Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

百蛾夜行 第拾六巻 戻り梅雨

2009年07月29日 | 


今年は実に天気の悪い年である。
6月は梅雨らしく、7月は早々に梅雨明けと思ったら、
毎日雨や曇りの天気が続く。

昼間のフィールドにはなかなか出られないので、ここに来て
夜の探索モードにシフトしつつある。
とは言っても、1500も蛾を見てしまうと、そうそう新顔は出
てくるものではない。

この夜もどんよりとしたムシムシする感じにて、山の方はあまり
降っていないようであったので、久々に奥まで入っていこうと思
いつく。



自宅には、久々の遠出を祝ってか?自宅初飛来のリュウキュウ
キノカワガが。。。意外と小さいんだな・・・。

まずは道中、温泉のポイントを覗くと、結構飛んでいるようなのだ。



キイロツヅリガの美麗個体がいたので写す。
左下はこれはただ者ではないヨトウだ!と写したら、ただのヨトウガだった。
ヨトウガはヨトウの仲間でもひときわもっともらしい模様をしているので、
よくまどわされるのだ。
右下は、クビワゴキブリホソバ。どれも蛾にはまりだした頃のメンバーで
懐かしい感じがして、久々に写した。



いつもはスルーするリンゴツノやトビネオオも、今夜はとても懐かしく
感じられて、写すことにした。
ゴマフボクトウの求愛に、撮影機会の割と少ないヘリスジシャチホコ。
今夜はシャチホコも色々見つかるかも。。。

そんなこんなで今夜の目的地である神社に到着。
ここは相性悪いんだよな~。知人は結構成果を上げているんだが・・・。
以下、現地の蛾からいくつかピックアップ。



うーむ、やっぱしイマイチ。。。
しかし、しばらく探索は続く。




右上のナミシャクが気になるな~・・・Acasis属(ルリオビナミシャク)あたりっすかねえ。



まだまだもう少しがんばろう・・・
(一応、左下のコブガはオオマエモンで初顔かな・・・オオコブガに
ちょっと似ているが小さいコブガだ)



うーむ残念!やっぱり相性悪いかなー。

そんな中、これは一目で初物とわかった久々の収穫!標高に見合った蛾とでも言うべきか。。



このあと、飛ばせて黄色い後翅を確認。しかし写真には撮れず・・・。



勿論、初物ではないが、非常に愛くるしい?エゾシモフリ!
この夜は他でも何度か見かけたが、この個体が大きくて綺麗だった。



これはまだ精査していないが、雰囲気同定でモモイロキンウワバ。初顔。

で、結局、神社はこんなもん。
いつもの相性悪パターンでした。
他に、早出のシロシタバもいたが、写せず。

峠も行こうか?とちょっと思っていたが、神社で結構時間を食ったので、
そのまま帰途につくことにした。

でも、せっかくのシーズンなので、帰りに寄り道してみることにした。
ターゲットは、筆者を蛾飢道に導いたあの蛾である!

ショートカットして向かったつもりが道を間違えて結局大回りすることに
なってしまったが、せっかくなので、しばらく行かなかった上のポイント
も覗くと・・・



これは久しぶり!蛾にはまりだした5年前に見かけて以来だ。キササゲノメイガ。

もう一カ所、最近、チェックすることにしている所では・・・



そして、いつもの低山ポイントに着く。



かなり湿度が高くもやっているので、蛾の数も多いが、大体いつもの
メンツだ。

そんな中、見慣れぬ小さなAthetis(初顔)。



前翅中程に黒点・・・コウスイロヨトウだっけ?(うろ覚え)



これは初物ではないが、以前、峠でボロ個体に出会ったことのある大きなカバナミシャク。
家に帰って画像を開いたら、結構綺麗な蛾であることに改めて驚いた。



えー、これはまだ調べてないけど、初めて出会うマダラメイガで良いのかな?
・・・ウスアカスジマダラメイガでっす。

そんな感じで百蛾夜行の夜は、深々と更けていったのであった。
そろそろ帰らんとやばいねえ・・という丑三つ時を過ぎようとする頃に、
不意に大きな影が・・・

来た~~!

そうです。来ましたよ。しばらく会いに行ってなかったが、3年ぶりの再会街道であった。



というわけで、ほんの少しの初顔も得つつ、永遠の憧れシンジュさんにも
あえた久々の蛾行きであった。

百蛾夜行 夏の蛾特集

2009年07月23日 | 
いや~、夏休みに入ったのに、全然夏らしくないですね~。
ということで、この夏に撮った蛾の写真を貼ることにしましょう~






ちょっと息切れしたので、続きはまたのお楽しみ!

ではお待たせしました!









これでもだいぶスルーしてるんだけどな~。しかも初物はほとんど無し!

半日の夏休み

2009年07月19日 | トンボ


今日の午後は、久々に家事から解放され、半日の休暇を得た。
一人だけの時間を半日持てるのは滅多にないことなので、撮影
に出かけることにする。




オオセスジイトトンボ




オオモノサシトンボ




コフキトンボ



セスジイトトンボ



ナツアカネ





ベニイトトンボ




マイコアカネ



ムスジイトトンボ(背中の筋はこの属では変異があり、実は同定の決め手とはならないので注意
ちなみに、筋が長く見えるのは光線の加減でそう見えるだけ。)



シオカラトンボ



モートンイトトンボ

なんだか全体に粉っぽい写真だなと思ってよく見たら、ISO400で写していた。
まあ、これも雰囲気があるので、アリかも?しれないが・・・。
レンズデータには反映されてないが、何枚かはシグマの400ミリで写した。
ディテールは出づらいが、雰囲気のある描写になった。

梅雨明け 幻の蝶

2009年07月16日 | トンボと蛾


関東甲信越は一足早く梅雨が明けた。
このあたりだけ梅雨前線が消滅したらしい。
個人的な予測では、そろそろ梅雨明けだろうと思っていたが、
見事に予想が当たった。
梅雨が明けると、いきなりの猛暑である。
もう何年もの間、この時期は忙しく過ごしていたが、体が空いていたら
一度は行ってみたいと思っていた場所があった。
今年は、幸いからだが空いていたので、長年の願望を叶えることにした。
そこに行くのは、子供の頃から憧れていた蝶を見るためである。
目的は無事見られたのだが、今回は割愛する。



ちなみにトップも上の緋縅手乗りも連れが撮影したもの。



標高を上げるとそこは別天地だった。昨年から何カ所か別天地には
出向いているが、今までで最も感動した景色かもしれない。
途中の水辺には蜻蛉も飛んでいた。

山に登るとこの時期の定番、アキアカネもちらほら。





強風のために、蝶は種類が非常に少ないが、ヤマキだけは
あちこちで見られた。

さて、今回、別天地を訪れたのは、いくつかの複合目的が
あってのことだが、隠れた大目的も実は存在していた。
それは・・・

もう何十年も昔の話。

自分はまだ小学校低学年だった。
蝶が好きな少年だった。
自分が住んでいた埼玉県の熊谷市は、暑さで有名になったが、
子供の頃とはいえ、さほど自然が豊富ではなく、蜻蛉のいる
池もなかったし、少々の草むらや土手と田んぼ、小川がある
くらいだった。

そんな環境で見られるのは、蜻蛉ならアキアカネにシオカラトンボ、
ハグロトンボ、カトリヤンマ、アジアイトトンボ、たまに、ヤブヤン
マ、ハラビロトンボ、ミヤマアカネ、ギンヤンマ・・・
蝶は、モンシロチョウにスジグロチョウ、キチョウ、モンキチョウ、
アゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、
キタテハ、アカタテハ、ヒメアカタテハ、ルリタテハ、コミスジ、
ゴマダラチョウ、イチモンジセセリ、ヒメジャノメ、キマダラヒカ
ゲ、たまにツマキチョウ、ヒオドシチョウ・・・といった住宅街の
蝶だった。

そんな中で色々な虫をとって遊んでいたのだが、ある年、モンシロ
チョウにしては小さく、やけに羽が細長く、胴体も細長い、奇妙な
白い蝶がたくさん発生したことがあった。
図鑑を調べて、それはヒメシロチョウであるとわかった。
普通にとれたので子供の自分には、ヒメシロチョウは普通種という
図式ができあがってしまっていた。

何頭かは採集して標本も作ったと思うのだが、小学校低学年頃だか
ら、管理能力なんてあるわけなく、当時のものは何も残っていない。

しかし、考えてみるとそんな埼玉の低地でヒメシロチョウなんて、
普通はあり得ないことである。
食草毎誰かが山から持ち帰ったものについていたとか?何かの偶
然が重なってある年だけ見られた可能性もある。

そんな遠い思い出の中で、ヒメシロチョウは、幻の蝶になってしまった。

今回の別天地行きに際し、せっかくだから、その幻の蝶に会ってみ
ようと言うことになったのだ。

とは言いつつ、帰りの時間も迫っているので、通りがかりのいそう
な場所を一カ所選んで、10分ほど時間をもらって、周辺をぶらつく
ことにした。
梅雨明けの晴天なのだが、予報通り風が強く、蝶はほとんど現れない。
たまに現れるのは、最近やたら目に付く機会の多いモンキチョウばか
りである。

そんな中、もう一踏ん張り・・・と見回った草むらで、小さな白い蝶
が一頭だけ飛んでいる。しかし、草むらの奥にいてすぐ見失ってしまう。
時間もないし、あきらめかけたとき、その蝶はこちらまで飛んできた!
落ち着きなく飛び回るが、やっと止まってくれた!!!

おお!ヒメシロチョウだっ!



幻の蝶との数十年ぶりの再会であった。
その一角では、まだ会う機会の持てなかったこれらの蝶にも会えた。
時間もなくていい加減なショットになってしまったが。。。




本当はもっとたくさんの未見蝶に会う予定だったのだが、大風に祟られてしまった。
また近いうちに訪れてみようと思った。


話は変わるが、熊谷市立図書館3F美術展示室での展示を早速見てきた。
その内容は、飛ぶ生き物の世界と題して、鳥、獣、昆虫など飛ぶ生き物をたくさん展示する
という共催展である。その中で、当方のトンボ写真も38点飾っていただいている。
今回の展示に際し、お話を下さり、プリントおよびパネル作成までしていただいた、自然の
博物館U氏には深謝する次第である。展示の方向性からして、身近なトンボ、埼玉にゆかり
のあるトンボを扱っているため、当方イチオシのトンボ写真やインパクト重視の写真が少ない
のが少々残念ではあるが、今回は大変ありがたい話を頂いた。共催展ということで数多くの
昆虫標本、鳥獣の剥製(博物館より貸与)を展示しており、それらだけでも見る科値は十分
にある。8月30日まで。