昭和三十年から四十年代、日本が急激に高度成長していく時代に、日本人の最も好むものとして「巨人、大鵬、玉子焼き」とよく言われたものである。その一角の大鵬が本日亡くなった。兎に角、すべてが素晴らしかった。強くて、ハンサムで、かっこ良かった。まさに、スターであった。あまりにも強いから、負けてほしいと対戦相手を応援する判官びいきになった相撲ファンが多かったと思う。昔のスターにつきものの幼少のころからの貧困さに耐え、厳しい環境に打ち勝った人生であった。裕福やものがあふれていつでも手にすることができることは、また有り余る時間もそうだが、人間の成長を妨げるのではないかと思ってしまう。