今回は、「伊万里 色絵牡丹唐草文小皿」の紹介です。
この小皿も、前回紹介した「伊万里 色絵草花文輪花形小皿」と一緒に、3年前のゴールデンウィーク期間中に東京・平和島で開催されていた「全国古民具骨董まつり」会場で買ったものです。しかも、同じ業者からでした。
案外、あるところにはあるんですよね。しかも、同じところから、まとまって出てきますから、不思議です。
でも、そのように、気に入った古伊万里を次々と手に入れることが出来た時は嬉しくなりますね(^-^; そのような日の帰路はルンルンで、疲れも感じません(^-^;
では、「伊万里 色絵牡丹唐草文小皿」を紹介します。
見込み部分と縁部分との境目には、ぐるりと、赤で雷文繋ぎのような文様が描かれ、ちょうど、絵画の額縁のような役目を果たしています。
そして、その額縁で仕切られた見込み面いっぱいに、染付で牡丹唐草文が描かれています。
なお、よく見ますと、中心に描かれた牡丹の花の花びらには、ほんの少しだけ赤と金彩が施され、染付だけで描かれた牡丹唐草文にアクセントを加えています。
ただ、今では、金彩は、ほとんど剥げ落ちてしまってはいますが、まだ、少しは残っていますので、そのことを伺い知ることができます。
中心部分の拡大画像
牡丹の花の花びら部分に施された金彩が、まだ、少し残っています。
裏面は、圏線があるのみで、無文です。銘は、角福。
製作年代は、江戸時代前期。
その後、伊万里では、染付の上に赤や金彩を多用した「染錦」が登場してきます。「染錦」は、いかにもキンキラキンで、派手で、軽薄な感じを与え、落ち着きませんが、これは、赤や金彩を用いてはいても、ほんの少量の使用のためか、渋い華やかさを醸し出していて、落ち着きます。
それで、このように、赤や金彩が施してある場合でも、それが少量なので、この時代の名称としては「染錦」とは言わず、「色絵」と言うようです。
個人的な好みを言いますと、私は、「染錦」はあまり好きではありませんが、この程度の赤や金彩を施したものは好きです(^-^;
<サイズ>
口径:14.9cm 高さ:2.4cm 高台径:9.2cm
典型的な寛文期の古九谷様式であることが判りますが、表の牡丹唐草文様はこの時代にはとても珍しいように感じます。
輪郭に赤や金彩を用いるのは古九谷金銀彩に見られる技法ですので
この品はとても面白い特徴を備えた品なのは間違いありません。
これを見逃さないのは、さすがに長年の経験と研鑽を積んだドクターさんならではですね!。
しかも、前期の優品。
唐草だけをドーンと見込みに描いて、とても大胆ですね。
赤絵、金彩の入れ方も憎いです。
やはり、図録の出版が待たれます(^_^)
この小皿には、銀彩はないんですが、銀が無い場合でも金銀彩と言うようですね。
銀は、黒ずんでしまうので、だんだんと使われなくなってしまったことを考えますと、そのようなことを学習した後に作られのでしょうか、、、。
やはり、今では、このような物は、田舎にはないですね。
もっとも、ネットには登場するのかもしれませんが、、、。
どんどん更新していますと、直ぐに、更新する材料も底をつきますが、その時は、酒田の人さんのところの「回想の古伊万里」を真似て、ホームページで既に紹介したものを再紹介しようと思っています。
このような古伊万里を私は好きなんです。
赤と金を少し使って、ちょっと派手さのあるようなものが、、、。
でも、なかなか出会いがありません(-_-;)
東京の大きな骨董市は、さすがに、全国から業者さんが集まっていますから、効率良く、いいものが手に入りますね。
今年は、コロナの影響で開催されなかったものですから、行けないで残念でした(><)
たいした物をアップしていませんが、アリサさんにとって勉強になっているのなら幸いです。
やはり江戸前期の品物は凄いですね。絵柄が洗練されている。時代を超えますよね。これほどの品物はヤフオクなどでは決して見る事はありません。勉強になりました。有難うございます。
私は、ヤフオクを見ていないので分かりませんが、ヤフオクには、このようなものは出てきませんか。
田舎にも出てきませんね。
やはり、珍しいんですね。
私は、このような、江戸前期のものに惹かれます。
伊万里は、この頃でやり尽くしているように思えてなりません。