Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

百蛾夜行 第十巻

2007年12月09日 | 


ここのところ多忙が続き、遠出する気もすっかり失せていたが、久々にさほど寒く
ない夜だったので、思い立って出かけてみることにする。
せっかくなので、低山と山奥のおもだったポイントを回ってみた。

百蛾夜行第十巻を記念して、今回は年末スペシャルとして、見かけた蛾総登場で
お送りしたいと思う。

まずは低山のポイント。
ここに蛾がいなければ速攻で戻ろうと思っていたが、蛾の姿はそこそこ見られ、
久々に体に活力が戻ってきた感じがした。



まず目に付いたのは、チャバネフユエダシャク(左)。一見、オオチャバネ?かと思ったが、
よく見るとチャバネでがっかり。チャバネは他にも少数見かけられた。
そして、ミドリアキナミシャク。これは初見だった。アキナミシャクに似るが、一回り小さく、
うす緑色をしている。秋というより初冬の蛾。



傍らにはミヤマクワガタの兜が落ちていた。。。



左は、何ともお騒がせのキトガリキリガ。二頭いた。
最初はキトガリキリガ?と思ったが、どうもおかしいので、
ひょっとしてウスミミモン?最悪ミスジ?と思っていたが、
写真をみたらやっぱりキトガリだった。残念。
右は、タマナヤガ。
見つけたときはどうと言うことはなかったが、この個体だけ
妙に元気が良くそこら中を飛び回っていたので、秋キリガでも
いるのか?と期待を持たせた挙げ句、またこいつか・・・・
と言う感じで騒がせてくれた。



続いて、左は、初物のゴマダラキリガ。
ホシオビキリガのゴマダラ型に似るが、色が鮮やかで背中にもゴマダラがある。
右は、初冬の常連ホソバハガタヨトウ。



ハマキ類はスルーするところだったが、ちゃんと見ておいて良かった。
左の二種は比較的稀な種類。
左からクロコハマキ、フタスジクリイロハマキ、そして、プライヤハマキ。

最初のポイントはまあこんなもので、そこそこの蛾相が得られた。
ついでに少し登ったトイレを覗いてみる。



二頭ほどやや小型のヨトウ風の蛾が高いところにへばりついていた。
一見、オオチャバネヨトウのように見えたが、降ろしてみると、初物、クシヒゲシャチホコ
だった。最初はたたんでいてわからなかったが、見事なクシヒゲだ。

さて、低山はこのあたりで切り上げるとして、山奥のポイントにもアクセスしてみることにする。
あまり多く回る気力もないので、比較的確実な渓谷のポイントを覗く。



フユシャク類が何頭か見られたが、シロオビ、ウスモン、クロテンといったメンツで珍種は
いなかったようだ。



確認しようと思っても、網を持参していなかったので何頭か確認し損ねたのは残念だが、
他、見かけるのは、冬尺蛾系のみで、ナカオビアキナミシャク(左)が最も多かったようだ。
右は、今度こそオオチャバネ!?と思って写したが、よく見たらチャバネのようだ。
オオチャバネはもう少し早い時期に出るようだ。



オオナミ?コナミ?よくわからない仲間だ。ナミスジフユナミシャクとされたいたものが
オオナミとコナミに分かれたという。これも何頭か見かけられた。


秋キリガをはじめ、ヤガ系の渋い蛾を見つけることは出来なかったが、
そこそこの蛾を見ることが出来、
まあまあ出かけた甲斐のあった夜行であった。
自宅に戻ると、ツマジロエダシャクの死骸が家の前に転がっていた。