下図のようなネットワークでPCから①Webサーバ1、②Webサーバ2にアクセスしたい。
このとき、通信が可能であればPC側で指定する宛先IPアドレスa.~e.を、通信が不可能であればf.を下の選択肢から選びなさい。
なお、各機器のサービスは正常に動作しているものとする。
a.192.168.1.1
b.192.168.1.2
c.192.168.1.3
d.61.120.153.88
e.60.32.5.176
f.通信不可
「この設問はよく見かけるパターンだね。」
「そうかな?よく見てみると順序がいつものクライアント → ルーター → インターネット → サーバーではなく、サーバー側にルーターがあるので注意する必要があるね。」
「ホントだ!ルーターがサーバーとセットになってる。」
「図のPCから①Webサーバ1と②Webサーバ2にアクセスするにはアドレスをどれに指定すればいいかな?」
「まずは①にアクセスしたいんだけども・・・ インターネットを経由してルータを通り、①へアクセスする順だね。」
「普通だったらサーバーのIPアドレスを指定する所だけど今回の①のIPアドレスは192.168~で始まっているよね。」
「このIPアドレスはなんていうんだったかな?」「この手の問題ではよくクライアントPCに付けられているアドレスだよね。プライベートIPアドレスってやつ?」
「そのとおり。IPv4が主流の時代に、すべての端末がインターネットからアクセスできる必要はないという概念のもと、LAN内のコンピュータには一定の範囲のIPアドレスをプライベートIPアドレスとして割り当て、WAN(インターネット)と直接接続する機器にのみグローバルIPアドレスを割り当てる形が確立されたんだよ。」
「そうなのか。わかってきたぞ!」
「指定するべきは、インターネット側から見えるグローバルIPアドレスだね。と、いうことは?」
「61.120.153.88 じゃ~!」
「落ち着けぇ~。」
「すみません・・・。」
「あ~、そっか。PCからルーターまでは良いとして、その先は①に行くのか②に行くのかどうやって決めれば良いんだろう?」「図の中のブロードバンドルーターの設定に書いてある、ポートフォワーディングってのが今回のポイントだよ。」
「またなんだか難しそうな言葉が出てきたぞ???」
「これはルーターの何番ポートに入ってきたパケットはLAN内のどのアドレスの何番のポートに転送するっていう設定をするものなんだ。」
「設定を見てみると、パケットが80番ポートに入ってきたら・・・192.168.1.2ってことは①のWebサーバ1だね。Webサーバ1の80番ポートへ転送されるのかー。」
「そのとおり。今回はどちらもWebサーバになっていてるから、アクセスするとしたらどちらにしても80番ポートを通過するのはわかるかい?」
「先生。それは何度もやったから覚えたぜ!」
「よし、いいぞ。だったら②Webサーバ2へのアクセスができるかな?」
「80番ポートに入ってきたら①の方へ転送されちゃうから、このままじゃブロードバンドルータの設定を変更しないと無理だよ。」
「そういうことになるね。」
「②Webサーバ2への通信は外からは繋がらないって事だ。」
【第20回 第1部 第13問 解答&解説】
[解答]①-d. ②-f.
[解説]
ルータのWAN側に設定されているグローバルIPアドレス(61.120.153.88)の80番ポートにアクセスした場合、ポートフォワーディングにより、192.168.1.2(Webサーバ1)の80番ポートへ転送される(d.)。
80番ポートでアクセスしてきたものはすべて、192.168.1.2へ転送されてしまうため、Webサーバ2へのアクセスは不可となる(f.)。
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