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《書評》そろそろ左派は〈経済〉を語ろう―レフト3.0の政治経済学

2018年05月03日 | 書評



世界的デフレ不況のもと右翼ポピュリズムが吹き荒れている。その最中に左派が取るべき戦略を三人の論者が鼎談形式で概説する。それは、反緊縮経済政策を軸にして労働者階級の連帯を復活させる中から、右翼ポピュリズムに打ち勝ち豊かな社会を作り出そうというものである。反緊縮経済政策の具体的中身や現代ヨーロッパの社会状況と日本社会の比較、アベノミクスへの対抗策が分かりやすくまとめられている。文化的差異をも含めた階級連帯であるレフト3.0への移行と反緊縮経済政策は、一対になることでより相乗効果を増すという認識が得られる。それが発展することで、ファシズムに打ち勝つ民主主義の誕生に繋がるのだろう。反緊縮経済政策の核心が貨幣の脱物神化であると述べられており、景気浮揚策に留まらない、ケインズやマルクスを超える政治経済学の次元を予感させる。

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