Days of Dragonflies & Moths

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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

Split Field

2018年02月06日 | トンボ
シーズンに備えて少しでもモチベーションを上げておきたいところだが、今年の冬はかなり寒い!
1月後半から2月前半にかけて最高気温が10度を超えた日はほとんどなかったような気がする。また、最低気温に至っては当地としてはかなり低いマイナス5度くらいまで下がった日も続いた。

今回は、(最近はやっていない)自分の撮影法について少し紹介しておきたい。
なぜ最近はやっていないのか?理由は簡単!めんどくさいのだ(笑)苦労する割に良い結果がなかなか得られない、または、良いロケーションに恵まれない。タイトルにもあるSplitFieldだが、半分に切り取ったクローズアップレンズをレンズ前面につけて近景と遠景を同時に写すというものだ。市販のスプリットフィールドを使ってもいいが、これは一枚レンズを使っているので、いかんせん画質が良くない。
マクロレンズのありきたりとも言える描写に飽きが来た部分もあって注目したのが明るい「標準レンズ」だった。また、10年以上前に最短距離の長すぎるコンデジFZ-10の最短距離を縮める目的で揃えたのがアクロマートクローズアップレンズだった。例えば、55mmF1.4にアクロマートNo.2をつけると50センチから25センチの間での撮影ができる極めて明るいマクロ(オンリー)レンズになる。最近の55mmレンズは非常に画質が良くて、昔のようにハロの嵐にはならず、開放からしっかり解像する(ペンタックスの55mmは開放には少しハロ風味を残し、それも味がある)。つまり、55mmマクロF1.4というレンズになるわけだ。No.2ではディスタンスが稼げる反面1/3倍程度までしか寄れないので、主にポートレイト目的にはなるが、最近の自分の撮影傾向にはぴったり合致している。
2014年の秋だったか?スプリットフィールドを急に使ってみたくなり、とりあえず市販の角型フィルターを揃えて使ってみた。
結果は、前述の通り、画質はほとんど使えないレベルだったのでがっかりしたが、その後試行錯誤して、200mmに望遠用クローズアップレンズを半分あてがって使ってみると、赤とんぼなどは程よい大きさに写って、背景もしっかりスプリットされるのでこれは面白いと感じた。ただ如何せん、望遠レンズのスプリットフィールドではバックが極めて限定されてしまう。そこで思いついたのが、55mmにもともとつけていたアクロマートレンズを外して、ずらしてレンズ前面にあてがうというやり方である。アクロマートとは言っても安価なものであり、周辺は像が流れるので使い方はかなり難しいが、場合によってはかなりイメージしたものに近いものが撮れることがわかった。



これは普通に25ミリで寄って撮ったもの。背景を程よくぼかして入れる所に良さがあると思っている。



これはスプリットフィールドが成功したと思っている例。
レンズ本体は背景にピント、トンボはクローズアップレンズの焦点距離に位置する。
ピントの合わない中間域に際立ったものが存在しないロケーションが理想だ。



これも25mmと55mmスプリットフィールドでそれぞれ撮影したものの比較。写真としては25mmの方に味わいがある気がするが。。。



左は通常のアクロマートレンズをあてがったスプリットフィールド。右はDCR-250をあてがったもの。



左は魚眼レンズ、右はアクロマートレンズをあてがったスプリットフィールド。




スプリットフィールドの作例。あてがったレンズの境目を中心にぼやっとするので、これを作画に活かせるか?が課題だろう(と言いつつ最近はスプリットフィールドはあまりやってない)。また手で直接あてがう形になって、光軸のズレや、実質片手撮影による撮影のし辛さなどがあり、ひとまずクリアすべき背景とトンボの両方合焦率はかなり低い(笑)クローズアップレンズをレンズ前面に保持して両手をフリーにするアダプターも自作してみたが、工夫が足りず実用には至らなかった。。。アクセサリーシューか三脚ネジとマクロスライダー等を利用して装置を作る手もあるがそこまで大掛かりにしてしまうと今度は撮影自体がめんどくさくなりそうである。



スプリットフィールド撮影は普通のマクロ撮影と思われがちなので予期せぬ出来事が起こる。このシーンなど願っても無いチャンスがやっと訪れた!と思ったら、人が画角を横切ってしまった。




羽化した個体にクローズアップし、同時に背景の成熟した集団を入れ込むという願っても無いシチュエーション!しかしあてがい方が悪かった・・・。




なるべくボケ部分を目立たせないように絞り込んだ例。岸辺あたりにダークなラインが入っているが、これはクローズアップレンズの枠が絞り込んだことによって写り込んでしまっているものである。フィルター枠を外す手もあるが、不器用ゆえ滅多なことはできないから、ダメ元で適度な焦点のアクロマートレンズを取り寄せてみた。しかし思ったよりも写りが悪く、また二枚のレンズが接着されていないためにズレてしまい(マジックで印をつけておくべきだった)結局机の引き出しにしまいこんでしまった(笑)。



背景を無限遠ではない中距離に設定した場合は二点のピントを追い込む必要があり、難易度は飛躍的にアップする。



これは昨シーズン久しぶりにチャレンジした作例だが、レンズ本体は後ろの2頭、クローズアップレンズで手前の一頭を狙っている。奥の二頭のピント、3頭の配分、水平など同時に意識する項目が多すぎて大変ながら面白い機会だった。



特に少し離れた別々の花を同時に画角に写し込むのに不思議なボケも相乗効果を生むので向いていると思う。左がその作例だが、ピントの追い込みが甘かった!右は普通に二重露光。

トンボにも背景にもピントが合っている写真として面白いが、そんな具合であまり効果が得られていないため、ここ2年ほどはほとんどやっていないが、前述の装置も含め、(モチベーションを上げるためにも)色々工夫してやってみたいとは思っている。






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