

この週は非常に暖かな日が続くという予報が出る。
そこで、新たに仕入れたマクロの名玉を試すために出かける事にする。
マクロのために多くの人が一本は揃えるという、SP90のDiである。
このレンズは、その昔、カメラ雑誌の裏表紙とかに良く広告が出ていて、
当時は1/2倍までしか寄れなかったのだが、なんだかそのデザインに惹かれる
ものはあった。ウリは何と言っても、独特のボケ味だともっぱらの評判である。
シグマの70ミリあたりに惹かれる部分もありつつ、後ろボケが好きな自分は、
中望遠マクロならタムロンの90ミリが欲しいとかねがね思っていた。
届いた日は、あいにくの曇りで、夕方だったので、少ししか試し撮りが出来な
かったが、ボケの綺麗さは確認出来たものの、ピント合わせがシビアだと感じた。
以前より、レビュー等で見て知ってはいたはずだが、IFでないため、近接時に
ビヨーンと本体が伸び、それがかなりチープだという感じは正直否めない。
でも引っ込んでいるときの姿というか、デザインは個人的に好みである。
あと、ヘリコイド回転の向きが自分の使っているレンズと逆だと言うことも多分知って
いたが、使ってみてちょっと冷や汗が出た・・・。
重さは、軽くもなく重くもなくという感じで、400グラムという重量のアドバンテージ
は期待していたほど感じないというのが実感。
その辺も含めて、実地の使用感を確かめてきた。
冒頭は、適度に寄って撮ったポートレートだが、それなりにボケ味が出ている。
というか、200ミリの寄り方に慣れているので、どのくらいの大きさに写し込むか?
迷ってしまうのだ。(1,2倍のアイカップをつけているので、実際の画面比率が
確認しづらい)

先日の200ミリと同様のショットを狙ったが、画面比率がだいぶ違っている。
画面比率が期せずして変わるのは、200ミリはF4なのでその分暗く、目のF値
が落ちている自分は200ミリでは寄らないとピントがファインダーで確認しづ
らいが、90ミリでは明るいので少し離れてもピントが見える、というのがある
のだろう。
このあたり、むしろよく慣れて旨く利用できるようにしたいと考える。
200ミリと付け替えて、比較ショットもいくつか撮ってみた。




それぞれ 上が200ミリ、下が90ミリ。
届いた日の試写ではピントがシビアと思ったが、実地では天候のおかげもあり、
かなりピントの山がつかみやすいと感じた。
そこですかさずピントチェックである。


下は等倍切り出しのみ。予想以上に詳細が写っていて、立体感も出ている。200マクロより
精細と感じる部分もある。F2.8という明るさから、1/2000をデフォルトで選べるので、その
へんの強みもある。1/2000をどう生かすかは、将来のシャッターチャンス次第だろう。
ちなみに、このように等倍付近では、露出倍数がかかるようである。これは1/1500だが、
1/1000で写すと全体的には適正と思える画になった。相当寄るのでやむを得ない部分である。

強反射を入れてみたが、画像を展開してちょっとびっくりした。

出るのは知っていたが、マーカーでなぞったような絵に描いたようなパープリンである。
まあ、あまり気にしないけど・・・。
トータルな第一印象としては、200ミリと使用感の差が少ない、ピントが合わせやすい、
ヘリコイドの向きは咄嗟の時以外は気にならない・・・といったところで、クリアで
シャープでボケ味もあり、自分の好みにかなり合致するレンズと感じた。