Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

百蛾夜行 第弐十壱巻 春灯の誘

2018年04月23日 | 


実にしばらくぶりの百蛾夜行となるが、別に蛾飢道精神が復活したわけではない(笑)
去る場所の灯りがこの春?復活したとのお知らせをいただき、これは久しぶりに出かけてみるか・・・という気になったわけである。
とは言っても、トンボのいない夜間、はるばる遠くの山まで出かけるのは正直しんどかった・・・。
それなりの成果を期待してのことではあったが、その結果はこうであった。(冒頭はルリモンエダシャクの黒化型)



上段 左から アカバキリガ 春のキリガ後半部隊の雄。やや大型のキリガで、チェスのような?模様が魅力。
アトシロナミシャク(おそらく) 最初にこれは?!と目をつけて一枚写したのだが、ストロボがフル発光になっていて完全オーバーをどうにかここまで。見た感じからトガリバナミシャクみたいと思っていたが、それは秋の蛾であり、この時期に出る近似種はアトシロナミシャクということで、おそらくそれで間違い無いと思う(笑
ウスジロエダシャク 外横線が割とまっすぐなのでEctropisの中ではこの種類が相当するだろうと思う。

下段 ウスムラサキクチバ このポイントの代表的な種類の一つ。割と綺麗な蛾だが、久しぶりに見て、意外と小さかったんだなと思った。
キマダラシロナミシャク こういう細かいの(小さい蛾である)は、見た瞬間に種名など浮かんでくるはずもなく、ナントカヒメシャクだっけ?程度に思っていたが、よく考えたらナミシャクで、しかも紛らわしい種類のいる仲間だ。
キンイロキリガ 一度本当に金色に輝くのを見てみたいのであるが、これでも結構新鮮な方かもしれない。模様にメリハリがあるので割と好きな春キリガではあった。



上段 クロミミキリガ(調べてないので自信なし)
シロテンキノメイガ かなり小さいおなじみだったノメイガ。一応全部55ミリ+クローズアップレンズの最短で写して大きさを比較できるようにしたのだが、アップにあたりトリミングしているので全く意味をなしていない(笑
セブトエダシャク このエダシャクをみると頭の中で「セブ島」の文字がぐるぐる回ってしまうのだが、全く関係ない。黒化型と言えるだろう。

下段 ツマキリウスキエダシャク これは何頭か見られた。もともと個体数の多めな仲間だったような気がする。写真には撮らなかったが、この場所の顔でもあるヤマトエダシャクも複数見られた(大きさに結構変異が見られた)ように記憶している。
トモンノメイガ 黒くて小さくていわくありげなノメイガは大抵この種類だった(笑 のを思い出した。
ナカキエダシャク 確かこれも普通に見かけた種類だったと思うが、こうしてみるとかなり芸術的な蛾である。名前が普通っぽすぎるのが惜しい(笑



上段 ナシハマキマダラメイガ(かな?) この手のマダラメイガは実に同定(笑)が難しかった記憶がある。
ネアカマダラメイガ 結構小さめのマダラメイガ。他にもう一種類(ウチムラサキ...あたりだったか?多分知っている種類)が来ていたようだが写さなかった。
ネグロケンモン いわゆる本家ケンモンガ(ケンモンヤガではない)の一種で、この仲間は皆もっさりしている。ここでみるのは初めてかも?
下段 ハイイロコバネナミシャク? 多分照明が緑かぶりしているんだと思う。模様はハイイロ...なので多分そうなんじゃないかと・・・。
ハラゲチビエダシャク 小さいエダシャクで、確かこれはケブカチビナミシャクだっけ?とか惜しい名前が脳裏をかすめていた。余談だが、ただのハラゲエダシャクは結構稀らしい。これは普通種。
フトフタオビエダシャク? これは現場で一番心に引っかかっていたのだが、模様からしてやっぱりEctropisのフトフタオビなんだろうな?と思った(笑。オオトビスジも何頭か来ていたが写さなかった。黒っぽくないので、最近別れたスギノキエダシャクではないだろう。



上段 プライヤキリバ 春のキリバだが、ここでは初めて見たかも(この時期に来ること自体初めてだったかも)。
ベニモンアオリンガ なんだか懐かしかった!かなり小さな蛾だが、もう少し大きかったら人気がもっと出ていたかもしれない惜しい存在。
ムラサキエダシャク 春先に出て来るエダシャクだが、色が濃くて見応えがあるので結構好きだ。でも普通。

下段 ナカモンキナミシャク なぜか草加せんべいを思い出させる蛾(笑。春のど定番だ。まあ3月の蛾というイメージが強いが。
ヤマガタアツバ ザ・アツバの仲間は未だによくわからないが、多分、ヤマガタアツバだろう。結構綺麗な個体だった。
???ウスグロアツバとクロテンヨトウ? ヒロオビウスグロアツバ、ソトウスグロアツバと似たのが二ついてどう区別するのかもはや忘却の彼方だし、見た目で見分けるのはひょっとしたら無理なのでは?とも感じる種類。とにかくこれが一番多かった!(笑。クロテンヨトウなのか?Athetisの一種だとは思うが、よくわからない。



一枚忘れていた。アカオビリンガ春型でいいのかな?結構好きなタイプの色だ。

今回、久しぶりの夜間撮影ということで、一応外付けストロボも持って行ったのだが、結局、全部、内蔵ストロボ(付いてて有難や)に自作ディフューザーをつけて55mmで写した。モニターで確認する限り、ストロボ使用で二段くらい絞っているのも相まってストロボくさい絵になるな〜と思っていたのだが、最近アップデートしたLightRoomのオートで現像したら、結構昼間の写真みたいな見やすい画像になって、最近の現像ソフトも随分進歩したなー!と感心してしまった。

この他、写さなかったが前述のヤマトエダシャク、オオトビスジエダシャクやヒメサザナミスズメ?(確認できず)、ヒメハイイロカギバ、ケンモンキリガ、チャイロキリガ、アトジロエダシャク、ホソバ類、カバナミシャク類、ウンモンクチバ、コクロモクメヨトウ、バラシロエダシャク、フタホシシロエダシャクあたりを見かけたように記憶している(曖昧)が、シロホシエダシャクとかキジマエダシャクとかe.t.cのいわゆる春限定的な種類はほとんど見られずそのぶん寂しかったのと、気力が持たず小一時間で切り上げてとっと帰って来てしまった(苦笑)でもまたそのうち(気が向いたら)行きたい!コヤガとかミクロとかで面白いのが見られたら嬉しいが。そういえば、家に戻ったら、最近には珍しく、アオシャクの小さいのと、アメリカシロヒトリとオビヒトリとヨトウガが来ていた。

90マクロとTCON-17

2014年04月26日 | 
数年前の記事でも登場したフロントテレコンだが、今シーズンはひょんなきっかけから実戦に投入している。
数年前は、200マクロに取り付けたが、思ったほど効果が得られないばかりか、むしろ解像の著しい低下が見られたため、以来一切使わなくなってしまっていた。シーズン前に、90mmマクロの口径とサイズが合致することに今更ながら気づき、試してみたところ、殆どが質の低下を感じることなく撮影出来たため、実戦に投入したわけだ。

90mmマクロにTCONをつけるとどんな変化があるのか?
1)焦点距離が150mmになる
2)TCONをつけることによって、最短距離が伸びるが、∞はそのままなので、ヘリコイドの分解能が上がる
3)ワーキングディスタンスがより多くとれ、元々のレンズがマクロなので、ある程度の倍率(等倍には達しない)まで寄れる
4)口径が合致し、TCONの前玉はさらに口径が広いので、F値が殆ど暗くならない
5)とはいえ、ある程度離れた場所からの撮影でも、前述の要因で鏡胴が伸び、露出倍数はその分かかる
6)フロントテレコン自体の光学系も加わる分、画像の鮮度が落ち、f8あたりから回折ボケがでるように感じられる(これの裏付けには三脚使用など厳密な比較を要するがそれは未検証)が、開放からf4.5あたりまでは画質の低下は余り感じられず、トータルの使い勝手を考えると、むしろリアコンよりいいかもしれない。



左がTCON付き、右が90mm単体での描写。いずれも絞り開放。



それぞれの切り出し(クリックで等倍に拡大)。
上のケースでは90mm単体の方が、かなりシャープに解像している。TCON付きはやや鮮明感に欠けるものの、なかなかシャープな解像だ。尤も、ピント部分の解像具合は、厳密なピント合わせをして同一条件でないと比べられないので、この画像の比較をもって即断はできない。ピントの合っている複眼以外の部分を見ると、90mm単体の方が鮮明な解像であるのは雰囲気でわかる。だが、開放もしくはそれに近い状態では、TCON使用による解像上のデメリットはごく僅かのように感じる。気になるのは、空気感かな~。ここぞの画像で、TCON付きだと後で後悔することが結構あるかも?

新機材のチェック

2013年03月20日 | 


ここのところ蛾はずっとご無沙汰だったが、新しく機材を仕入れたのを使ってみたくて
それに最適な蛾の撮影を少ししてきた。
最近は新しく機材を仕入れても今ひとつウキウキできず、ちょっとそれが残念なのだが。。。

今回仕入れたのはY社のリングライトだ。定常光としてもストロボ的にも使える。(瞬間発光は
おまけみたいなものであまり期待はしていない)値段も3Kを切る安さで、この値段なら持って
いても損はないだろうと取り寄せた。
Y社の製品は大光量のものとコンパクトなものを持っているが、緑カブリの強い傾向が見られ、
照射して撮影するとちょっと嫌らしい色になるのが気になることがある。そこで場合によって
はマイナスグリーンで補ったりもしている。



レンズの先端につけるものなので、光量が少なくても間近からの照射になり、ある程度露出を
稼げると同時に無影撮影もできるわけだ。実際に発光させてみると、Y社製品らしくかなり明
るい印象があり、90mmマクロでそこそこの距離でも1/180前後でシャッターを切ることが出
来た。広角寄りのマクロ撮影なら更に露出を稼げるだろう。尤も、今手持ちで学術向き?広角
系マクロだと24mmシグマクォーターマクロだけだが。。。)
光そのものを見た感じでは緑カブリは少なそうに思えたが、撮影結果では若干のカブリが感じ
られ、白バックの為、カメラの露出通りだと1段ほどアンダーに写るので、現像で修正してい
る。(そうしないとブレの確率が上がってしまう。)
結局カブリというよりは、コントラストを少なくすると割と見やすい感じになった。



見かけられたメンツは、まあこの時期の定番と言ったところ。
蛾にはすっかりご無沙汰ながら、大体の種類はまだ覚えていた(笑い)。
中でもコバネナミシャク系は新種の期待のある仲間だったが、見た感じ既見のシロシタっぽく
、帰って確認するとやはりそのようだった。
他に見かけられたのは、カバナミシャク類、トギレフユエダシャク、シロテンエダシャク、
フトフタオビエダシャクあたりで、この辺がいたら面白そうと思っていたトガリバ系は見当た
らなかった。また桜の咲く頃に蛾の撮影に出かけてみようと思った。

雨の止み間

2012年05月04日 | 










雨の止み間、買い物ついでにちょっと道草をして被写体を探した。トンボは結局二頭しか見かけず、写真にも撮らず。



これはQに03フィッシュアイで撮影。03レンズはメーカーでは一応トイレンズ扱いではないが、純正高品位レンズには分類されていない。
それでも解像力に優れ、画像が破綻すること無く、アウトフォーカスの部分まで奇麗に結像していて、とても繊細な描写に感心するが、
かえってそれが実直すぎてつまらなく感じてしまうこともある。
Qももっと使って体になじませて面白みを見いだしていかねばと思うが、シネレンズとかの方向には進まないように注意したいところだ(笑)。
KQマウントアダプターが出たらQの解像度を活かした撮影が出来るのでは?と楽しみにしているところではある。早くて夏頃か。。。



真・エゾヨツメ

2012年04月14日 | 


青光りする紋章も良いが、何と言っても表情がいい。





Q+03Fisheye せっかくの機会なのに撮影がものすごくいい加減になってしまい後悔した。



地味に初物。春の蛾プライヤキリバ。

これだけ

2011年09月11日 | 
明るい間は野暮用でつぶれたので、たまには久しぶりに夜の山へ・・・
と意気込んで出かけたものの、月の明るい晩となって悲しいほど蛾影は少なく、
かつて良く出かけた低山の明かりも完全に消えてしまっていた。
それでも唯一この姿を得られたのがせめてもの救いだったのかも・・・



マエグロシラオビアカガネヨトウ

この後、相性の悪い神社へと転戦するが、ここも嘘のように少なく、少数のマイマイ系とゴマシオ、
シロモンヤガ、ジョナス、フクラスズメ、ホソバ類、クスサン(死骸)、ムラサキ枝などが見られたのみ。
草刈りをしたあとらしく、蛾も一掃されてしまったのかもしれない。

早めに切り上げる予定だったが一応その後峠にも回ってみた。
しかしそこもオイワケキが二頭ほど見られた以外ほとんど蛾影なし。
唯一怪しい小型のキンウワバを見つけたが、照明を当てたら逃げられてしまった。

そんなこんなで残念な夜であった。

百蛾夜行 第弐拾巻 待望のオオシロ!

2011年08月29日 | 


もうすぐ終わってしまう子供の夏休みを惜しみ、思い切ってここは一つ派手に蛾遠征に
出かけることにする。昨年あたりから蛾探索をほとんどしなくなり、たまに自宅に新顔が
飛来したり、昼間のフィールドでたまたま新顔を見つけるくらいで、蛾画像ストックは、
ほとんど増えていない。

8月終わりに遠くの山奥へと繰り出すのは初めてのことで、どんな蛾相が見られるのか?
ちょっと楽しみではあった。

子供を連れ夕方に家を出奔し目的地へと向かう。
途中、道の駅に立ち寄り用を足すと、いきなりの新顔!スモモエダシャク。



色々変異のあることで有名な蛾だが、実はお目にかかるのは初めて。
これは幸先が良いかも?

さて、夕飯を済ませ、早速蛾探索に取りかかるが、蛾好きの次女はなぜかその夜ポケモンにはまって
しまって蛾探索に興味を示さない。
しかたない!ここは単独行で・・・大人一人で蛾を漁るのは久しぶりなのもあってちょっと気が引けてしまう・・・苦笑。

そんなこんなで、トイレや自販機を見回るが、この時期はやはり通称「柿の種」(ホソバの類)が圧倒的に多い。。。
あと、ヒゲナガカワトビケラの仲間とか。。。蛾の数は少なくはないが、マイマイ系と地味シャク
ばかりでなかなか「これは!?」というのが現れない。



左:ちょっと風変わりなヤガ。クロフトビイロ系だと思っていたが、近似のキミミヤガ(初)でよさそう。
左中:コケエダシャク(初)。色の印象は違うが、ナカウスエダシャクの仲間だ。そう思って見るとなるほど似ている。
右中:地味なツマキリアツバ系なので怪しいと思い、念のために写しておいたら案の定、初顔のシロモンツマキリアツバ。
右:初顔のウスイロカギバ。ストロボを使わずに油断してぶれてしまったが、まあ気にしない。



左: ヤガ系ではこの晩よく見かけた。Cosmiaのイタヤキリガ(これも多かった)を一回り大きく長くした雰囲気で、モンヤガにも見えるが、
調べたらウスシタキリガ(初)だった。期待のモンヤガは、ミヤマアカヤガらしき綺麗な一個体と、オオアオバヤガ、シロモンヤガを見かけ
たくらいかな~。少なかった。
左中:ツマキエダシャク(初)。以前人のを同定したので覚えていたが、実物は初めてだと思う。
右中:クロオオモンエダシャク(初)。名前の割には小さいエダシャクで、なぜか印象に残っていたので、姿を見てすぐにピンと来て写した。
右: キタエグリバ(初)。レンズ交換しようと車のバックドアを開けたら車に入り込んできてしまったところを記念撮影。オオエグリバよりも
一回り小さい印象だ。

そんな具合で思ったより初顔は多く出た(他に、ノムラツバメエダシャク、ツツミノガsp.の初顔、Archipsの新顔クロタテスジ?都合初物13種で
通算1580種になった。蛾への興味が薄れて1500台で打ち止めかと思っていたが、地道に行けば1600も狙えそう?)が、もう一つパッとしない。。。

もう少し気の利いた大物を・・・と言うのも、時期的に8月下旬。オオシロシタバあたり出てきても良いんでないの?と一応期待していたのだ。
しかし、カトカラは、地味なヨトウ風にしか見えなかったノコメキシタバ一頭とお馴染みワモンキシタバ少々・・・(ひょっとして
ケンモンがまじってたかも?)くらいなもので、大きいのは大体マイマイ蛾の仲間ばかり。



左) 最初は半端に大きいヨトウ系に見えて一応撮影。ベース基地に戻り画像チェックしていてカトカラと気づく。  
右) 白っぽいのでひょっとしてミヤマ?と思い焦って現地に戻り写すが・・・ノコメでした~。



そう言えば、この晩、大型種ではこの姿が結構目立った。時期がもっと早ければジョウザンが狙えたのだが、今はヒトリガが旬のようだ。
後翅の黒点は照らすとまさに墨のように黒光りするのが印象的だった。蛾探しに参加しない子供に見せると、とりあえず手乗りはさせた。

夜も更けてきたので、途中通過した一番効果の高そうな明かりの場所へ。。。
やはり結構蛾が集まっているようだが、ちょうど目線の高さにいきなりそれを発見してしまった!



オオシロシタバ!
大型カトカラの中では今まで縁がなかったが、やっと出会うことが出来た。
それにしてもこのオオシロシタバ。確かに開張80ミリ強と本邦産シタバガの中でもビッグ3に入るが、
ナンバー2のシロシタバより一回り小さいのだ。昔、学校の図書館で見た図鑑の一つでは、オオシロシ
タバがシロシタバ、シロシタバがオオシロシタバと誤記されていたが、その方が正しくはある。



せっかくなので、羽を開かせて記念撮影。


ギンスジオオマドガ

2011年07月08日 | 


久々の蛾ネタ。
今年は全般に飛来する蛾が少ないが、玄関先に落ちていたギンスジオオマドガ
を見つけた。旧名 モリヤママドガ といい、埼玉昆虫誌時点では未記録
だったかも。
自分は数年前に埼玉県内複数箇所の外灯で見かけ、関係誌に投稿しようかと
思っていたがそのまま忘れた。最近は埼玉でもちょくちょく出ているのだろう。
勿論自宅で見るのは初めて(だったかな?いい加減でサーセン)。

ちなみに今日はチャドクガも来ていた。地味に毒注意の季節である。

百蛾夜行 第拾九巻 久しぶりの夜業

2011年04月30日 | 
2006年を中心としてかなり蛾にはまっていた訳だが、
その熱も徐々に冷めてゆき、昨年あたりからは蛾目当て
の夜業もほとんどなくなってしまった。

その行動が端からだとどう見ても怪しいこと。
夜故に種々の危険が伴うこと。
地元ではなかなか新顔が出なくなってきたこと。
愛車の走行距離が気になってきたこと。
都合上時間帯が昼中心になったこと。

などからだんだん蛾から遠のいていったのだ。
そんな折、子供が久々に蛾に出かけたいと言い出した。
夜間ドライブのスリルやその他の特典を楽しみにしている
のだろうが、自身もたまには蛾に出てみるか・・・という気になる。

というわけで、実質2年ぶりくらいの蛾遠征となった。
行くのだったらゲットしたい未見の種もあったが、あいにく
資料がたまたま見あたらなかったので、とりあえず何か新種を
求めて夜の山行を決行した。
しかし考えてみれば3年前のほぼ同じ時期に、同じような行程を組んでおり、
新種は出るかな~???という感じではあった。

久しぶりなので、地図で目的地を確認してみると、思っていたよりも
遠く、時間もかかるようなので、夕方には家を出て夜半には戻れるよう
な行程とした。
せっかくなので、以前ブログで紹介したユニークアイテムや今年より採用の
新光源を試すことも目的とした。

特典?として途中ファミレスに寄る予定だったが、それらしきものがたまたま
見つからず、そのまま目的地に着いた。
しかし時間はいつの間にやら20時を過ぎており、あまり時間もない。
おまけに読みが甘すぎて気温は平地の2月くらいの寒さだった。(汗)
子供が風邪を引くと大変なので、ざっと駆け足で見回ってとっとと帰ることにした(笑)

パッと見た感じでは蛾の姿はあまり見あたらないようであったが、すぐに何頭かの
姿を見つけた。
3年前と同じメンバーは意外と少なく、今年は若干時期が遅れ気味なのかも?と感じる。
まず目についたのは、いきなり個人的新種!


(200mmMacro 1/125 f5.6)

前々からお目にかかりたいと思っていたエゾモクメキリガだ!
これは以前紹介の謎?のマクロストロボを使用。

エトジロエダシャク、クロモンキリバエダシャク、ウスバシロエダシャク、チャイロキリガ
アオヤマキリガなど少数の蛾を横目で見つつ探すと、もう一頭新種が・・・


(200mmMacro 1/125 f5.6)

春の山奥の定番的存在と言われるシーベルスシャチホコだ!
なかなかにきれいな模様である。これも謎?のマクロストロボを使用。

次にもう一台のカメラで新光源を使って撮影。子供に光源を一個持たせ、2灯で撮影したのがこれ。



レンズが35ミリだというのもあるが、2灯も相まって1/250 - f8で写せる。
ただ光源のかさばりの関係で思うように寄れず、さらに突き詰めようとしていたら、わらわらと
人間のお客さんが数人入ってきたので、すごすごと退散・・・。
とりあえず効率よく新種は得られたし、夜更かしもできれば避けたいので、そのまま帰途につく。
帰る途中、途中の一番脈のある外灯のところを注意して通ると、道ばたにウスベニトガリバらしき
影が・・・車を止めて近づくと、確かにウスベニトガリバだった。我ながら探蛾眼は一応健在のようだ。笑い



そのすぐ横で、本日3種目の新種ゲット!


(200mmMacro 1/125 f8)

ヒメカレハだ。謎?のマクロストロボと新光源のミックスを試したが、道ばただし、子供を長時間
待たせるのも何なので、あまり集中できなかった。
一度はお会いしたいと思っていた種の一つで、思った以上にきれいな彩色とかわいらしさを備え、
モフりたくなってしまうような愛らしさだ。

そんなわけで、今回の夜業は予想外の新種を3種もゲットでき、まずまずの成果だった。
なぜか2月にランタンを揃えていたので、また気が向いたら夏にでも簡易灯火をどこかでやってみたい。

ジャコウアゲハ

2011年04月27日 | 


ジャコウアゲハと言えば、次女が小さかった頃をまず思い出す。
どこかにも書いたが、当時、いろいろな蝶の名前を覚えるのが得意で、
特にジャコウアゲハがお気に入りのようだった。そして、カラスアゲハ
でもオナガアゲハでも何でも、「からすじゃこうあげは」とか「おなは
じゃこうあげは」・・・などといちいちジャコウの文字をつけて呼んで
いたのが、おもしろかった。

ジャコウアゲハは尾羽が長いので、図鑑の標本写真を見ると大型の
アゲハチョウに見えるが、開張はアゲハチョウの120ミリを基準とすると
110ミリ程度が上限で、実際は中の下くらいの大きさである。
特に♀の表羽根の淡い色が印象的で、自分がまだ出会ったことのなかった
子供の頃はこの色彩はあこがれの一つだった。



初めて出会ったのは小学校高学年の頃、静岡でのことになるが、最初に手に
したのは黒い♂だった。
ジャコウアゲハの名の由来は実は♂の発する香りにある。
つかまえてにおいを嗅ぐと、何とも言えぬ香水のような良い香りがして
びっくりしたのを覚えている。何でもこの香り物質が毒に関わりがある
とかないとかで、鳥がいやがって補食しないらしい。蛾のアゲハモドキ
がジャコウアゲハをそのまま小さくしたような見事な擬態なのは、このため
と言われる。

ジャコウアゲハの♀の羽色にあこがれたと書いたが、♂の表羽根もなかなか
どうして形容しがたい良い色合いだ。これぞカラスの濡れ羽と言うべきか、
深遠な黒のグラデーションである。写真では表現するのがなかなか難しい分野だ。

♂も♀も薄暗い茂みの周りを一定の範囲で落ち着きなくずーっと飛び回っている。
それぞれ目的があってのことだろうが、他のアゲハと違って果敢に茂みの中へ
入っていき、かなり小回りがきくようである。蝶の仲間では、ジャノメチョウなん
かがそんな感じの飛び方で、わざわざススキの茂みを縫うように飛ぶので、何日か
すると羽根がぼろぼろになってしまう。
ジャコウアゲハの器用な(のか?)飛び方を見ていて、アオヤンマが金網に囲まれた
沼地で10センチあるかどうかの狭い金網の目をスルッと通り抜けて実に器用に飛んで
いたことを思い出した。ある意味蜘蛛の巣抜けの修行だったりして。。。


近所の春

2011年04月17日 | 
子供と駄菓子屋に行った帰り、道ばたでツマキ蝶を見かけたので、
家に戻ってカメラを持ち出した。
せっかくなので、中距離要員の135ミリを稼働。
シーズン半ば頃までは稼働しないかもしれないが、たまには使わないと
また黴びてしまうかもしれないので。



去年子供が拾ってきた卵が放置していたゴミ袋の中で孵って糞をまき散らしていたのを発見。
慌ててこのあたりの柑橘類に放したのだが、その子孫かもしれない。