ダイヤモンドオンラインに「日本人は飲酒に世界一寛容」と題した4ページに渡る記事が出ました。これは米国のピュー・リサーチセンター(Pew Research Center)による2013年春の調査とのことで、元データはおそらく"Global Views on Morality"(2014/04/15公表)です。2013年の調査(The Pew Research Center’s 2013 Global Attitudes survey)となっていますから。
これは以下の8つ項目について、道徳的に受け入れられないか(Unacceptable)、受け入れられるか(Acceptable)、道徳と無関係か(Not a moral issue)を選択させるものです。
1) Extramarital Affairs 婚外交渉
2) Gambling 賭け事
3) Homosexuality 同性愛
4) Abortion 堕胎
5) Premarital Sex 婚前交渉
6) Alcohol Use 飲酒
7) Divorce 離婚
8) Contraception Use 避妊
元データのサイトではトップページに世界全体での8項目のグラフが出ており、各国については"Countries"欄から1国ずつ選択できるようになっています。ダイヤモンドオンラインの記事では飲酒だけについての各国の比較をグラフ化しています。
しかしこの調査結果はどうもそのまま受け入れにくいものがあります。イスラム圏で圧倒的に飲酒が不道徳と考えられていることは予想できることですが、他の国々ではちと不可解です。ビール好きなドイツ人や食事でのワインは当たり前のフランス人の間で10-20%もの人が「不道徳」と考えている? そもそも40%もの人が「不道徳」と考えているとされる中国を始め、アメリカ、ロシア、どこの国でもパーティー等で人をもてなす時に飲酒を勧めるのは当然視されていると思うのですが?
これが人をもてなす時に婚外交渉を勧めるとなったら、現在のほとんどの国では大っぴらにはやらないでしょう。
確かにアメリカでは禁酒法の時代もありましたし、実は16%の人はパーティーでの酒にも眉をひそめているのかも知れません。
もしかしたら、という一つの仮説ですが、例えばフランスでは食卓でのワインは「飲酒」に含めていなかったのでは?という疑いも生じてきます。まさかとも思えますが、例えばギャンブルについての質問で、パチンコや宝くじはギャンブルとは考えない人もいるかも知れませんし、逆にそれを含めて考えたために「許される」と答える人もいるかも知れません。
それと私には、「道徳的に受け入れられる(Acceptable)」と「道徳と無関係(Not a moral issue)」との違いが全くわかりません。ダイヤモンドオンラインの記事では「道徳的に好ましい」と解釈したコメントを書いていますが、上記8項目のどれかについて「道徳的に好ましい」と答える人がいるのでしょうか? まあ「道徳的に受け入れられない(Unacceptable)」の割合だけ見ていれば曖昧さは少ないと思いますが。
まあ"道徳的"という概念の意味や範囲も人により大いに異なるのでしょうね。私個人の感覚だと"道徳"と関係するのは「他者(人間以外も含む)を害する行為」と思うので、上記8項目では、婚外交渉と堕胎以外は道徳に無関係だと感じます。婚外交渉は非常に多くのケースでパートナーの心を害しますし、堕胎はひとつの生命を害する行為ですから。まあ離婚も勝手に別かれるということだとパートナーの心を害するし、合意の上でも子供の生活は害するのだけれど、なぜか道徳の問題という気がしません。
もっとも世界のかなりの人達は"不道徳"と言うと「神様が許さない事」と解釈するのかも知れません。質問の意味でさえ人により幅広い解釈をするでしょうから、結果を解釈するのもなかなか難しいですね。
これは以下の8つ項目について、道徳的に受け入れられないか(Unacceptable)、受け入れられるか(Acceptable)、道徳と無関係か(Not a moral issue)を選択させるものです。
1) Extramarital Affairs 婚外交渉
2) Gambling 賭け事
3) Homosexuality 同性愛
4) Abortion 堕胎
5) Premarital Sex 婚前交渉
6) Alcohol Use 飲酒
7) Divorce 離婚
8) Contraception Use 避妊
元データのサイトではトップページに世界全体での8項目のグラフが出ており、各国については"Countries"欄から1国ずつ選択できるようになっています。ダイヤモンドオンラインの記事では飲酒だけについての各国の比較をグラフ化しています。
しかしこの調査結果はどうもそのまま受け入れにくいものがあります。イスラム圏で圧倒的に飲酒が不道徳と考えられていることは予想できることですが、他の国々ではちと不可解です。ビール好きなドイツ人や食事でのワインは当たり前のフランス人の間で10-20%もの人が「不道徳」と考えている? そもそも40%もの人が「不道徳」と考えているとされる中国を始め、アメリカ、ロシア、どこの国でもパーティー等で人をもてなす時に飲酒を勧めるのは当然視されていると思うのですが?
これが人をもてなす時に婚外交渉を勧めるとなったら、現在のほとんどの国では大っぴらにはやらないでしょう。
確かにアメリカでは禁酒法の時代もありましたし、実は16%の人はパーティーでの酒にも眉をひそめているのかも知れません。
もしかしたら、という一つの仮説ですが、例えばフランスでは食卓でのワインは「飲酒」に含めていなかったのでは?という疑いも生じてきます。まさかとも思えますが、例えばギャンブルについての質問で、パチンコや宝くじはギャンブルとは考えない人もいるかも知れませんし、逆にそれを含めて考えたために「許される」と答える人もいるかも知れません。
それと私には、「道徳的に受け入れられる(Acceptable)」と「道徳と無関係(Not a moral issue)」との違いが全くわかりません。ダイヤモンドオンラインの記事では「道徳的に好ましい」と解釈したコメントを書いていますが、上記8項目のどれかについて「道徳的に好ましい」と答える人がいるのでしょうか? まあ「道徳的に受け入れられない(Unacceptable)」の割合だけ見ていれば曖昧さは少ないと思いますが。
まあ"道徳的"という概念の意味や範囲も人により大いに異なるのでしょうね。私個人の感覚だと"道徳"と関係するのは「他者(人間以外も含む)を害する行為」と思うので、上記8項目では、婚外交渉と堕胎以外は道徳に無関係だと感じます。婚外交渉は非常に多くのケースでパートナーの心を害しますし、堕胎はひとつの生命を害する行為ですから。まあ離婚も勝手に別かれるということだとパートナーの心を害するし、合意の上でも子供の生活は害するのだけれど、なぜか道徳の問題という気がしません。
もっとも世界のかなりの人達は"不道徳"と言うと「神様が許さない事」と解釈するのかも知れません。質問の意味でさえ人により幅広い解釈をするでしょうから、結果を解釈するのもなかなか難しいですね。
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