例年より多い。



ヨツボシトンボは、まだ環境破壊の進んでいた無かった昔は、関東以西ではむしろ稀な
トンボだった。休耕田で発見されたりすると、新聞投稿のネタにされることもしばしば
だった。最近になって増えたのか?と言うと、なんとも言えない。ただ、低地のヨツボシ
トンボは、しばしば放置されてアシガマの生い茂る水域に住み着く。彼らは、ヨーロッパ
では大群を形成して移動することで知られるが、日本でもそれに近いことをやっているの
かもしれない。

去年までは、出会うことは度々あっても、なかなか間近で撮るチャンスは少なかった。
警戒心の強いトンボで、沼地の中程に集まっていることが多く、岸辺にはあまり飛来
しなかった。
ところが、今年は豊産し、個体数の多さから警戒心が薄れ、手の届く範囲に止まっている。

春先、森を散歩していたら、間近にヨツボシトンボの未熟個体が止まった。



ヨツボシを間近で撮るチャンスは少ないと思い込んでいたので(実は、昨年までも
間近で撮ったショットはいくつかあったが、近寄れないイメージは確かにあったので
今年はやはり例年より容易に撮れるのだろう)これはチャンスとばかり、慎重に近づいて
写した。

別の日、森を散歩していたら、今度は羽化ラッシュに出くわした。
羽化に立ち会った記憶はほとんど無かったので、絶好のチャンスとばかり写しまくった。



しかしそれからしばらくの間、ヨツボシの羽化には良く出くわした。



今までなかなか巡り会えなかったシーンでもあるので、出会うたびに写したが、
初見の種でさえ、二度出会うと自分の中で希少価値が薄れるもので、ヨツボシ
のショットもだんだん写さなくなるかもしれない。

それでも、今年は既に10年分以上のヨツボシショットを量産している。
但し、飛翔写真や交尾、産卵シーンには今のところ挑んでいない。
やはり、今まで十分近づいてポートレートを撮れなかった分、思う存分
静止個体を写したいという気持ちが強いのだろう。


オゼイトトンボ

2009年06月09日 | トンボ


関東もいよいよ梅雨に突入。晴天下、トンボの姿を追い求める機会も
少し減ってくると思われるので、うっとうしい気分を払拭する意味も
込めて、昨日に続き、自分と少なからず縁のあるトンボを紹介したい。

自分はかつて埼玉初記録のトンボを見つけたことがある。
飛来種などの偶産報告はままあるが、隠れた土着種を見つけるのは
なかなか経験できない事で、貴重な体験を出来たと思っている。



尾瀬にちなんだしゃれたネーミングで、氷河期の生き残りとも言われる。
埼玉でも、ある山村の片隅でひっそりと暮らしていたのを偶然見つけたのは
もう15年以上前の事である。
残念なことに、生息地の上には当時からゴルフ場が建設されており、発見の
3年後には見られなくなってしまった。

以来、この時期になると、思い出したように周辺を探し回るが、
一度失われたものを再発見するのはかなり難しいと思う。

埼玉では極めて稀なオゼイトトンボも、関東北部や東北日本では
決して稀ではない。
山間の草の多い池や湿地、平地の木に囲まれた古池などに産する。



オゼイトを初めて埼玉で発見したのも、奇しくも6月4日虫の日だった。
オゼイトは、同所的に普遍的に見られるオオイトによく似ており、一見してなぜオゼイトに
気づいたのか?


 ※ オゼイトトンボにそっくりなオオイトトンボ

それにはちゃんときっかけがあった。
初めて見たオゼイトトンボの飛び方が気になったのである。
最近も、何度かオゼイトを見かける機会があり、そのことに改めて気づいた。

オゼイトは、実に独特な飛び方をする。
独特の飛び方と言えば、キイトトンボが思い浮かぶ。あの色合いに加え、
草むらを縫うように飛ぶ姿は他の種類とは明らかに異なる。
そのキイトトンボほど顕著ではないが、たしかにオゼイトの飛び方には特徴がある。





オゼイトトンボに関連づけられるトンボは結構いる。



その代表格がハッチョウトンボだ。
谷地の水気の多い湿地では大体オゼイトトンボとセットで見つかる。



そしてもう一つ忘れてはならないのがモートンイトトンボ。三色アイスの愛称で親しんでいる。


  ※ オゼイトトンボとよく似ているエゾイトトンボ

山間の池では初夏から夏の間、オゼイトトンボとエゾイトトンボが混生する。
この両者は写真での見分けは簡単だが、実物は見慣れないと見分けが意外と難しいものだ。




オゼイトトンボの出現時期は、初夏から夏への移り変わりである。


アオハダトンボの初夏

2009年06月08日 | トンボ


久しぶりの好天の休日。
子供を水遊びに連れて行くことにする。

水遊びをするような清流にはこの時期アオハダトンボが産する。
思い起こせば、17年前、不意に思い立ってトンボ撮影を始めた。
その時にいくつかの目標種がいたが、アオハダトンボはその内の一つだった。



発情する♂。

その年の虫の日。春先に目星をつけておいた場所で、10年ぶりにアオサナエを見、
それに活気づいて移動した場所で、念願のアオハダトンボを見つけた。なぜか、
その10年前にはそこで見ることが出来なかったのだが、その年の気温変化によって
微妙に出現期間がずれたためだろう。



ホバリングする♂。

その日は上機嫌で家に帰り、観察ノートに「記念すべき日」と記した。



アオハダトンボの♂の求愛行動には独特のパターンがあり、上もその一つ、
「アオハダの川流れ」
♀のそばでわざと水に浮いてみせる。
この時、ちらちらと♀の方を見ているのが面白い。

いつも♂が♀を追いかけ回しているのか?というと、
意外とそうでもない。
モンキチョウのように、♀が♂のあとをついて回る時もある。




アオハダトンボのいるような場所には、清流を好む様々な種類が見られる。
しかし、彼らはアオハダの群れている場所では長居できず、すぐに去っていく。



また、アオハダトンボは、水面に草の浮いているような場所を好むので、
半流水性のイトトンボも見られる。



♀に盛んにモーションをかけていた♂だが、予想外にお目当てと思われた
♀ではなく、あとからやってきた♀に交尾を挑んだ。
前々から感じていたが、彼らは腹部よりも、翅を使ってボディランゲージを
発する。以前、ビデオテープで記録して気づいたのだが、隣り合った♂と♀は
ほぼ同じタイミングで羽根の開閉を繰り返していた。
そして、♂に挑まれたときの♀も、羽根を開閉して反応していた。



モーションをかける♂を尻目に、産卵に集中する♀。



草がかぶるので、そーっと移動し、逆方向から写り込みを狙ってみた。



足下に注意すると、ミヤマサナエやコオニヤンマなど色々なヤゴが通り過ぎていくのが見える。
彼らの幼虫期は2~3年あり、色々なステージのヤゴを同時に見ることが出来る。

羽化殻はそこそこ見つかるが、羽化中の個体を物色したところ、ちょうどこれから羽化する
オジロサナエを見つけた。



しかし、なかなか殻を脱ぐ気配がない。しかなたく、他の被写体を漁りつつ、
しばらく時間をつぶしてからもう一度見に行くと、既に羽化は始まっていた。
おそらく人影を察知し、しばらく開始を控えていたのだろう。



羽化の開始寸前に下手に驚かすと、ヤゴは水中に逃げるが、陸上に上がって
しばらく経つと肺呼吸に切り替わってしまうので、タイミングが悪いとおぼれ死んで
しまう。羽化の探索もそっと慎重に行わなくてはならない。

川縁をあとにして移動すると、知り合いのMさんに偶然お会いした。
Mさんにサラサ羽化殻を教えていただき、せっかくなので写してみる。



この場所もかつては良く訪れたが、最近はほとんど来ていない。





余談だが、実家を訪れたら、弟からトンボの死骸を渡された。
よく見ると、サラサヤンマ♀だった。
以前から時々弟の仕事場にトンボが紛れ込んでくるのは、別のところで
書いたが、こんな住宅地でサラサヤンマとはにわかには信じがたいこと
だった。想像するに、実家の裏手に使い古された用水路があり、現在で
はほとんど水を流していないが、時々雨水もたまるので、そのような溝
を利用しているのかもしれない。