鄭州鉄道日記

河南省鄭州市で働いています。中国鉄道交通の要衝であるこの街から、中国の鉄道の情報を発信していければと思います。

CRH2子弾頭に乗ってきました

2007年01月28日 18時54分05秒 | 中国鉄路


本日28日から上海南京間ではT707次・T708次とT717次・T718次の2往復が、日本の新幹線技術で作られたCRHに置き換えられ運行を開始しました。
中国新幹線とは言っても、最高速度は従来の客車列車と同じ160キロですし、ダイヤもそのままなので、今回に限って言えば特急電車の導入といった方が良いかもしれません。先日も書きましたが、この区間の最速列車はT703次・T704次とT705次・T706次ですから、200キロ運転が行われるであろう4月18日のダイヤ改正までは新幹線より客車列車の方が早いという珍現象が続きます。

発車前
今回乗車するT708次は8:44上海発です。大体8時10分頃に改札が始まりました。ホームにはすでに報道陣が入っており、中国人鉄道ファンや普通の乗客も含めて皆興奮した様子で写真を撮っていたりしてました。
 
左の男性がテレ朝のリポーター          海子鉄路網の面々

予想通りテレビ朝日の取材班を発見。先頭車の前で報道ステーションで見たことありそうなリポーターが
「日本の技術で走る中国の新幹線。まずは最高速度を160キロに抑えて、ゆっくりとしたすべり出しとなります」
というのを4回くらいやってました。
ホームには中国最大のの鉄道ファンサイト「海子鉄路網」の人間が垂れ幕を張って宣伝に明け暮れてました。

車内の様子
列車は8両の基本編成を2つ結げた16両編成です。基本の8両は軟座車6両・軟座ビュッフェ合造車1両・1等軟座車1両からなってます。
自分は日本ではやてに乗ったことが無いので、断言はできませんが、たぶん内装は日本と同じです。軟座は普通車、1等軟座はグリーン車と同じ座椅子だと思います。もちろん回転リクライニングシートです。

1等軟座


軟座

トイレも日本と同じ。おそらく中国では初めてではないかと思われる男子小便用トイレがありました。
軟座(上海南京間72元)と1等軟座(同86元)のみの編成なので、乗客のモラルも高く車内はとても静か。全車全面禁煙でタバコの煙が吹き込むこともありません。2日前に長距離列車の硬座に乗った身にとっては天国でした。
 
洋式トイレ(車椅子対応)              現在CRHで運行されている列車時刻表

唯一の途中停車駅常州を発車後、隣の1等軟座に乗っていたテレ朝の取材班が乗客インタビューに登場。が、日本人という理由でスルーされた。せっかくインタビューに備えて中国鉄路のうんちく話を20分分くらい用意していたのに、まったくテレビ朝日も度量が狭いですな。
南京には約10分早着しました。これは新幹線効果というより、もともと日常茶飯事だったんでしょう。停車駅一つで乗降に時間がかかるというタイムロスが少ないですから。

南京到了

南京駅には「東方車迷網」という中国鉄道ファンサイトの面々が垂れ幕を下げて盛り上がってました。
 
盛り上がる中国の鉄道ファン            CRHと緑皮車、時代を超えた異色コラボ


これからのCRH
とりあえずは4月18日の第6次高速化に伴うダイ改までは160キロにて運行されますが、それ以降は1部区間で200~250キロの運行が行われます。
あまり中国の鉄道事情を知らない人の中には、200キロなんて中国で出したら絶対に事故が起こると危惧している人がいますが、実は中国にはすでに何年も前から200キロ運転を行っている場所があります。広東省広州と深センを結ぶ広深鉄路です。この区間は貨客分離が成された結果、ICEのコピー「藍箭」とスウェーデンから給与されたX2000が200キロ、国産の客車列車が160キロで運行されています。(X2000は最近160キロにスピードダウンしました)

ようは貨客分離が成され、ついでに低速の鈍行列車も分離できれば良いわけです。だから単純に複々線化するだけでも200キロ運転は朝飯前なのですが、その発想が鉄道部に無いみたいなので、どうなるのか?鉄道部曰く「貨物を幹線から迂回させる。普客の一部廃止」などをするようですが、高速運行の妨げになる(160キロでもやはり先行列車待ちでの減速は多いです)低速列車をどれだけ減らせるかがポイントでしょう。

ちなみに上海地区は日本のCRHが主力ですが、広州ではカナダのボンバルディア製が主力だそうです。(上海にもボンバルディア製はあります)

第2次鎮江出撃 その1

2007年01月27日 14時00分01秒 | 中国蒸気


実は2週間ほど前から、さる日本人が経営する旅行社でアルバイトをしています。
内容は銀行に行ったり、ホテルに支払いに行ったり、鉄道切符の購入に行ったり、帳簿のチェックをしたりと様々です。
で、昨日はSL撮影ツアーのガイド見習いとして、旅行社の方と別の中国人社員、お客様の4人で江蘇省鎮江の船山に行って来ました。中国人社員は鉄道ファンの気持ちをわからせるための研修で参加です。つまりお客1人をアテンドするのに旅行社の人間が3人も付くという非効率なツアーでした。

船山には江蘇船山集団という石灰石採掘企業があり、ここでの石灰石の積み出しの貨物輸送に建設型蒸気機関車が使用されています。先月初めに海浜さんと行ったのはこのブログでも書きましたが、あの時は若干1名いる反日職員との遭遇を避けるためにスナイパーのごとく離れた所からの撮影でしたから間近で見るのは初めてでした。
前述の通り2526次にて50分遅れで鎮江に到着。鎮江SLツアーご用達の運転手と合流し、船山へ向かう。まずは一番奥の石灰石を貨車に積載する場所に向かう。

解体されゆく建設型。これも時代の流れ・・・

だがSLの姿は無し。しかも途中で解体中の建設型を発見してしまう。
とりあえず解体現場に戻る。解体作業中の職員はあまり友好的とは言えず、「蒸気はもう無い」「ここで写真を撮るな」と言われ退散する。

だがディーゼルはまだ1両しか導入されていないため、1両は建設型が使われているはず。とりあえず廃車体が留置されたところに行きつつ待つことに。運のいいことにそれほど待つことも無く建設型が登場。初めて間近で見ることができた。踏み切りまで船山専用貨車を運んできた建設型は、そこで切り離しを行い、別の貨車を連結して再び山を下っていった。

専用貨車を連結し再び出撃

その後はこれまた船山ツアーご用達の金福楼酒店にて食事。ここの店はご飯がすすむ。3杯食べました。5人で食べてビールも飲んで58元。相変わらずの安さ・おいしさだ。

これで58元

続く

07年 初乗り

2007年01月26日 23時52分15秒 | 中国鉄路
「ピンポーン:各位旅客請注意。開往連雲港方向的2526次列車現在開始検票。買好2526次車票的旅客、請到第7・第8候車室検票進站、12号站台上車」

いつもの構内放送とともに興奮した硬座・無座の客が改札口に殺到する。そう連雲港行き2526次普快の改札が今まさに始まったのだ。


今日はバイトの研修と称して、江蘇省の鎮江に日帰りで行って来ました。現地での詳しい内容は後日改めてアップするとして、今日は今年の中国鉄路初乗りとなった2526次の事を書きます。

今回乗車する2526次普快は上海と江蘇省連雲港を結ぶ中距離列車だ。結構変わったダイヤになっていて、連雲港→上海は夕発朝着の夜行で、上海→連雲港は朝発夜着の昼行列車なのだ。でも使用編成は同じなので硬座・硬臥・軟臥・食堂車の長距離列車編成になっている。車両は空調快速・空調普快では一般的な25G型、だが結構くたびれている。所属は済南鉄路局徐州客運段だ。
今回は乗車距離約250キロなので当然硬座となる。改札を抜け乗車するとすでに無座の客でいっぱい。まずは自分達の席に座った無座の客をどかす事から始める。


6時54分、4分遅れで上海駅を発車。とりあえずは加速し西を目指す。だが20分ほど走ったところで黄渡に臨時停車。まずは銅陵行きの特快に追い抜かれる。
ついで最初の停車駅昆山で西寧行き快速に抜かれる。昆山・蘇州・無錫と停車するうちに次第に無座の客が増加。特に無錫でどっと増えた気がする。乗車率は180%と行ったところか。2人掛け席が3人掛けになり、3人掛け席が4人掛けになる
硬座の場合、指定の有り無しを問わず短距離利用客も多い。常州を出た辺りでは既に周りの顔ぶれは完全に入れ替わっていた。つまり乗降客も多いわけだが乗降可能な扉は1両に1つなので、時間が掛かる。みるみるうちに遅れがひどくなっていった。

約30分遅れで丹陽に到着。ここで上海8時30分・37分発の南京行き最速列車2本に抜かれる。だがあまりにも遅れが酷かったせいか、臨時に停車時間を延長し、本来なら抜かれないはずの上海7時55分発の南京西行き特快に追い越される。
「あれで行けば早く、快適に着いたのに・・・」と言いたいところだが、長距離の硬座を体験するというのも非常に重要な事なので心の中にしまい込む。

ようやく丹陽を発車。結局50分近く遅れて鎮江に到着。現地ドライバーの人と合流し船山に向かった。

長距離の硬座は色々と香ばしい状況で面白いですが、好き好んで乗りたい物ではありませんな。じゃあ今度は1462次の硬座で88元北京行き・・・