OP25Bに関する説明として誤っているものを1つ選びなさい。
a.OP25Bが導入されているISPのネットワーク内からは、他のISPのメールサーバを利用したメールの送信ができなくなることがある。
b.OP25Bを導入したとしても、不正プログラムなどがISPのメールサーバを利用して迷惑メールを送信することができてしまうため、SMTP Authの使用を義務付けるISPがある。
c.サブミッションポートが用意されている場合、一般的にTCPの587番ポートが利用される。
d.特定のIPアドレス以外のコンピュータからISPに送られてくるメールをブロックする。
「先生!OP25Bってナンデスカ!?」
「Outbound Port 25 Blocking の略で、外に出ていく25番ポート宛ての通信をブロックするんだ。」
「25番っていうと・・・なんだっけ?」
「さて、なんだったかな~。ヒントはね、OP25Bは迷惑メール対策で使うって事かな。」
「メール関係って事はPOPかSMTPだよね?」
「もう少しヒントを出すと迷惑メール業者がメールを出すのを抑止するためのものなんだ。」
「てことは、送信?SMTPってこと?」
「そういうこと。」
「ポートを覚えるのが苦手な人も、こうやって関連付ければ覚えられると思うよ。」
「で、OP25Bってどうやって迷惑メールの送信を止めるの?」
「迷惑メールの業者が素直に普通のユーザーと同じ様にメールを送信していたらどうなると思う?」
「うーん、すぐに犯人がわかっちゃうね。」
「そうだね、そうなるとISPはそんな困ったユーザーにはアカウント停止処分とかを適用するだろ?」
「うんうん、そうなれば、迷惑メールの送信もできなくなるね!」
「だから、普通の迷惑メール業者は自分が大量の迷惑メールを送信していることがばれないように正体を隠したいんだ。」
「そこで、正規のISPのメールサーバーではなく独自のメールサーバーを使ったり、ISPの網の外のSMTPサーバーを利用してメールを出そうとするのさ。」
「え~、そんなことできるの?」
「ちょっとした知識があれば、メールサーバーを自分で用意することもできるし、インターネット上にいくつもあるSMTPサーバーってのは、メールを受け取ったら宛先に向けて転送しちゃう習性があるからね、基本的には認証も要らないからこれのせいで迷惑メールがジャンジャン送信できちゃうんだ。」
「それに対してISPが用意したSMTPサーバーを使わないでメールを送るのを阻止しようってことで開発されたのがOP25Bなんだ。」
「おおお!」
「仕組みは簡単でプロバイダの外に出ようとする25番ポート宛ての通信を全面カットします。」
「そんなざっくりで大丈夫なの?」
「ポイントは外に出ようとするってところで、これはISPの網の外って意味ね。」
「ISPの正規のメールサーバー宛の通信は、ISPの網の中に居るサーバーに向けての通信なのでそのまま使えるんだ。」
「つまり普通に設定して使っている分には問題ないんだよ。」
「じゃあ、一般ユーザーには影響ないんだね。。」
「ところが、いくつか問題が発生するパターンがあるんだ。」
「まず、出張とかでノートパソコンを使って宿泊先のホテルからメールを送ろうとする場合。」
「ノーパソの設定はきちんとしてあっても?。」
「うん。ホテルのLANに繋いでメールを送ろうとするわけだけど、その時メールの送信に使われるSMTPサーバーはどこかな?」
「設定どおりに自分の加入しているISP(仮にAとする)のSMTPサーバーだよね。」
「宿泊先のホテルが別のISP(仮にBとする)だったとして、そこがOP25Bを実施していたらどうなるかな?」
「ISP(B)の外のISP(A)のSMTPサーバーへ向けて25番ポート宛ての通信を出すことになるから・・・ブロックされちゃう!?」
「そうだね。ブロックされちゃうねぇ。」
「もう一つ、ISPを乗り換えたけど、メールアドレスは残しておいて、メーラーの設定もそのまま変更しなかった場合。」
「メールはそのまま使いたいから残したんだし、設定変えるのは面倒だからそのまま使いたいよねー。」
「この場合乗り換える前のISPをC、乗り換え後のISPをDとして、メールを送信する場合にどうなるか考えてみようか。」
「ISP Dの網からISP CのSMTPサーバーへ向けての通信・・・25番ポート宛ての通信を使うから・・・。」
「そう、これもISP DがOP25Bを実施していたらブロックされちゃうパターンだね。」
「う~ん・・・、でも一応受信はできるんだよね?」
「そう、受信はできるけど、送信ができなくなるんだ。」
「送信はどうすれば良いの?」
「サブミッションポートってのが用意されていてね。たいていは587番ポートが割り当てられていて、それを使って送信するんだ。」
「ナンデスカソレハ。」
「25番ポートを使う通信がブロックされるので、別の逃げ道を用意してあるんだ。それがサブミッションポート。」
「へぇ~、でも悪い人も設定をそれに合わせて変えたら使えちゃうんじゃないの?」
「そこで、サブミッションポート(587番)を使うにはSMTP AUTH(SMTPに認証をプラスしたもの)を使うんだ。」
「なるほど、その認証を使って大量のスパム(迷惑メール)を送ったらすぐバレちゃうんだ。」
「迷惑メールの業者が好き勝手にメールを大量に送信できているのは、なんの対策もしていない制限の緩いSMTPサーバーを利用するからだしね。」
「OP25BとかサブミッションポートでSMTP AUTHとか使えば、業者も好き勝手にメールを送信できなくなるって寸法だね!」
「そういうこと。」
【 第21回 第2部 第59問 解答&解説 】
[解答]d.
[解説]
a.正しい。OP25BはISPのネットワーク内から他のISPのメールサーバ(25番ポート)への送信を出来なくする仕組みである。
b.正しい。SMTP Authで送信者の認証をすることでspamを減らすことも一つの策であり実施しているISPもある。
c.正しい。一般的に利用されているサブミッションポートは587番である。
d.誤り。迷惑メールを受け取らない仕組みであるIP25Bの説明である。
IPネットワークにおけるパケット通信に関する説明として、正しいものを1つ選びなさい。
a.パケットは、送信側ホストと受信側ホストの間が物理的に最短距離となる伝送路を経由する。
b.送信するデータを、パケットと呼ばれる1つまたは複数のデータに分けて送信する通信方式である。
c.パケット通信では、送信側がデータを送信した順に受信側にデータが到着する。
d.IPv4のパケットサイズは固定長である。
「パケット通信ってケータイの話でよくでてくるよね。1パケットいくらとか。」
「そのパケットだよ。インターネットに情報を送る時は、ひとつのデータを複数に分けて送るんだ。」
「わざわざバラバラにしちゃうの?」
「大きなデータをひとかたまりで送ると、色々面倒が起るんだ。」
「たとえば途中でデータが破損した場合全部送りなおさないといとか、大きなファイルの転送をしていたらそれが終わるまで他の人が回線を使えないとかね。」
「それは困るね~。」
「そこで、パケットに分割するんだ。」
「パケットに分けてあれば送ったデータが破損していたとしても、破損した部分だけ送りなおせば済むから手間が減るし、一つのファイルの転送で最初から最後まで回線を占有することも避けられるんだ。」
「なるほど。ちなみにパケットの大きさってどれくらいなの?」
「IPv6のパケットのヘッダサイズは40バイトで固定長だけどIPv4は固定じゃないんだ。といっても通常は20バイトで特殊な場合増やせるようにしてあるんだけどね。」
「ということは『d』は間違ったことをいってる?」
「ここにはパケットサイズ(ヘッダサイズではない)とあるから、IPv4でもv6でも可変なんだ。環境に合わせて最適な大きさにするのが通信速度を上げるコツだよ。」
「ちなみにパケットサイズの最大はヘッダを含めて1500バイトだけど、通常はもっと小さくて128バイト程度かな。」
「それから、パケットの伝送経路は送り側や受け側で指定はできないので必ず最短になるとは限らないし、全部のパケットが同じ経路で届くわけでもないんだ。」
「経路はルーター任せなんだっけ。」
「だとしたら『a』も間違いだね。」
「それと順番通りで届かないから『c』も間違いだね。」
「じゃあ、正解は『b』だね。当たり前すぎる・・・。」
「今回はちょっと簡単だったけど、油断は禁物だよ。」
「一応、問題文をよく読んで、正しいものを選ぶか誤ったものを選ぶか、1つか2つか、そこを間違えないようにね。」
「了解っす!」
【 第22回 第1部 第2問 解答&解説 】
[解答]b.
[解説]
a.誤
b.正 パケット通信はデータを分割して送信することで、ネットワークを占有しないようにするものである。送信パケットのサイズが小さい場合は分割されずに送信される。
c.誤
d.誤
PCのメインメモリに関する記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
a.メインメモリはCPUがプログラムを読み出す際に使用される。
b.メインメモリはROMで構成されている。
c.PCに搭載できるメモリモジュールの種類は、マザーボードのチップセットやメモリソケットの形状などによって決まる。
d.メインメモリが不足した際でも、OSはHDDなどを仮想メモリとして用いるため、システムの速度が低下することはない。
「メインメモリとCPUって実際にどういうふうに動作してるのかな~?」
「うむ。基本中の基本、心臓部とも言えるパーツだけど、暗記だけじゃよく分からないよねー。」
「そうなんだ。だから時々よく分からなくなるんだ。」
「じゃあ、身近なものに例えてイメージをつかんでおくと分かりやすいから、そんな感じで説明していこうかな。」
「よろしくお願いしまーす。」
「たとえば、自分が初めての仕事をする場合を想像してみよう。」
「今までにやったことない仕事はイメージできないなぁ。」
「仕事の内容じゃなくて、どうやって仕事をできるようにするか大まかな流れで良いんだ。」
「まず、マニュアルを引っ張り出す。マニュアルを読む。仕事を片付ける。マニュアルをしまう。こんな感じの流れじゃないかな?」
「まぁ、だいたいはそんな感じだね。」
「PCに何かの処理をさせるのは、この流れに似てるんだ。」
「へぇ~。毎回マニュアルをみるの?」
「PCは電源を切るとメインメモリの内容を忘れちゃうからね。毎回マニュアルを読んでから仕事するんだ。」
「そのマニュアルは消えないの?」
「消えると困るから電源を切っても内容が消えないHDDに保存しておくんだ。」
「で、このマニュアルにあたるのがプログラム(アプリケーション)って事になるんだ。」
「プログラムは、PCがどうやって仕事をするか示したマニュアルみたいなものなの?」
「そうだね。PCがなにを見てどうやって判断するか、次に何をするか、そういったことがずらずらと書かれているのがプログラムなんだ。」
「でね、PCに処理させたい仕事に応じてHDDからメインメモリへプログラムを読み込んで、さらにメインメモリへ読込んだプログラムをCPUが見ながら仕事をするんだ。」
「CPUは直接HDDを見に行かないの?」
「残念ながらHDDとCPUは直接やり取りできないんだ。」
「CPUが一度に扱えるデータの大きさとHDDの読込みスピードなど諸々の事情でCPUが直接HDDを見に行くのは効率が悪いからやってないんだよ。」
「そうだなー。イメージ的には、マニュアルが本棚にあって、コムたろうくんが初めての仕事をする時に1工程ごとにに本棚へマニュアルを見に行くような感じかな。」
「そこで、マニュアルを本棚から一旦自分の机の手に届きやすい場所に持ってくると効率アップするよね。それがメインメモリに読込むイメージね。」
「なんとなくCPUとメインメモリの関係は分かったよ。」
「でも種類とか色々あって、そこが分かりにくいよね。」
「うむ、あとは選択肢を見ながら解説していこうかな。」
「あ、『a』は今の話だね。○だ。」
「そうだね。よく理解しているね。」
「次は選択肢『b』だね。ROMってのは『Read Only Memory』の略で、読み出し専用のメモリーなんだ。」
「工場出荷時に内容が書き込まれて、ユーザーが書き換える事はできないのでリードオンリーと呼ばれてて、これはメインメモリには使われないよ。」
「そっか~、『b』は×なんだね。」
「次は『c』ね。」
「メモリモジュールって言葉が出てきたね。」
「実は昔のPCでは、メモリのチップが高価なので後で増設するなんて人も滅多に居なくて、基盤に直に半田付けされていたんだ。」
「今は違うの?」
「今はかなり安くなったのもあって、ユーザーがわりと自由にメモリを増設してるね。」
「でも半田付けするとなると大変だろ?」
「そうだねー。半田ごてとかボク苦手だな。」
「なので、小さな基盤にまとめちゃって、メインの基盤(マザーボード)にはそれを挿し込むためのソケットを用意してあるんだ。」
「それなら簡単だ!」
「で、その小さな基盤にまとめたのをメモリモジュールと呼んでいるんだ。」
「モジュールってのは、細かい部品を組み合わせて、ある機能を実現するひとまとまりの部品の事だよ。」
「なるほど~!こうすると付け外しがしやすくなって便利なんだね!」
「そういうこと。」
「そして、メモリモジュールは大きさや規格が色々あってマザーボードの種類とかソケットの形状とかに合わせて色々あるんだよ。」
「じゃあ、『c』は○だね!」
「うむ。」
「最後の『d』だけど、仮想メモリもまずは説明しようか。」
「メモリが足りなくなった時に使うんだっけ?」
「そうだね。メモリの容量が限られているので、メモリ上限以上に使いたい場合は、今現在使っていない領域をHDDに退避させて場所を空けるんだ。」
「思い出してきたよ~。」
「HDDとメインメモリとで必要に応じて入れ替えながら使うから、入れ替えの分時間がかかって処理速度が遅くなるんだったよね!」
「お、よく思い出したね~。」
「つまり選択肢『d』に書いてある、『システムの速度が低下することはない』というのは?」
「×で~す。」
「はい正解~。」
【 第20回 第2部 第6問 解答&解説 】
[解答]a.c.
[解説]
a.正しい。メインメモリはCPUがプログラムを読み出す際に使用される。
b.誤り。メインメモリはROMではなく、RAMで構成されている。
c.正しい。PCに搭載できるメモリモジュールの種類は、マザーボードのチップセットやメモリソケットの形状などによって決まる。
d.誤り。仮想メモリはHDDを利用するため、速度が遅くなる。
パケットフィルタリング型ファイアウォールの動作について述べた文として、適切なものを1つ選びなさい。
a. IPパケットに含まれる情報をもとに、内部ネットワークと外部ネットワーク間の通過の可否を判別する。
b. 外部ネットワークから内部ネットワークヘの不正アクセスの兆候を検知し、自動的に対策を施したり管理者に通知する。
c. 外部ネットワークにも内部ネットワークにも属さないセグメントを作る。
d. プロキシサーバを利用して、内部ネットワークと外部ネットワークを分断する。
「ドット先生~、ファイアウォールについて教えてくださ~い。」
「ファイアウォールは大きく分けて、パケットフィルタリング型とアプリケーションレベルゲートウェィ型があるんだ。」
「う~ん、そもそもファイアウォールって何をするものなの?」
「むう、そこからか・・・。ファイアウォールつまり防火壁。火の延焼を防ぐ、敵の侵入を防ぐ防壁だね。」
「なんかカッコイイね!」
「インターネットを使うときに必要な情報が入ってくるのは問題ないんだけど、ウィルスが入ってくるのは困るよね。」
「そりゃそうだよね。」
「そういう外部からの不要な情報をカットするハードやソフトをファイアウォールというんだ。」
「大事な役目だね。」
「うん、でもかなりむづかしいから、ざっくり理解してね。」
「がんばりま~す。」
「以前やったOSI参照モデルは覚えているかな?あれは7層まであったよね。」
「うん、あったあった。」
「あれのネットワーク層(レイヤ3)やトランスポート層(レイヤ4)で動作するのがパケットフィルタリング型ファイアウォールなんだ。」
「IPパケットのヘッダ部分を見て、通していいか否かをチェックするんだ。」
「はあ・・・。」
「ルータのNAPT機能って覚えてる?」
「えっと、IPアドレスを変換する機能だよね?」
「それはNAT。それ+ポートも変更する機能のことをNAPTというよ。PはポートのPだね」
「あ~、そっかそっか、そのNAPTが関係あるの?」
「NAPTがあるとインターネット側からはルータは見えるけど直接パソコンはみえないだろう?」
「うん、そうだね~。」
「外から見えるのはルーターのWAN側アドレスで、パソコンは見えないんだよね!」
「だからこれも一種のファイアウォールなんだ。」
「なるほど!」
「パケット型ファイアウォールはNAPTとセットで使うんだ、ヘッダ情報の宛先と送信元のアドレス・ポートをチェックして通してよいパケットか否かを判断するんだ。」
「へぇ~、賢いんだねぇ。」
「次は、アプリケーションレベルゲートウェイ型ファイアウォールの説明だよ。」
「これはアプリケーション層(レイヤ1)で動作し、プロキシサーバーというものを経由して外部と接続するんだ」
「プロキシサーバーって使ったことないなぁ。」
「そうだね、主に企業が外部のネットワークと繋ぐために使うものだから普通の家庭には滅多に置いてないね。」
「じゃあ、家じゃ使わないんだ?」
「そうだね、絶対使わないわけではないけど、一般的ではないね。」
「特長としては、①プロキシサーバーを利用する。②ブラウザやファイル転送ソフトなど、ソフトごとにプロキシサーバーを用意する。③パケットのヘッダだけじゃなくて中身もチェックするといったところかな。」
「中身を全部チェックするの!?」
「そう、だからパケットフィルタ型より厳しいチェックになるんだ。」
「うーん。難しいね~。」
「どうしてコムたろうくんのファイアウォールは知識を通してくれないんだろうね・・・。」
「きっとチェックが厳しいんだよ!」
「なんでドヤ顔なの。」
【 第22回 第2部 第52問 解答&解説 】
[解答] a.
[解説]
a. パケットフィルタリング型ファイアウォールは、IPパケットに含まれる情報をもとに、内部ネットワークと外部ネットワーク間の通過の可否を判断します(正解)。
b. パケットフィルタリング型ファイアウォールは外部ネットワークから内部ネットワークへの不正アクセスの兆候は検知できません。
c. DMZの説明です。
d. プロキシサーバを経由させるファイアウォールは、アプリケーションレベルゲートウェィ型ファイアウォールです。なお、プロキシサーバを利用しても、内部ネットワークと外部ネットワークの分断はできません。
PCを買い取ってもらう際、情報漏洩を防ぐために施す対策として、もっとも適切なものを1つ選びなさい。
a. 個人情報などが入ったファイルを、ごみ箱フォルダに入れる。
b. OSを再インストールする。
c. 不正プログラム対策ソフトを新規インストールする。
d. HDDデータ消去専用のソフトを使い、HDD全体にランダムなデータを書き込む。
e. HDDにデフラグ(ディスク最適化)を実行しておく。
「選択肢が5つある問題は難しいなぁ・・・。」
「ははは。落ち着いて一つずつ考えていこうね!」
「うん。まず『a』はまずいよね!?ゴミ箱にいれてもゴミ箱を覗けばまだファイルが見れる状態だもんね?」
「そうだね。ゴミ箱を空にして初めてデータが消去されるから『a』は不適切だね。」
「じゃあ『b』はどうかな?」
「OSを再インストールかぁ。OSだけ入れ替えても個人情報のファイルは残ってしまうような気がするなぁ。」
「そうだね。OSと個人情報等が保管されている領域は別物なんだよ。」
「次の『c』も不正プログラム対策ソフトのインストールをしても、PC内のデータは残ってしまうから不適切だよね?」
「その通り!」
「次は『d』かぁ。」
「データ消去専用ソフトを使うからこれは正解だと思うけどHDD全体にランダムなデータを書き込むってどういうことだろう?」
「これはねHDDのデータの消去をするときにデータ消去専用ソフトが新たにデータを上書きしてしまうんだよ。」
「どういうデータを上書きするの?」
「ソフトにもよるけど数字の0とか1をランダムに上書きするんだよ。上書きしてしまえば復元はできないからね。」
「どうして上書きする必要があるの?」
「まず一つめの理由は、HDDのデータはゴミ箱を空にして削除しても、実は残ってるということ。」
「データの保管場所とかを記録した管理領域に削除した事が記録されるだけで、イメージ的にはねぇ・・・本の目次からは消えたけど実際の中身のページは残っているような状態になるんだ。」
「え?じゃあ見ようと思えば見えちゃうの?」
「それを見えるように復活させるのが、データ修復ソフトだね。」
「へぇ~、なるほど~。」
「そこで、復活できないようにランダムなデータで上書きするんだ!」
「そういう事か~!」
「だけどまだ安心しちゃいけないぞっ!2つ目の理由が残ってる。」
「実は残留磁気ってものがあってね。1~2回上書きした程度ではまだ微かに残った磁気の痕跡を読み取れちゃうんだよ。」
「ええ~!?」
「だから消去専用ソフトでは何回もランダムなデータで上書きすることで、残留磁気さえも読めないようにしちゃうんだ。」
「イメージ的には次の写真のような感じかな。」
「あ~、こんな事務用品見たことあるよ!」
「単色で塗りつぶすよりも、こっちの方が読み取りにくいんだよね!」
「そういう事」
「という事で、この選択肢『d』が正解なんだね!」
「正解が分かったところで・・・最後の選択肢『e』のデフラグって、コムたろうくんは聞いたことあるかな?」
「聞いたことあるけどよく分からないや~。」
「たとえばHDD上にAAというデータがあったとして、新たにBBBというデータとCCCCというデータを追加したとしよう。」
「そうするとHDDのデータに保管されている順番はAABBBCCCCになるよね?」
「うん。」
「この内BBBのデータを削除したらどういう並びになるかな?」
「えーっとAACCCCになるのかな?」
「それがちがうんだよ~!BBBのスペースは空いたままだからAA CCCCが正解なんだ。」
「そうなの!?」
「そして新たにDDDDDというデータを追加したらどうなると思う?」
「うーん。AAの後のスペースには入らないからAA CCCCDDDDDかな?」
「ところがどっこい、AADDDCCCCDDになるんだよ。」
「まぁ、毎回必ずそうなるわけでもないけどね。」
「こういったデータがバラバラに保管されるのを断片化っていうんだ。英語ではフラグメンテーションだよ、ちなみにフラグメント(複数形でフラグメンツ)が破片とかそんな意味ね。」
「そして、このDDDDDのデータを読み込むときDが離れて保管されているから読み込みに若干時間がかかるんだ。」
「へ~そうなんだ!?」
「だからこの離れたD達をひとまとめにしたいよね?」
「AADDDDDCCCにするってこと?」
「そうだよ!こうすることによってDのデータを素早く読み込むことができるようになるんだ。」
「こういう断片化されたデータをまとめることをデフラグというんだ!」
「デフラグは、デ+フラグでここでのフラグはフラグメンテーションの略で、デってのは単語の頭に付いて否定の意味にする言葉だよ。」
「デフラグって聞いたことはあったけど、そんな意味があったんだね~。なにかの旗かと思ってたけど違うんだ~。」
「またひとつ賢くなったよ!」
「というわけで、デフラグをしてもHDDの中のデータの並びがきれいになるだけで、情報漏洩の防止にはなんら効果がないね。」
「なるほど!よくわかりましたぁ。」
【 第21回 第2部 第48問 解答&解説 】
[解答]d.
[解説]
a. 不適切。ゴミ箱フォルダに入れただけでは読み取りが可能である。
b. 不適切。OSの再インストールだけでは、別領域に保存されたデータは残ったままである。
c. 不適切。不正プログラム対策ソフトをインストールしても、HDD内に保存されたデータは読み取り可能である。
d. 適切。HDDデータ消去専用のソフトを使うことで、他の人に読み取られる心配がなくなる。
e. 不適切。ディスクの最適化をしたとしてもデータが残っているので読み取り可能である。