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DK大衆食の旅3

路麺好きがそんな感じで巡る大衆食の旅。

自家製麺そばタロー@秦野

2019年07月15日 | そばうどん
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
外で食べるごはんが好きだ。
ピクニックの弁当や花見酒なんかもそうだが、個人的に特に思い出深いのは、40年前、高尾山で食べたホテイのやきとり缶である。
 
温めるとうまいんだよ。
 
キャンプでもない日帰り登山に、それを湯煎で温める為だけにシングルバーナーと小鍋を父親は持参してそう言った。
 
そして、いや待て。ホテイのやきとりのうまさはあのゼラチン部分だ。と常々思っている自分は不覚にも、温めてNOゼラチン化したやきとりに「うんまああああー」と叫んでしまうのであった。
(その後何度か家で試したケドうまくないのよね。あれそこアウトドアマジックだったと信じてるワケ。)
 
 
 
さて。大衆そばの中にもアウトドア系というのがある。
横浜ベルワン、西葛西のやしま、よりみち江戸丸の環七コンビ、そばひろなんかもそうか。
あー今はなき山田製麺所なんて最高だったよなあ。
あと、やくし売店とか公園系はほとんどそうだし、そば弁なんて屋外自由度MAXだな。
 
で。大切なコト。自分、そのどれもがかなり好きだってコト(笑)
つまりアウトドアそばは無条件にうまいんですよw
 
 
 
 
さてさて本題。神奈川の秦野にある駐車場そばである。
そう、駐車場の隅に建てられたプレハブ小屋から供され駐車場で食べるそば。それはもう最高である。
 
しかしそのうまさのヒミツは、アウトドアそばを手放しで喜ぶそれだけではなかった。
細めでしゅるると心地よく口に収まる自家製麺。
出汁ときのこの旨味に、更に鶏脂を纏わせた汁。
忠実に、丁寧に、ご主人のそば一杯に込める心を感じた。
 
そしてまた、丹沢山の裾野に広がる、蕎麦も小麦もとれる肥沃な扇状地、清冽な水、早くから人が集い暮らし、文化を積んだ秦野の味でもある、とも感じ取れたのである。
 
 

まいこや@練馬春日町

2019年07月07日 | そばうどん
 
 
讃岐うどん、博多うどん、吉田のうどん、武蔵野うどん、加須うどん、などなど。
全国には郷土色を豊かに彩るうどんがある。
それらはもちろん自分の興味を沸き立たせて止まないのだ。が。
 
この、まるで地方の食堂にやってきたようないい雰囲気の中で食べる、たぬきうどん500
 
残念ながらゆで麺ではなく冷凍麺ではあったが、そこは暫し時間をかけて食べればまさに正しき食堂のうどんといった風情。
このかけ汁がまたいい。ナルトと蒲鉾が添えられているのがいい。奴が付いてくるというのもいい。
 
そう、食堂でいただくうどん。
うどん専門店には決してないうどん。
 
それもまた大衆を支え続けてきたうどんだと思う。
そしてそんなうどんにココでありつけた喜びはひとしおである。
 
食べるとは、生きること。
そんなシンプルで尊い本質がココには、ある。
 
帰りがけに見かけた他客のカレーライスもまた、生きる力が溢れていたかつてを思わせる真っ黄色でそそった。次回はアレもいいな。
 
 
 

みねざき@佐野 田沼

2019年06月10日 | そばうどん
 
 
 
 
佐野といえば佐野ラーメン。いもフライ。あと厄除けか。
 
「約されてナンボ」という言葉を思い出す。
あだ名や略称を得てこそ本当の人気者。なんだそうだ。
 
人口に膾炙してゆく過程において、そのインパクトを持たせるため、そのものは簡素化され、他は捨て去られてゆく。
ま、それは仕方のないコトだし、当然のメソッドでもあろう。
 
ただし。その裏に。その他多くの食文化や生活が存在している事実を忘れてはならない。
佐野は、ラーメンといもフライと厄除けだけで出来ている訳ではない。コレ何も佐野だけの話ではないけどね。
 
佐野から葛生に向かって3駅。田沼はそんな「かつての」バランスが残されたこじんまりした町だった。
そのメイン通りに在る一軒の大衆そば店の暖簾をふらりと潜る。
 
暫し待った後、供されたもり450。
 
極粗挽きのそば粉をつなぎでうまく麺にまとめた手打ちのそれは、素晴らしく香り、甘みが爽やかに広がった。
 
すぐ裏手にそばの隠れた一大名産地である山々を据える町ではあるが、まさかこんな名人芸に出会うとは。
 
うまいそば湯をあがりながらたなびく余韻に浸る。
もちろんラーメンも、いもフライも、いい。
しかしそれだけではない。こんなすごいそばも在る。
 
町も。人も。表面をなぞるだけじゃあその深度は計れないコトを改めて強く感じるのであった。
 
 

あみ富@妙典

2019年05月27日 | そばうどん
妙典の町。やはりすごくいい。

塩の道の終着点にして、木下街道の始まりの町。

古より水と共に在る町。その水を護らんと建ち並んだ寺社の合間を緑の風が抜ける。



そんな町の、落ち着きのある住宅地にぽつんと在る大衆そば店、あみ富である。



なんとも海町のざっかけない雰囲気がいい。



以前、こちらの定食に付いてきた、三番瀬のホンビノスの味噌汁のうまさに度肝を抜かれたのは5年前になるか。

一口啜ると同時に、びいいいいんと身体中を電流の様に江戸前が貫いた。衝撃。

そう、東京モンにとっての地の物は江戸前である事実を、全身で理解した瞬間であった。

というのも、あみ富はそば屋でありながら三番瀬網元でもあるという、ちょっと面白い大衆そば店なのである。



前回、夏はハゼの天ぷらがあるかもよ、と訊いたのを思い出し、ちょいと時期尚早とは思いつつお邪魔してみた。

やはりまだであった。いくら猛暑日を重ねても5月末だもんね。梅雨もこれからだってのに気が早すぎたわい。

んあ?あああああー

てコトは!

穴子がシーズンに!
まさに入ろうというタイミングじゃあないの!^^



うほおおおおおお



いいいいいいいい

ほんのり品良く潮の香りを漂わせた穴子天。やばうぎ。身のほっこり具合も上々で。
冷やのコップ酒がまた合いまくりですよ。
あー生きてて良かったなあもう。



そばは細身。きりりと締まった辛汁。



でもってまた海苔がうまい。三番瀬の海苔かどうかはわからんけど、やはり海苔に妥協なしは大森界隈と同じ江戸前の矜持だよなあ。素晴らしいよなあ。



そば湯で締めて、店を後にする。
もうちょいと飲みたい気にもなったが、少し足らんくらいが良い様に思えた。

そう、この広く青い空は、更に期待の高まったハゼ天への、妙典の夏へのプロローグな気がしたのである。





鶏鳴庵@三郷 鷹野

2019年05月20日 | そばうどん























GW渋滞で東京脱出に失敗、うろうろ迂回してた時に偶然見かけた店。

思ってたより広い店内。おじいちゃんとおばあちゃんでやってる緩い雰囲気がいい。

そばは、きつね梅とか雪見とかちょっと変わったメニューもあり。生麺コンク汁かな。
春菊天うまそうで悩んだけどかき揚げそばを。根菜たぷーりの立派なかき揚げうまかった。

やきとりとか飲み屋としても使えるメニューも。営業時間18時までみたいだけど(笑)



あいちや@亀有

2019年03月19日 | そばうどん
日曜の昼下がり。古隅田川跡をうろうろと。
するってーと。



おおお
久々にY系キタ!



お弁当に



寿司やパンも一緒に並ぶショウケースいいい



コンビニ部分は普通かな?と思わせておいて



カップ麺の揃いがすごい(笑)
なるほど弁当のお供需要だよね



こゆ飯友惣菜が100〜150でパック売りされてるのいいよねえ



では。何弁当にしよーかな?と



レジ前に立ち、徐ろに頭を上げて

えええええええ



キター

そばうどん弁当おおおおお



温かいたぬきそばを!

と慌てて頼む自分。に対して
おばちゃん3人のゆったり連携プレーいいいいい



暫し待って手にしたたぬきそば持って店を出る。

あ。ショウケース上にもそばうどん書いてあったんかw



てな具合で、近くの公園へ。

サービスのみそ汁?と思われたカップはかけ汁でした(笑)



そば&具と別になってて。さくさくたぬきの配慮すたき。
で、そばもしっかり湯通ししてあって。



公園のベンチでアッアッ完成いいいい



つかうまいなコレ。
自家製たぬきもいい味してるし、麺ももちもちしてて。
で、なんだか汁にふんわり人の味がするのよ。

最近大手チェーンの弁当屋や即飯屋が次々とそばうどんをメヌーに取り入れてるケドさ、そんなんよか全っ然うまいよ。いい。

と予想を上回るうまさに公園で独り興奮しながらフニッシュ。

何気なく箸袋に目をやると



あっ。

そゆコトだったのか!




麺工房はらだ@阿佐ヶ谷

2019年03月04日 | そばうどん


以前手打ちそばの幟をチャリで見かけて、あれれと思ってた店へやってきた。



では。と中に入ろうとして焦るw



せ、狭っ!



つかそば屋じゃないのか。



マンションの一角、つい立てした3畳程の小さなスペースで生そばを小売してる。なんか面白いいい



おばちゃんに訊けば、ココでもう10年近くやられてるらしい。
その前も、久我山で同じスタイルでやってたんだって。

この奥に製麺室があってね。主人がなくなって現在は息子と小さくやってるのよ、なんて。なるほど母子二人でやってる小さな製麺処というコトか。ありそうでなかなかないよね。

丁寧に茹で方のポイントをおせーてくれて。いいいい







ではその晩、教わった通りに。





うんうまい!しなやかで香りがあって。



そしてそば湯の香ばしさときたらお店でもなかなか出会わないレベルだよコレ。実直に嘘偽りなくそば打ちされてるのがわかるなあ。
なので辛汁も付いて400てすごく安いと思う。

月一くらいで蕎麦の産地を変えるとのことだったので、また食べてみたいな、と。うどんも気になるよねえええ




えんどう手打ちそば@久喜

2019年02月03日 | そばうどん






この先行き止まり。そんな住宅地の奥にある大衆そば店である。







たぬきそば450を頼んで暫し。出てきた丼に箸を突っ込んでぐいと持ち上げて驚いた。

それは一茶で知ることとなった、うどんマナーに基づく極不揃いの暴れ麺であったからだ。



やはり一茶だけで驚いてはいけなかった。
これまでにも周辺では吉田屋や喜久屋、食事処あじさいで同様の麺と出会った。

一茶のご主人が五霞出身という点も含め、この麺はやはりこの地にそもそも存在するのである。



そして太田のかどやでも出会った事実は、このそばが元々存在する範囲なのだ。
つまり、いにしえの利根川中流域の流れと共に在るそば、坂東太郎の生み出した小麦も蕎麦も米もある、肥沃な大地のそばと呼べるのだと。

そう、河の流れと共に北関東のそばスタイルは存在していて各々に共通項を備えている。そして、それを今に残し、教えてくれるのは、個人の大衆そば店や製麺所なのだ。その点と点を結ぶ旅。それが自分の大衆そばの旅でもある。



もちろんこちらのそば、最高に美味かった。
汁も少し濃いめでたぬきの香ばしさと実にマッチするバランスのとれた一杯。いい。



住宅地の路地、この先行き止まりの看板の先で見つけたそば、それはこの広大なる平野で生きてきた、人々の営みへと繋がっていたのであった。





池田屋@下野毛

2019年01月19日 | そばうどん
下野毛。この府中街道と多摩川に挟まれた地域は、大企業の工場からその下請けの中小町工場までが居並び、そこに働く人の住まうやれ気味の団地やアパートが散見するという、なかなか昭和風情な働く人の町である。

川崎とは海沿いだけに非ず。此処もまた立派にあのkawasakiなのだ。との感を強くする。

そして。となれば。町にはたくさんの大衆食堂や料理店がある筈。なのだが、御多分に洩れず高齢化、後継者の問題でだいぶ少なくなったそうで。



そんな中、一軒の町蕎麦店に出くわす。
どんなかな?と入口脇の自販機に付けられたランチメニューを見て驚いた。



かつ丼に小たぬきそばで500?!
かつカレーに小たぬきそばで500?!

これ本当?平成も終わろうというのにそんな事があるのか。立ち食いそばのCPをも軽く凌駕するワンコインである。



店内にはランチ戦争時間を終えたちょっと安堵したような空気が漂っていた。
お店はおばちゃん3人で切り盛りしていてその辺りも路麺チックで。



日替わりのランチお願いします。と伝えて暫し待つ。



きたw
うーん立派だ。



うまい。カレーは今亡きそば清のカレーにも似た味わい。後から加えた玉ねぎの風味と食感がまたいい。



かつもいい。ちょいと小ぶりではあるが主張する肩ロースの噛み応えとさくさくじゅわわーんと溢れる旨み。
これ単品700でも充分安いんじゃないか。



そこに汁碗にぐいぐいと詰められた小たぬき。



出汁の旨みのある甘めで濃いめの汁に茹で置きの柔い麺。これまたいい。

そいやココメニューがないな。。と見回してランチの裏側を見ると、



ありましたw て高くないか?(笑)

かつカレー1250てwww

つまりアレだな、単品かつカレーはこの2倍あるんだなきっと(笑)

ま、ランチをどうぞってコトなんだろう。



ともあれ稀にみる怒涛のワンコインランチ。それはこの町で働く人々と日々呼応してきた結果だと思う。この町らしいランチ、見事な大衆そばの形を見たのであった。




新華@柴又【未食】

2019年01月02日 | そばうどん
車が近づくことのできない駅前広場なのである。
このシチュエーションが、小さな楽園を残してきたのだ。



人が安心して立ち止まる事ができ、見回す事ができ、会話を交わす事ができる小さな広場。
比べてみるといい。ロータリーが偉そうに構え、人々がペデをいそいそと行き交う今風に開発された駅前と、この柴又の駅前。人々の笑顔の比率は3割増しである。



そんな奇跡の広場には、これまた笑顔にお似合い大衆食の良店が並んで華を添えている。
今川焼き、焼きそば、コーヒースタンド、そして、なかでも自分が一番お世話になっているのが新華だろう。



柴又という町の駅前で、ちょうど良いそばうどん、ちょうど良いラーメンを提供するベリーナイスな立ち食い店である。その味は外連味なく丁寧に拵えられた大衆食の醍醐味そのものである。

しかしついに今年の春先、この小さな楽園にも再開発の手が伸びるという。

新華は、戻れるのであれば戻って営業したい。との事ではあるのだが、はたしてこの楽園は再開発後どうなるのか。楽園を維持した再開発なのであろうか。



もしかすると、この風景をしっかり目に焼き付けておかねばならないのでは。と思ったりもするのである。