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DK大衆食の旅3

路麺好きがそんな感じで巡る大衆食の旅。

銀座三原@新橋

2019年04月24日 | カレースタンド・カレー
時代に抗うのか。否、時代が抗うのだ。



あれから5年足らず。



再開発も移転もなんのその。



いくら「こう」とお膳立てされたとて



「そう」できない人々の痛快さよ。



人は生きる限り主人公である。



そして生きるとはポトテサラダでもある。それでいいのよ。



じゃ。ワシらも負けずに



それを



こう。



ばげしいいいいいいいー




長野屋@新宿

2018年08月05日 | カレースタンド・カレー
世界中で一番消費されている野菜、それは玉ねぎだという。
それだけに身近な存在で、改めて考えてみたりするコトってほぼない。



例えば。カレーには玉ねぎが使われている。
そのコトに何ら疑問を持ったり、感動を覚えたりしたコトってなかったのだが。



新宿南口の大衆食堂、長野屋のカレーライス。



その甘み。その風味。
スパイスや香味野菜と一体となりながら、玉ねぎの持てる力を改めて感じさせられる。

いわば、玉ねぎ再発見。といったところか。



長く煮込まれ、姿形はなくともまろやかな下支えとなるそれ。

粗く刻まれ透き通るようなふつふつとした食感で口腔をくすぐる新たなそれ。

継ぎ足されるコトで生まれた、新旧玉ねぎの饗宴に思わず夢中にさせられるのだ。



と思えば4つにひとつ、それはふわと口溶ける豚脂の欠片だったりして。何この配球いいいい。

そんな外連味なき中に、小悪魔的な愉しさをちょっぴり忍ばせたカレー。
コドモからオトナまでみんなが好きになるのよ。という女将さんの言葉は伊達じゃあないのだ。



カレー専門店にも、エスニック店にもない。
それははげしく人の行き交う駅前の、100年続く大衆食堂の名カレーなのである。





カレー キラリ@品川

2018年03月01日 | カレースタンド・カレー
駅前風情を台無しにしてくれるペデストリアンデッキがどうも好きになれない。70年代から始まった駅前没個性推進の第一人者である。
と同時に個人商店を軒並み排除してくれるとあっては、大衆食ファンからすると敵以外の何物でもない(笑)

労働者の改札口、品川駅港南口が再開発されたのは2000年を過ぎだ頃。
その無機質な町は、当時ちょっと話題になった気もする。が、その脇に残る、ごちゃっとした一角の方が、今となっては取り上げられるコトの方が多いのは皮肉すぎる話だ。



さてそのペデと繋がるビルに、スーツ姿の人が次々と吸い込まれていく、これまた無機質な一角がある。



どうやらカレー屋の様で。しかし、メニューやら売り文句を掲げたポスターも一切なく、裏口か通用口といった風情。



午後2時過ぎにして待ちの客すら出るほどの人気。そしてきっちり役割分担のなされたスタッフのきびきびとした動き。いい。



素揚げしたなすが敷き詰められたなすカレー。



たまご(これは2時以降のサービスだったみたい)と飲み物が付いて600。すごい。

いやはや大衆食であった。
大衆食はペデの傍のビルの一角の通用口みたいな扉の奥でひっそり生き抜き、この町を支えているのである。
そんなど根性大根の様なたくましさ。人はスマートだけで生きるに非ず。なのだ。





いこい@和戸

2018年02月24日 | カレースタンド・カレー
普段ならスルーするトコなんだけど、妙に惹かれてしまった(笑)



御成街道を和戸から幸手へ向かっておじさんぽ。
ちょうど一里塚の辺り、いくつか飲食店が連なったトコ。



ステーキカレーだって。
こゆ町おこし的なのはワシ好まないのよ。
でも。。腹が減ってた(笑)
あと、場末感漂う酒場で(失礼!)なぜステーキカレーなのか、そしてなぜ優勝なのか。
ちょっとした不整合な興味を感じたんだと思う。

こんにちはーと店内へ。



いらっしゃい。

町のカレーチャンピオンは、跡を継いだ2代目でも、居抜きで始めた若者でもなく、老夫婦であった。

年季の入った切り出し一枚板のテーブル。座敷。カラオケ。店内なのに庇。知らない演歌歌手のポスター。舵輪。
やっちまったか。。整合もへったくれもないのである(笑)



見回すと、スパゲティステーキカレーなる世界的な珍品もあったのだが(笑)、ココはひとまずステーキカレーで。



すると最初にサラダが出てくる。
何気に手の込んだサラダ。鮮度もいい。
腹が減ってたので、
ぱくぱく食べてたトコに



きましたステーキカレー。
カレーは辛さは殆どなく滑らかでマイルド。
マッシュルームがたくさん入った所謂欧州的なカレーで。



ステーキは柔らかくぶりりんとした食感。申し分なき焼き加減。そして半分ほど食べ進めて、なるほどと思った。

これ、立ち食いそばとおんなじ手法だな、と。

つまり、立ち食いそばは、めんと天ぷらと汁のバランスで、個々のポテンシャルを超えるうまさを作り上げてる。これもおんなじだ、と。

このステーキとカレーが組み合わさるコトでが起こるケミストリー。1+1が3にも4にもなる世界。やるなあ。



訊いたらご主人、元々はフレンチのコックさんなんだそうで。
でも。それ以上に安くてうまいものを考える天才なんじゃなかろうか。と睨んでいる(笑)

ちなみにこのステーキ肉。帰ってからネトでかなりの高評価を得ているコトを知ったんだけど。
立ち食いそばマニア、もしくはスタンドカレー愛好家なら既に食べてるヤツですよ(笑)





キッチン南海@両国

2018年02月05日 | カレースタンド・カレー










とある話を聞いて、関係ないけど路麺ファンにはある意味聖地かも(笑)なんて思いながら2年くらい。ようやく巡礼できました。
というのも土日祝をきっちり休まれるんで、機会がなかなかなかったワケでありんす。

いいすね、ココ。南海パラレルワールド。
神保町や馬場とはちょっと別の時空。学生さんではなく作業服着た近くの町工場の人とか次々と来店。
そしてホールのおばちゃんの謎語がまたいい味ぐいっぐいで(笑)

そういや謎語ってのも、なんでも画一化しようとする資本系飲食店の対極に位置するワケで。
ちょっとまとめてみたくなる。えちごとか(笑)

普通盛りでも大盛りのライス。薄いけど大きなカツ。辛めのカレー。千キャベ。その大衆バランスがいい。

しっかり食べて午後からも頑張んなよー。

そんな意味がおばちゃんの謎語の中には潜んでいる。と思うのである。







CURRY SHOP ITOH@亀沢

2018年01月21日 | カレースタンド・カレー
"Welcome to the bitter land."



思えば男の世界なのかも知れない。
たまたまなのかも知れないが、過去4回の訪問で他の客は男だけだったのであった。



クラシカルなレストランのテクニックが随所に光るビジネスランチ。プラス50円でそのライスの上にカレーがかかる。



そのカレーにも。いやソースにも、スープにも。焦がしの技がある。そこに洋酒やハーブのエッセンスが折り重なる。

カレーショップイトウの世界観はそんなビターの魅力がベースに在ると思う。
例えば、プリンはカラメルソースがかかるから美味いワケで。そう、華やかだけれども抑揚が効いているのだ。



そんな、男達が実はちょっぴり心をときめかせながら、でもそれを悟られまいと黙々と食べ進める店内には、テレビでもラジオや有線でもなく、ご主人のチョイスしたラウンジJAZZがそっと流れていたりして。

なんかもう、たまらなくいい世界だなあ。



と大満足で店を後にしたのだが。

実はこの日、前回同様に家族で伺っていて。ふと考えてしまったのだ。
かみさんや子供たちは、果たして自分と同じ様に感動してるんだろうか?自分の趣味に巻き込んでしまってたりしないだろうか?って。(いやいつも巻き込んでますケドねw)



帰宅してしばらく。子供たちが台所で何やら話しているのをチラと耳にした。

あそこのカレーうまいよね。
うん、俺も好き。

そっかそっかー良かったー(笑)
と同時に。この子達もビターな男の世界に踏む出す、そんな歳になったのかも知れないな、とも思うのであった。





ひまわり@牡丹

2017年05月30日 | カレースタンド・カレー
お隣のまつむらにはよく行くんです。で食べた後に



今度はこっちも来たいなあ。なんていつも言ってるひまわりへ。



思ってたよりメヌーがいろいろあったよ。



昭和な喫茶店で軽食出してるイメージだったけど



どうやら逆だね。料理が主でレトロ喫茶な風貌が従という関係か。

カツカレー、カツをチキンにチェンジ。680。ちゃんとしてる。そして



うまいカレーだなあ。
いいいいいい









花野菜@清澄白河

2017年04月23日 | カレースタンド・カレー
どうやらすっかり意識高い系とかいう人々の溜まり場になってしまった清澄白河。その駅前にある



花野菜。

人気の青瓶でも全圧でも立昇でもない、昔ながらの喫茶店である。



しかし、その店前を通ると、尋常でないいい香りがするのである。



それはこのカレー。

その昔、こちらのママさんがナイルレストランに通い、初代ナイル氏に訊いたレシピを基に、独自に作り上げた辛口のポークカレー。



今日は少し辛いかしら?昨日チリペッパー加えたばかりなの。大丈夫?と。
いえいえ大丈夫ですよ、つかいつも辛いけど(笑)

そうココのカレー、いつも辛くてうまいのだ。



店内は常連さんで賑わう。
ママさんのペースに合わせた、ゆったりとした時間が流れる。



そんな中に身を置いて飲む、カレーの後のコーシーは、自分にとって人気店のそれよか、ずうっとうまいのである。



この町の良心だと思う。
意識高いとか低いとか、そんな下らん尺度では町は到底語れないコトを、この喫茶店の存在は示しているのだ。







カレーの家@池袋

2017年04月12日 | カレースタンド・カレー
池袋の西口をうろうろしていた。

半年ほど前にふと思い出した、昔一度だけ入った立ち食いそば屋はどこだったんだろう。と探していたのだ。
たかだか17年ほど前の事なのだが、どうしてもその場所が出てこない。

きっと今はもうない。たしかゆで麺で黒い汁だった。うまかったのかまずかったのかも記憶にない。
アイボリー色の安っぽいベニヤでできた立ち食いカウンターに、おじさんたちがたくさんいた。で、小振りな丼に盛られたそばうどんを無表情に食っていた。

今思うに、なかなかの風情だった。



西口のロータリーのすぐ裏手の路地を入る。
あーココその頃からカレースタンドだったな。
カレーの家。名前は違う気がするけど店内の作りは変わってない様な。。



ま。ない店探してても腹は満たされないし。というコトで(笑)



カレーライス480。特別どこがというコトではなく。そんなふつうにうまいカレーライスであった。

でも今やありそうで、ない。
この存在が、いい。



大衆とは移ろいやすいものでもある。
その中で、在り続けるというコト。

店を後にして駅へと向かう。
あの立ち食いカウンターのおじさんたちは、今頃何を食ってるんだろう。
ふとそんなコトを考えていた。







旅 本店@新大塚

2017年03月11日 | カレースタンド・カレー
小石川台地が尾根伝いに細く延びる新大塚の駅周辺。

その尾根伝いに進む川越街道から住宅地へと小径に逸れる下り坂の入口に旅はある。



大衆食の旅を始めた頃、見つけた一軒の弁当屋。

なんとも不思議に思えたその立地と、弁当屋でありながら、旅という不意を突かれた様な店名に惹かれて中へと飛び込んだのは4年前のことか。



店の中は、たまたま仕込み中だったのかカレーのいい匂いが充満していた。そんな理由で頼んだカレー弁当350。

甘みがきて、その後辛さがぐんとリードする。夢中になる。そんなストラクチャー。口直しがらっきょうというのも実に気が利いている。

今回で4回目の訪問なのだが、実は毎回カレー。他のも気になるのだけれどやはりカレー(笑)
この旅カレーの呪縛から逃れられないでいるのだ。



旅とはそんな偶然の連続である。
たとえ目的地のある旅だったとしても、そこで出会う瞬間瞬間は予定されていたモノなどひとつもない。



この驚くべきうまさのカレーは、自分にとってそんな偶然の結実なのだ。
このブログのタイトルに旅と付けたのも、こんな出会いをちょっぴり頂きたい気持ちがあったりする。



元々縁もゆかりもないこの尾根伝いの町に興味を惹かれる。理解してゆく。そしてなんだか好きになってゆく。
ひと皿の料理がそんなきっかけにもなり得るのである。