<アルフォンス・ミュシャのポスター>
◆アール・ヌーヴォ様式
61:【デザイン相談室】第61発
こんにちは!
デザインコンサルタントの木全(キマタ)です。一般の方に向けて工業デザインのエッセンスについて書いたり、デザイナーとの付合い方などについて書いています。御相談がありましたら、コメントをくださいね。コメントによるご質問には基本的に無料でお答えいたします。
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■アール・ヌーヴォ様式
前々回に「工業デザインと流行」の話をしました。
商品デザインは、人間が考えるものですから、もちろん、時代時代の人々の流行や嗜好に寄り添っています。時代をさかのぼるといくつか代表的なデザインの流行があります。
しばらく、工業デザインと流行について書いてみようと思います。
最初は、19世紀の工業化社会になったときに生まれたアール・ヌーヴォ様式についてです。
アール・ヌーヴォ様式は、日本美術収集家であったフランスのサミュエル・ビングが1895年に開店した日本美術工芸品を扱う画廊「アール・ヌーヴォ」(新しい芸術)の店名に由来するデザイン様式です。
アール・ヌーヴォは、浮世絵など江戸時代の日本美術の表現様式に影響を受け、「流動的で植物的な曲線模様」「有機的な形体」「非対称のレイアウト」「陰影のない平面的表現」という要素が渾然一体となり、全体として装飾的な抽象性に富んだ造形表現を特徴としています。
アール・ヌーヴォは美術や工芸作品だけではなく、家具や建築の装飾をはじめ、19世紀当時、印刷技術の進歩によって生まれたポスターなど商業印刷にも盛んに取り入れられました。
1910年代に入ると、シンプルで機能主義的なモダンデザインが台頭し、アール・ヌーヴォは、その退廃的な装飾性が批判の対象となり、急速に衰退していきました。しかし、1960年代にアメリカでリバイバルし、その豊かな装飾性、個性的な造形が再評価されました。
19世紀末のフランスのロマン漂う美しい時代の雰囲気を彷彿とさせ、また、もともと日本美術の影響を受けて生まれたアール・ヌーヴォは、日本人が今でも大好きなデザイン様式です。女性向け商品デザインのアイデアソースに使われることもよくあります。
たとえば、上の絵を描いたアルフォンス・ミュシャは、アール・ヌーヴォを代表するグラフィックデザイナーです。日本人はミュシャの絵が好きです。ミュシャの世界有数のコレクションの一つが日本の堺市立文化館にあることでも、それがわかります。
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■MATSUKATU dot com 元工業デザイナー松岡克政さんのマインドマップ基礎講座
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商品デザインは、人間が考えるものですから、もちろん、時代時代の人々の流行や嗜好に寄り添っています。時代をさかのぼるといくつか代表的なデザインの流行があります。
しばらく、工業デザインと流行について書いてみようと思います。
最初は、19世紀の工業化社会になったときに生まれたアール・ヌーヴォ様式についてです。
アール・ヌーヴォ様式は、日本美術収集家であったフランスのサミュエル・ビングが1895年に開店した日本美術工芸品を扱う画廊「アール・ヌーヴォ」(新しい芸術)の店名に由来するデザイン様式です。
アール・ヌーヴォは、浮世絵など江戸時代の日本美術の表現様式に影響を受け、「流動的で植物的な曲線模様」「有機的な形体」「非対称のレイアウト」「陰影のない平面的表現」という要素が渾然一体となり、全体として装飾的な抽象性に富んだ造形表現を特徴としています。
アール・ヌーヴォは美術や工芸作品だけではなく、家具や建築の装飾をはじめ、19世紀当時、印刷技術の進歩によって生まれたポスターなど商業印刷にも盛んに取り入れられました。
1910年代に入ると、シンプルで機能主義的なモダンデザインが台頭し、アール・ヌーヴォは、その退廃的な装飾性が批判の対象となり、急速に衰退していきました。しかし、1960年代にアメリカでリバイバルし、その豊かな装飾性、個性的な造形が再評価されました。
19世紀末のフランスのロマン漂う美しい時代の雰囲気を彷彿とさせ、また、もともと日本美術の影響を受けて生まれたアール・ヌーヴォは、日本人が今でも大好きなデザイン様式です。女性向け商品デザインのアイデアソースに使われることもよくあります。
たとえば、上の絵を描いたアルフォンス・ミュシャは、アール・ヌーヴォを代表するグラフィックデザイナーです。日本人はミュシャの絵が好きです。ミュシャの世界有数のコレクションの一つが日本の堺市立文化館にあることでも、それがわかります。
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