鄭州鉄道日記

河南省鄭州市で働いています。中国鉄道交通の要衝であるこの街から、中国の鉄道の情報を発信していければと思います。

K163次 上海南→福州 2011年11月5日

2011年11月07日 18時51分22秒 | 乗車記(寝台)
土曜日に上海から福建省の省都福州へ向かうためK163次に乗車した。上海南駅から列車に乗るのは思えば09年9月以来だ。現在、上海から福州へは沿海鉄路経由で多数の動車組が運行しており、概ね7時間前後で到着できる。にもかかわらずわざわざ17時間もかかる列車で移動するのだ。

11時過ぎ、上海南駅に到着。久しぶりに来たので、安全検査を抜けてから構内を歩いて回った。以前あった百万城(中国の鉄道模型を作っている会社)のショールームは無くなっていたほか、二つある軟席候車室のうち一つは使用停止になっていた。ここ発着の動車組が全て虹橋駅に移ったことで利用者が激減したのが原因だろう。加えて閑散期なので一つしか空いていない西軟席候車室もガラガラだった。
大娘水餃で昼食を食べてから軟席候車室で待つ。改札開始は発車25分前くらいだった。


K163次は上海と福州を結ぶ快速列車で南昌鉄路局福州客運段の管轄だ。同客運段の管轄列車の中では北京西~福州の直達特快に次ぐ地位にあり「紅旗列車」となっている。09年に北京~長江デルタの大半の直達特快の臥舗動車組置き換えが完了した際、その車両を転用して上海南~福州にも直達特快が登場したことがあったが、乗車率が高かったにもかかわらずすぐに消滅した。(09年9月に乗車した)
その後、寧波~温州~福州と沿海鉄路が開業したことで上海と福州は動車組で結ばれるようになったが、この列車は消滅せずに走り続けている。(上海~厦門の快速は龍岩行きに変わった)

使用車両はかつて全車両がプラグドア仕様の25Gだったが、現在は混成となっている。硬臥は1両を除きプラグドア仕様(7号車だけはずれ)、軟臥は通常の開き戸だった。ただ古めの25Gというと無機質な内装が多いのだが、この軟臥は一部の25K型のように高級感のある内装だった。製造は南京補鎮車両廠だ。(最近の車両はなぜかないが、古い車両だと製造工場の銘板がある)

やはり利用者は少ないようで寝台車が並ぶ前よりのホームはガラガラだ。先頭まで機関車の撮影に行く。牽引機は杭州機務段のDF11だった。
この列車で福州までわざわざ行く人はそういないだろうが、やはり武夷山までの利用が多い。向かいのおじさんも武夷山までだった。武夷山には23時ごろ到着する。


そして12:16、列車は定刻通り上海南駅を発車した。時々上海~杭州の高速鉄道を眺めつつ田園地帯を快走する。最初の停車駅である嘉興には13:14に到着。なお軟臥の乗車率は半分にも満たない空き様だ。


12:16発ということで食堂車は弁当販売のみの営業だったが、弁当に加えて魚丸も売りに来たので購入した。10元。魚丸は福州客運段の列車では軽食としてよく販売されている。


その後は海寧に停車し、改造工事中の杭州東駅を通過して銭唐江を渡り、杭州南には14:28着。ここで軟臥には3名が乗車してきた。杭州南は改造のために閉鎖された杭州東駅の代わりに蕭山駅を改称した仮のターミナル駅だ。


杭州南を発車し寧波方面の路線と分岐すると列車は07年4月の第6次高速化ダイヤ改正に合わせて直線化された滬昆線を快走する。義烏には15:57到着。ここで軟臥にはさらに2名乗車してきた。しかしこの辺りのトンネルは新しく作られたせいか携帯の電波が届く。便利だな。


16:36、金華西に到着。ここはかつて上海鉄路局管内の滬昆線で最後の機務段があったところで、非電化時代は必ずここで機関車交換となっていた。現在は電化により機務段も統合されて消滅したが、電化の時期が遅かった(2007年)ことから今でもK163次を始めディーゼル牽引の列車は多く、基本的に機関車交換が行われるのだ。なので長時間停車する。ここまで比較的停車時間が短かったので降りていなかったのだが、初めてホームに降りた。河南省と違って浙江省南部となると暖かい。半そでTシャツ1枚でも十分だった。

機関車付け替えを終え16:51に金華西を発車した。杭州からここまで概ね南下してきたが、ここからは西進。夕日に向かって列車は進む。ちなみに目指す福州はどちらかと言えば南東方向で、沿海鉄路ができる前はいかに遠回りだったかがよくわかる。


次の衢州には18時前に到着。ここで後続のT81次に抜かれる。T81次は9月に上海南~南寧の快速1往復を格上げしてできた特快だ。使用車両は済南局などで使ってた25K型の寄せ集めで、南寧局管轄の特快はこんなのばかりだ。T81次は若干遅れて衢州に到着。SS8の牽引だった。K163次の食堂車はガラガラだが、あちらは満員だった。


T81次の発車を見送ってから食堂車へ食事に行く。福州客運段の食堂車は09年9月のZ59(北京西→福州)以来だ。値段は安めで回鍋肉20元、季節の野菜炒め(白菜と木耳)10元、ごはん2元。味はまあまあ。食堂車にしては肉の含有率が高かった。

食堂車には「紅旗列車」「先進列車」「文明列車」のプレートがはられている(自主規制により撮影せず)が、そこまでいい列車かな?

江山には18:41着。ここで動車組1本とT101次(上海南発深セン行き)にぶち抜かれた。ここまで来てもコンパートメントは自分と武夷山までのおじさん2名だけだ。

しかし他のコンパートメントはグループが多いのだが服を着た○○が多いようで、コンパートメント内でタバコを吸うやつが多い。まあ空調がしっかりしているので他のコンパートメントには漏れないし、自分のコンパートメントのおじさんはしっかりデッキで吸うので、あまり気にはならない。

江山を出てから30分ほどで臨時停車。ここで快速1本に抜かれた。

20:15、上饒に到着。ここで滬昆線と分かれる。ここからは単線なので行き違いも増えるし、動車組も走る滬昆線に比べて揺れも若干大きくなる。それでも気になるレベルではない。

武夷山まであと1時間余りの22時ごろ、再び行き違いのために臨時停車。向かいには福州発洛陽行きの快速が停車していた。

この快速は鄭州発着で唯一福州まで行く列車だ。しばらく停車していると福州発北京西行きのZ60次が通過して行った。K163次はその後すぐの発車となった。

そして23:06武夷山に到着。同室のおじさんは下車しコンパートメントには自分一人となった。その後就寝。


早朝4:20、列車員に起こされて換票となる。定刻だと5:18着なのにこんな時間にするということは、相当早く着くことが予想された。まだ外は真っ暗なのに迷惑な話である。
そして4:59に定刻より19分も早く福州駅に到着。

2年ぶりの福州駅はホームだけ改造が完了していたが、駅舎や地下通路はまだ工事中。しかもこの駅は始発列車しかないため、駅切符売り場は6時開始で駅前で1時間も待たされることとなったのだった。


つづく



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