













外で食べるごはんが好きだ。
ピクニックの弁当や花見酒なんかもそうだが、個人的に特に思い出深いのは、40年前、高尾山で食べたホテイのやきとり缶である。
温めるとうまいんだよ。
キャンプでもない日帰り登山に、それを湯煎で温める為だけにシングルバーナーと小鍋を父親は持参してそう言った。
そして、いや待て。ホテイのやきとりのうまさはあのゼラチン部分だ。と常々思っている自分は不覚にも、温めてNOゼラチン化したやきとりに「うんまああああー」と叫んでしまうのであった。
(その後何度か家で試したケドうまくないのよね。あれそこアウトドアマジックだったと信じてるワケ。)
さて。大衆そばの中にもアウトドア系というのがある。
横浜ベルワン、西葛西のやしま、よりみち江戸丸の環七コンビ、そばひろなんかもそうか。
あー今はなき山田製麺所なんて最高だったよなあ。
あと、やくし売店とか公園系はほとんどそうだし、そば弁なんて屋外自由度MAXだな。
で。大切なコト。自分、そのどれもがかなり好きだってコト(笑)
つまりアウトドアそばは無条件にうまいんですよw
さてさて本題。神奈川の秦野にある駐車場そばである。
そう、駐車場の隅に建てられたプレハブ小屋から供され駐車場で食べるそば。それはもう最高である。
しかしそのうまさのヒミツは、アウトドアそばを手放しで喜ぶそれだけではなかった。
細めでしゅるると心地よく口に収まる自家製麺。
出汁ときのこの旨味に、更に鶏脂を纏わせた汁。
忠実に、丁寧に、ご主人のそば一杯に込める心を感じた。
そしてまた、丹沢山の裾野に広がる、蕎麦も小麦もとれる肥沃な扇状地、清冽な水、早くから人が集い暮らし、文化を積んだ秦野の味でもある、とも感じ取れたのである。