ホストのIP アドレスが、192.168.10.10/25 と表記されていたとする。このサブネット内において、
同時にネットワークに接続して利用できるホストの最大数を1 つ選びなさい。
a. 25 b. 62 c. 64 d.126 e. 128 f. 254 g.256
※きっちり理解しようとすると難しめの話になるので、最後の方にとても簡単な計算方法の解説があります。序盤の説明がよく分からない場合は下の方に出てくる説明まで飛ばしても良いよ。
「ドット先生~、サブネットって何でしょ?」
「大きな1つのNW(ネットワーク)を分割した小さなNWのことだよ。」
「今回の場合サブネットはどういった形になるの?」
「192.168.10.10/25 からサブネットを知るには、サブネットマスクを使うんだ。」
「今回のサブネットマスクをIPアドレスと同様に32ケタの2進数で表すと次のようになるよ。」
「ちなみに見やすいように8ケタずつの4プロックに区切るね。」
「/25 だから 11111111 / 11111111 / 11111111 / 10000000 と左から25個連続して1になるんだ」
「サブネットマスクって 255.255.255.0 ってよく見るやつ?」
「そうそう。よく見かけるそれは、人間が扱いやすいように2進数から10進数に直してあるやつで /24 つまり 11111111 / 11111111 / 11111111 / 00000000 の場合だよ。」
「今回のは 11111111 / 11111111 / 11111111 / 10000000 だから・・・」
「11111111=255で、10000000=128だから、255.255.255.128になるのかな?」
「そういう事、コムたろう君だんだんわかってきたね~。」
「次は、IPアドレスとサブネットマスクを両方2進数に直して上下に並べるよ。」
「上下に並べたら、ひと桁づつ縦に掛け算をするんだ。」
「どういうこと?」
「192=11000000、168=10101000、10=00001010、なので、IPアドレスは11000000 / 10101000 / 00001010 / 00001010 だろ。これをサブネットマスクと縦に並べるんだ。」
「11000000101010000000101000001010 と。」
「11111111111111111111111110000000 だね。」
「これを縦に掛け算すると、一番左のケタは 1×1=1、次も1、左から3ケタ目は0×1=0・・・」
「11000000101010000000101000000000 になるね。」
「これがネットワークアドレス(ネットワーク部+ホスト部がALL0)で、ネットワーク部が同じIPアドレスが、同じサブネットに繋がっているって事になるんだ。」
「なんだか頭が痛くなってきたよ・・・」
「まぁこの部分はなかなか難関だからね。」
「でも問題を解くだけならここまで難しく理解しなくても大丈夫だよ。」
「え?!そんな耳寄りな情報があるの?」
「1の並んだ部分(25bit)がネットワーク部で、残りの0が並んだ部分(7bit)がホスト部としてホストに割り当てられということはだね。」
「う~ん、ビット(bit)ってなんだか響きがもう難しそうで、はっきり分からないんだよね・・・。」
「ちょっと気取った言い方をするとね・・・『コンピュータが扱う情報の最小単位』だね」
「『binary digit』を略したものが語源という説もあるよ。」「情報の最小単位って?」
「コンピューターの中は2進数で動いているのは知っているよね。0と1ってやつだ。」
「そして2進数でも一番小さな数字=1ケタの2進数が最小単位ってことさ。だから○bitっていうのは○ケタの2進数と思っても良いよ。」「そういう意味だったんだ~。すっきりした~。」
「さてホストの数に戻ろうか。ホスト部が7bitだったね。」
「つまりこれは7ケタの2進数ってことだ。コムたろう君は7ケタの2進数は最大でいくつまで数えられるか分かるかな?」「最大って?」
「たとえば2ケタの10進数だったら最大99だろ。」
「0~99までの100通りの数字が使えるって事だけど、これが7ケタの2進数だったら?」「いち・じゅう・ひゃく・せん・まん・・・」
「おっとコムたろう君、2進数では10・100・1000ではなくて、2・4・8・16って繰り上がるよ。」
「あ、そうだった。」
「1・2・4・8・16・32・64で~、64?」「残念それは7ケタ目が1の時だね。つまり 1000000 の時だ。2進数の最大値は全部のケタが1になるよ。」
「じゃあ 64+32+16+8+4+2+1 で127かな。」
「う~ん、もう一息だね。0~127まで数えられるってことは0~127までの128通りの数が使えるってことなんだ。」
「そっか~。0も数にいれるんだね。」
<ここから簡単な計算方法の解説になるよ>
「まぁややこしい計算をしなくても簡単に分かる方法があってね。○ケタ(○bit)の2進数で扱える数=2の○乗個なんだよ。」
「だから今回は、2の7乗=2x2x2x2x2x2x2=128になるね。」
「それと、○ケタ(○bit)を求める時もIPアドレスが「/25」となっていた場合、32ケタ-25ケタ=7ケタって計算をすると、簡単でしょ?」「1と0を並べなくてもいいんだね!」
「だから今回は、2の7乗=2x2x2x2x2x2x2=128になるね。」
「これなら簡単だね!」
「さて、この128個がすべて使えるんだったかどうか分かるかな?」
「そういえば、使っちゃだめなアドレスがあったよね?」
「そうなんだ。今回の128個のアドレスのうちホスト部がすべて0、またはすべて1の2つのアドレスは特別な用途に使うから割り当てられない。」
「だから128個から2個引けば?」「126個?」
「正解~。」
【第20回 第1部第3問 解答&解説 】
[解答]d.
[解説]
/25 のとき、ホスト部は7bit(32-25=7)となり、IPアドレスの個数は2 の7 乗=128 個。このうち、2つは利用で
きないので、128-2=126 個が同時にネットワークに接続できるホストの台数となる。