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ツリオヤジのキドニーケアな日々 ~ 知れぬ事は知れぬまゝに、たやすく知れるのは浅い事 (葉隠 聞書第一0202)

返校 ~ 言葉が消えた日

2021-08-19 05:36:10 | 映画メモ

釣りにいきたいのだけど、このところ根性がめっきりなくなって、予報でそれ雨が降る、やれ風が吹くと脅かされるとへたれてしまい、釣りはまた陽気のいいときにしとこ、と家に籠る毎日です^^;

家でくすぶっているばかりでは良くないので、映画でもいきますか。

この「返校」は観たいと思っているうちに上映期間も残りわずかになってしまいました。

白色テロ時代の台湾の話です。
てっきり、「独裁政権に自由を奪われた若者たちの青春映画」かと思いこんでいて、台湾の歴史を知るためにも観ておこう、という気分で向かったのですが、ぜんぜん違う映画でした。

しょっぱなから不気味なシーンの連続で、これってホラー映画じゃないか、騙された?
おっかない映像にびびって、座席で縮こまってガクガクブルブル震えながら観ていたのですが、ストーリーが進むにつれて、だんだんと霧が晴れるように登場人物と事象の関係が明らかになってきます。
そしてラスト数分前のシーンで、すべてのストーリーがつながった、なるほど、ぽん!と手を叩きたくなるようなエンディング。
これ、ゲームを元にした映画だそうで、言われてみるとRPGをクリアしたときのような気分でした。

予想の上をいく面白さで満足。いやぁ、映画ってホントにいいもんですね(水野さん風に)。

この映画のキーワードは「密告」です。禁書保持の密告をめぐる因果関係により、当時台湾の国民党独裁、思想統制という「巨悪」が描かれています。

他にも密告制度で有名だったのはナチスドイツですが、ナチスドイツや台湾国民党などの密告制度は必ずしも過去の遺物だとは限りません。現代でも為政者、特に無能な為政者ほど密告を喜びます。

神奈川県では、今年から飲食店に覆面調査者を送りこみ、マスク会食を守ってない店を見つけたら通報者には2500円の報酬、通報された店は認証取消、というようなことを計画しています。県民モニターなどと今風な言葉を使っていますが、市民に市民を監視させる点で密告制度となんら変わりません。

そんなこんなで、表現の不自由県知事にはぜひともこの映画を観ていただき400字詰め原稿用紙5枚程で表現していただきたい、などと思う午後でした。

◇ 返校オフィシャルサイト → https://henko-movie.com/

[TOHOシネマズ上大岡]
横浜市港南区上大岡西1-18-5 mioka3F
https://www.tohotheater.jp/

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p.s. 暑い中外に出て汗かいた日、ランチで塩分オーバー。


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