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鄭州鉄道日記

河南省鄭州市で働いています。中国鉄道交通の要衝であるこの街から、中国の鉄道の情報を発信していければと思います。

K378次 鄭州→上海 2012年3月31日

2012年04月10日 18時17分15秒 | 乗車記(寝台)
先週、一時帰国に当たっての上海への移動は初の西寧客運段管轄列車となるK378次に乗車した。


16:15に家を出て66路で駅へ移動。軟席待合室へ行ったが、案の定K378次は遅れていた。先日、広州へ向かった際もK378次は遅れアナウンスだったし、家で遅延検索をしたら大体30分は遅れているようだったので織り込み済みだった。定刻の上海到着は5時半なので、まあ最大1時間半くらい遅れても問題はない。

前回1時間半の遅れだったT123次は今日は50分程度の遅れで1番線に入線、K378次もほぼ同時に3番線に入線だった。T123次は京広線、K378次は隴海線からやって来る。
とりあえず乗車するとなぜか自分のコンパートメントは埋まっていた。下段2つは鄭州から乗車する自分と別のおじさんの席なのだが、三門峡~商丘で乗車している中年オヤジ二人組みが補票で利用していたのだ。当然、もともとの切符を持っている自分たちが優先して着くことになる。二人組みは列車員ともめた挙句、乗務員宿営車(硬臥)利用で手打ちをしたようだった。

発車して40分ほどしてから食堂車へ行った。ただ無座の座席難民も多く満席。仕方がないので料理を持ち帰りで頼むこととする。値段は比較的高く一品30~50元といったところか。葱爆羊肉(38元)とご飯(2元)を頼んだ。

コンパートメントへ持ち帰って食べたが、食堂車にしては珍しい肉の含有率の高さだ。味は相当しょっぱいがおいしい。食堂車で見かけたほかの料理(木須肉、茄子炒め等)も見た感じおいしそうだった。やはり蘭州鉄路局の所属なだけあって西寧客運段もなかなかおいしいようだ。なお車内販売の弁当は20元だった。

食事終了後はコンパートメントでコーヒーを飲んでくつろぐ。開封、商丘と停車するが遅れは45分、50分と次第に伸びていった。


なおこの列車は洋式トイレもしっかり使える。また洋式トイレと洗面所がある位置を食堂車よりにして連結しているので、硬臥の客が洋式トイレや洗面所へ流れてこないのがいい。ここのところ洗面所が硬臥よりの列車が続いていたため、洗面所が混雑する上汚かったのだ。
また部屋のコンセントが通電している。これもいい。最近は通電していない列車が圧倒的に多い。先々週のT123次は通電していたが通路にしかコンセントがないタイプで、硬臥の客が携帯電話の充電に流れてきて邪魔だった。

徐州にも約50分遅れで到着。ここから京滬線に入る。その後就寝した。


鎮江を発車してしばらくして目が覚めた。まだ真っ暗だが、向かいの下段のおじさんは次の常州で降りるのだ。常州には30分遅れで到着。少しは遅れが取り戻されたようだ。
無錫、蘇州と停車。最近、上海への夜行移動は成都始発のK284次が多く、同列車は南京上海間ノンストップなので、このあたりの駅に停まるのは久しぶりだ。最後の途中停車駅である昆山に到着後、下車の準備を始めた。昨日は無座の座席難民が軟臥まで溢れてくるような混みようだったが、やはり3連休ということで短距離移動が多いのか今は空いている。

昆山を過ぎると安亭の自動車貨物積み込み駅、南翔の貨物ヤード、杭州方面の線路との合流、上海西駅通過と特徴的な景色が続く。そして3号線の高架を眺めつつ、約30分遅れの6時ちょうどに上海駅に到着したのだった。


その後は空港バスで浦東空港へ移動する。上海駅の空港バス乗り場には怪しいタクシードライバーが屯してバスへの荷物積み込みを手伝っているが、「国際線利用」というと「3時間前締め切りだから間に合わない。タクシーで行け」などと馬鹿らしいことを言ってくるので、無視するか国内線と嘘をつくかが賢明だ。


つづく



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T76次 高級軟臥

2011年11月13日 19時56分03秒 | 乗車記(寝台)
昨晩19:07蘭州発のT76次に乗車して鄭州へ帰って来た。鄭州には今朝9:26に10分遅れで到着。満月の二日後だったので車窓から見える月がきれいだった。なお写真は携帯電話で撮影。


T76次に乗車したのは2009年1月以来2年10か月ぶり。前回も今回も高級軟臥だ。
ただ今まで乗車したRW19Kの中で、前回のT76次は唯一カードキーとVCDシステムが生きている列車だったのだが、今回はすでに壊れていた。直す気も無いようで、寝台カードはカードキーを兼ねたICカードでなく、普通のプラスチックのカードになっていた。


夕食は食堂車で食べる。蘭州鉄路局の食堂車は味付けがしっかりしていておいしいのだが、以前と比べるとメニューが変わっていた。(定番の葱爆牛肉が無い)なぜか料理の写真は無い。


しかし一人で部屋が使えるのはいい。鄭州→銀川で乗ったK361次も軟臥をずっと一人で使っていたが、部屋にトイレがあるかどうかというのは非常に重要だ。寝台の質もいいので久しぶりに熟睡しました。


朝食は何も食べないつもりだったが、結局車内販売の弁当を購入。

蘭州客運段の朝食も何か麺料理があった方がいいのだけど・・・(銀川客運段にはあった。写真無くなったけど)



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K163次 上海南→福州 2011年11月5日

2011年11月07日 18時51分22秒 | 乗車記(寝台)
土曜日に上海から福建省の省都福州へ向かうためK163次に乗車した。上海南駅から列車に乗るのは思えば09年9月以来だ。現在、上海から福州へは沿海鉄路経由で多数の動車組が運行しており、概ね7時間前後で到着できる。にもかかわらずわざわざ17時間もかかる列車で移動するのだ。

11時過ぎ、上海南駅に到着。久しぶりに来たので、安全検査を抜けてから構内を歩いて回った。以前あった百万城(中国の鉄道模型を作っている会社)のショールームは無くなっていたほか、二つある軟席候車室のうち一つは使用停止になっていた。ここ発着の動車組が全て虹橋駅に移ったことで利用者が激減したのが原因だろう。加えて閑散期なので一つしか空いていない西軟席候車室もガラガラだった。
大娘水餃で昼食を食べてから軟席候車室で待つ。改札開始は発車25分前くらいだった。


K163次は上海と福州を結ぶ快速列車で南昌鉄路局福州客運段の管轄だ。同客運段の管轄列車の中では北京西~福州の直達特快に次ぐ地位にあり「紅旗列車」となっている。09年に北京~長江デルタの大半の直達特快の臥舗動車組置き換えが完了した際、その車両を転用して上海南~福州にも直達特快が登場したことがあったが、乗車率が高かったにもかかわらずすぐに消滅した。(09年9月に乗車した)
その後、寧波~温州~福州と沿海鉄路が開業したことで上海と福州は動車組で結ばれるようになったが、この列車は消滅せずに走り続けている。(上海~厦門の快速は龍岩行きに変わった)

使用車両はかつて全車両がプラグドア仕様の25Gだったが、現在は混成となっている。硬臥は1両を除きプラグドア仕様(7号車だけはずれ)、軟臥は通常の開き戸だった。ただ古めの25Gというと無機質な内装が多いのだが、この軟臥は一部の25K型のように高級感のある内装だった。製造は南京補鎮車両廠だ。(最近の車両はなぜかないが、古い車両だと製造工場の銘板がある)

やはり利用者は少ないようで寝台車が並ぶ前よりのホームはガラガラだ。先頭まで機関車の撮影に行く。牽引機は杭州機務段のDF11だった。
この列車で福州までわざわざ行く人はそういないだろうが、やはり武夷山までの利用が多い。向かいのおじさんも武夷山までだった。武夷山には23時ごろ到着する。


そして12:16、列車は定刻通り上海南駅を発車した。時々上海~杭州の高速鉄道を眺めつつ田園地帯を快走する。最初の停車駅である嘉興には13:14に到着。なお軟臥の乗車率は半分にも満たない空き様だ。


12:16発ということで食堂車は弁当販売のみの営業だったが、弁当に加えて魚丸も売りに来たので購入した。10元。魚丸は福州客運段の列車では軽食としてよく販売されている。


その後は海寧に停車し、改造工事中の杭州東駅を通過して銭唐江を渡り、杭州南には14:28着。ここで軟臥には3名が乗車してきた。杭州南は改造のために閉鎖された杭州東駅の代わりに蕭山駅を改称した仮のターミナル駅だ。


杭州南を発車し寧波方面の路線と分岐すると列車は07年4月の第6次高速化ダイヤ改正に合わせて直線化された滬昆線を快走する。義烏には15:57到着。ここで軟臥にはさらに2名乗車してきた。しかしこの辺りのトンネルは新しく作られたせいか携帯の電波が届く。便利だな。


16:36、金華西に到着。ここはかつて上海鉄路局管内の滬昆線で最後の機務段があったところで、非電化時代は必ずここで機関車交換となっていた。現在は電化により機務段も統合されて消滅したが、電化の時期が遅かった(2007年)ことから今でもK163次を始めディーゼル牽引の列車は多く、基本的に機関車交換が行われるのだ。なので長時間停車する。ここまで比較的停車時間が短かったので降りていなかったのだが、初めてホームに降りた。河南省と違って浙江省南部となると暖かい。半そでTシャツ1枚でも十分だった。

機関車付け替えを終え16:51に金華西を発車した。杭州からここまで概ね南下してきたが、ここからは西進。夕日に向かって列車は進む。ちなみに目指す福州はどちらかと言えば南東方向で、沿海鉄路ができる前はいかに遠回りだったかがよくわかる。


次の衢州には18時前に到着。ここで後続のT81次に抜かれる。T81次は9月に上海南~南寧の快速1往復を格上げしてできた特快だ。使用車両は済南局などで使ってた25K型の寄せ集めで、南寧局管轄の特快はこんなのばかりだ。T81次は若干遅れて衢州に到着。SS8の牽引だった。K163次の食堂車はガラガラだが、あちらは満員だった。


T81次の発車を見送ってから食堂車へ食事に行く。福州客運段の食堂車は09年9月のZ59(北京西→福州)以来だ。値段は安めで回鍋肉20元、季節の野菜炒め(白菜と木耳)10元、ごはん2元。味はまあまあ。食堂車にしては肉の含有率が高かった。

食堂車には「紅旗列車」「先進列車」「文明列車」のプレートがはられている(自主規制により撮影せず)が、そこまでいい列車かな?

江山には18:41着。ここで動車組1本とT101次(上海南発深セン行き)にぶち抜かれた。ここまで来てもコンパートメントは自分と武夷山までのおじさん2名だけだ。

しかし他のコンパートメントはグループが多いのだが服を着た○○が多いようで、コンパートメント内でタバコを吸うやつが多い。まあ空調がしっかりしているので他のコンパートメントには漏れないし、自分のコンパートメントのおじさんはしっかりデッキで吸うので、あまり気にはならない。

江山を出てから30分ほどで臨時停車。ここで快速1本に抜かれた。

20:15、上饒に到着。ここで滬昆線と分かれる。ここからは単線なので行き違いも増えるし、動車組も走る滬昆線に比べて揺れも若干大きくなる。それでも気になるレベルではない。

武夷山まであと1時間余りの22時ごろ、再び行き違いのために臨時停車。向かいには福州発洛陽行きの快速が停車していた。

この快速は鄭州発着で唯一福州まで行く列車だ。しばらく停車していると福州発北京西行きのZ60次が通過して行った。K163次はその後すぐの発車となった。

そして23:06武夷山に到着。同室のおじさんは下車しコンパートメントには自分一人となった。その後就寝。


早朝4:20、列車員に起こされて換票となる。定刻だと5:18着なのにこんな時間にするということは、相当早く着くことが予想された。まだ外は真っ暗なのに迷惑な話である。
そして4:59に定刻より19分も早く福州駅に到着。

2年ぶりの福州駅はホームだけ改造が完了していたが、駅舎や地下通路はまだ工事中。しかもこの駅は始発列車しかないため、駅切符売り場は6時開始で駅前で1時間も待たされることとなったのだった。


つづく



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T128次 東莞東→成都 2011年10月28日

2011年11月02日 15時35分05秒 | 乗車記(寝台)
中国の長距離列車は一般的に寝台と座席双方を連結しているわけだが、その比率は概ね列車種別の格が上がるほど寝台が多くなる傾向にある。ただ実際はそれに加えて列車の運行区間による列車運行の目的も絡んでいる。
今回乗車したT128次はまさにその典型だ。特快という長距離列車では基本的に最優等の列車ではあるが、その編成は軟臥1両、硬臥5両に対し硬座9両と完全な運搬車編成になっている。工場地帯で出稼ぎの多い東莞における民工積出駅と言える東莞東を起点として、陝西省南部、四川省北東部を横断。四川や陝西省南部の民工を東莞へ送り込むために走っているのである。
この列車の性格に加えて東莞東駅発ということで、前々から気にはなっていたものの、チキンなので東莞東駅へ行くのが憚られたのだったが、今回、ボーゲン隊長との共同戦線を組むことでようやく実現の運びとなったのである。

28日10時過ぎ、広深線の東莞駅前で隊長と待ち合わせた。何度も乗っている広深線だか実は途中下車するのは初めてだった。
東莞駅から4路の路線バスで移動する。まっすぐ向かわずにぐるぐる回るので、直線距離ではそれほど遠くない東莞東駅まで20分以上かかった。そしていよいよ東莞東駅に到着。やはり景気の悪い雰囲気が漂っている場所だ。

しかも駅前広場にdicosがある・・・広東省で初めて見たな。マックやケンタッキーが減る河南や四川などだとハンバーガーチェーンでは最大勢力を形成するdicosだが、沿海部では非常に少ない。上海では1件しか目撃したことがない。

写真を撮ってから駅に入場するが、この駅の保安検査は3段構えだった。まずは切符のチェック、ここで改札を済ませてしまう。続いて乗客全員の身分証チェック。最後にようやく荷物検査で晴れて入場となった。年々入り口の検査が厳しくなるな。

駅舎は2階建て。T128次の待合室は2階だが、なんとあまり存在を期待していなかった軟席候車室がある!!しかもただの候車室ではなく、中国移動の全球通VIP会員ラウンジだった。こんな駅を利用する全球通のVIP会員がいるとは思えないのだが、案の定自分たち以外にはT128次の軟臥客4名しかいなかった。


発車約40分前に乗車が開始されたので、候車室目の前の1番線からT128次に乗車した。T128次は東莞東発成都行きの特快で、管轄は広梅仙鉄路公司(広州鉄路集団傘下の地方鉄道)東莞東客運段だ。使用車両は汕頭車両段の25K型で、同車両段の車両は白地に青帯と黄色の広梅仙鉄路公司オリジナルカラーとなっている。

東莞東駅1番ホームは邪魔な柱と小うるさい駅員が多いので、ホームでの撮影は自粛。隊長は先頭まで機関車を撮りに行ったが、撮るなと体よく追い払われた。なお牽引機はDF11だ。

基本的に満席なのだが、途中駅からの利用も多く、東莞東から乗ってきた軟臥客は10名強だった。コンパートメントは上段に安康で下車する品のいいおばさんが一人。もう一つの上段はとりあえず空席だった。(途中の贛州から乗ってきた)
そして12:02、列車は青島発広州東行きの特快と同時に定刻で東莞東駅を発車した。


発車後しばらくして食堂車へ昼食を食べに行った。ただ発車直後という営業時間からメニューは車内販売の弁当にスープをつけて30元という物のみ。仕方がないのでそれを食べる。広州客運段管轄列車に比べればマシだが、それでも貧相であることに変わりはない。広鉄集団は何でこんな飯ばかりなのだろう。

食事をしている間に恵州に到着。その後も河源、龍川とほぼ定刻通りの運行だ。この辺りの駅は特に寝台の乗下車が少なく、各駅停車時は隣の硬臥車と乗車口を供用していた。龍川で厦門方面の路線と分岐する。



龍川が広東省最後の停車駅で、しばらく走ると江西省に入る。この辺りもまだ中国では南国だが、龍川付近まで見られたバナナの木は姿を消し、代わりに松の木などが増えてくる。しかしこの辺りをゆったりと昼間通るのは初めてだが、思った以上に険しい山並みだ。
京九線は97年の香港返還に間に合わせるために既存路線と新路線を組み合わせて突貫工事で建設されたのだが、龍川以北は新路線のようで、上下線を揃えた複線の高架やトンネルが続く。


17:30、定刻通りに江西省最初の停車駅であるカン州に到着。山岳地帯が続いていたので、久しぶりの大きな都市だ。ここから夫婦が乗車してきた。おばさんは自分たちのコンパートメント上段、おじさんは隣のコンパートメントの上段だったが、今更「変わってくれ」などというふざけたことは言ってこないまともな人たちだった。彼らは武昌までの乗車で深夜の1時半に降りることになる。軟臥で成都まで乗る人って少ないんだろうな。


カン州発車後に営業開始したばかりの食堂車へ行く。ただ普通ならこんな時間は空いている食堂車だが、9両もつないでいる硬座は無座客で溢れかえっており、そのために食堂車も座席難民で混んでいた。加えて服務員と厨房の手際の悪さで料理が出てくるまで45分もかかったのだった。そして料理は写真のような感じ。

念のため解説すると、「回鍋肉」と「ジャガイモ細切りと肉炒め」である。実態は「ニンジン炒めとジャガイモの炒め、ちょっとしたお肉を添えて」と言ったところ。味付けはまあまあ普通だった。なお缶ビールは珍しいチベット製でしかも冷えていた。これだけは褒めてあげよう。
しかし硬座は写真を撮るのも憚られる混みよう。

車両間の短い幌を抜けると、そこは無座だった

カン州、吉安と列車は停車。ほぼ定刻。この辺りまで来ると列車は平地を快走する。

そして向塘で滬昆線と交差。京広線の鄭州や株洲と違い、土地をふんだんに使用した向塘の交差は壮大そのものだ。例えれば鄭州や株洲が美女木なら、向塘は三郷である。(わかりづらい例えだな)

向塘の手前から遅れだしたため、江西省の省都である南昌には20分弱の遅れで到着した。南昌は初めて中国で乗った寝台車で着いた場所だが、それは6年半前の話。南昌での乗下車はそれが今のところ最後だし、南昌自体4年半来ていない。まあ特に用もないのだが。


ここで機関車付け替えのために15分ほど停車し、南昌駅を発車。ところがしばらくして停車すると全く動かなくなった。30分以上停車し続け、南昌発車時刻で考えると1時間も遅れて動き出す。しかししばらくしてからまた急停車。気にしてもしょうがないのでここで就寝した。


深夜2時半、武昌で降りる上段の人が動き出したので目が覚めた。あきらかに1時間以上遅れているな。武昌到着を見届けてからまた寝た。この先も時折目が覚めたが、武昌から襄陽にかけては列車は快走していた。

早朝6時、襄陽に到着。定刻では5時前について5時ちょうどくらい発だから1時間20分程度遅れている。ここで機関車をまた付け替えするだけでなく進行方向が変わる。6:20ころ発車した。

その後明るくなってきたので、起床した。朝食は食堂車が座席難民で相変わらず混雑していたので、酸辣粉を持ち帰ってコンパートメントで食べた。10元。東莞東客運段ということもあってか大して辛くもなく、卵も入っていてそれなりのボリュームだった。


霧が出ている中、列車は武当山を通過して8:15に十堰に到着した。ここは定刻だと6:45発。1時間20分は遅れているな。ここで結構な数の客が下車した。9月に乗ったT9次も終点(重慶)まで行く客より襄陽~達州にかけての下車客が多かった。閑散期は皆こんな感じなのだろう。


十堰を出てしばらく走ると列車は漢水沿いを走る。トンネルが続くため聯通の3Gは電波が受信できず、隊長は文句を言ってまた寝た。


安康の案内放送が始まったので隊長を起こす。安康は西康線、陽安線と交差する陝西省南部の交通の要衝だ。行きかう貨物列車は大半が和諧1Cの牽引だった。広大な貨物ヤードの脇を抜け1時間15分遅れで安康に到着。

ここで東莞東から乗っていたおばさんが下車し、コンパートメントは2人だけになった。停車時間が長いので先頭へ機関車を撮影に走る。と言っても進行方向が変わって前方には硬臥車5両と電源車しかないので意外と近いのだ。和諧3型の牽引だった。


安康からは襄渝線は進路を南へ変える。この辺りはT128次走行区間で一番山深い場所だ。複線化されてはいるものの、襄陽方面を新規に建設したようで、重慶方面の線路は旧線だった。深い谷を大規模なΩカーブで高度を上げていく。
そしてその後は逆に下がっていく。旧線に別の新線を追加した関係で上下線の位置が逆転している所も多かった。



1時間10分の遅れで万源に到着。いつも万源では1番ホーム到着なのだが、今日は初めて2番ホームだった。2番ホームには屋根がない。


万源発車後、食堂車へ昼食を食べに行く。ここで服務員のおばさんと隊長が大げんか。原因は写真撮影。隊長は一眼レフだから非常に目立つのだ。列車のサービスの悪さが特に際立つ食堂車での写真撮影は慎重に、目立たないようにするのが鉄則だ。今後は車内用にコンデジを用意しようと心に決めた隊長であった。

料理は肉の含有量など昨日よりはまともだった。



隊長はまた昼寝する。そしてしばらく走り、達州に到着した。達州では嵩上げされていない1番ホームに到着。到着と同時に成都東行きの動車組が発車して行った。達州は襄渝線・達成線・万達線の3路線が乗り入れている。

重慶発北京西行きT10次の到着と入れ替わりで達州を発車。いかにも環境に悪そうな工場を眺めながら達成線へと入っていく。が、しばらくの間9月のT9次乗車時に眺めた景色が続く。おかしいなと思っていたら達州で襄渝線と達成線が分岐しているわけでなく、しばらく走ってから分岐しているということが分かった。


達成線に入ると複線電化の直線路線を快走する。達成線はかつて達成鉄路公司という地方鉄道扱いだったが、複線電化の大規模工事のために成都鉄路局直轄となり、2009年に全線の複線電化が完了した。険しい山岳地帯を抜ける襄渝線と違い、新たに複線電化の直線路線が建設されたのだった。そのため旧線は遂寧~達州間に関しては廃線となり既にレールは撤去されている。
しかし牽引機がSS7Eとかだったら25K型客車の最高時速である140キロで走れるのだが、牽引機は最高時速120キロの和諧3なのでそれが生かせない。170キロ対応の準高速タイプの電気機関車は希少なのだから、もう少し機関車の運用をどうにかしてほしいものだ。

達成線に入って最初の停車駅は営山。直線上にあるうえ本線を中央に通過線として設けているため、見通しのいい駅だ。ちょうど達州方面へ向かう和諧1C牽引の貨物列車が通過して行った。この駅は動車組は一切停車しないようでホーム嵩上げは行われていなかった。


営山を出ると30分ほどで南充に到着。昔、この駅前で関口智宏が生中継をしている時に通過したことがある。現在ここは動車組停車駅で成都行きの始発もある。


最後の停車駅である遂寧には1時間遅れで到着。ここは定刻だと37分停車なのだが、わずか3分停車で発車となった。このまま行けば遅れは30~40分で済むことになる。

遂寧を走ってしばらく走ると遂渝線の本線と合流する。以前は遂渝線は遂寧駅で分岐していたため、動車組も遂寧駅構内を通過していたが、現在はここから遂渝線に入って重慶方面へ向かう。路線上は達成線に遂渝線が合流なのだが、成都から延びる達成線の本線はそのまま遂渝線となっており、逆に東から達成線を進んでくると合流する形となっている。


しかし遂寧を3分停車で発車できたものの、世の中やはり甘くなかった。結局、成都を目前に臨時停車し3本の動車組に抜かれた。これで30分以上のロス。そして結局1時間半の遅れで既に暗くなった成都へ到着したのだった。


この後は翌日に隊長が乗る動車組の切符を購入し、地下鉄でホテルへと向かった。


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新郷~日照間の計630キロを乗り潰し

2011年10月22日 20時48分19秒 | 乗車記(寝台)
実は20日木曜夜から今朝にかけて鄭州→日照→青島→鄭州と弾丸ツアーを催行。久しぶりの新規乗車路線として新he線(新郷~he澤)とhe日線(he澤~日照)を走破した。heは草かんむりに河。


20日夜、9:52発の2150次に乗車。この列車は鄭州始発でも希少になってきている緑皮車で、硬臥・硬座のみの完全な運搬車編成だ。15号車の硬臥は最後尾だった。なお硬臥に乗るのは2009年1月の上海南→アモイ以来実に2年9ヵ月ぶりである。


鄭州を3分早発し新郷にはだいたい時刻通り到着。ここで進行方向が変わるため機関車を付け替えるのだが、非常に長時間停車する。その間も北京西発昆明行きや北京西発宝鶏行きなど多数の長距離列車が新郷駅を発着して行った。
停車中に消灯され23時半ごろにようやく発車。本来9分停車のこの駅に40分も停車したおかげで日照到着は50分も遅れたのだった。


列車は新he線、he日線と走行。この2路線は旅客列車の運行は非常に少ない。しかし河南省北部や山西省南部の炭鉱地帯で産出された石炭を港町である日照へ運搬するための重要な路線なので、複線電化路線となっている。ただ牽引機はDF11型ディーゼル機関車である。すぐ隣が機関車なので常にエンジン音が響き渡っている。なお機関車寄りのデッキは旅客立ち入り禁止だった。

he澤で京九線、yan州で京滬線と交差しhe日線へと入る。長大編成の貨物列車とひっきりなしにすれ違うが、大半は石炭を日照で下ろした空の貨車である。石炭輸送は片道が空になってしまうのが最大の問題点である。

本来なら5:51着の臨沂には50分遅れの6:40着。まだ1時間40分はかかる道のりだ。ここで半分以上の客が降り車内は一気に閑散としてきた。


そして更に1時間半余り、真新しいマンション群を眺めつつ8:20に日照駅に到着した。2面3線の小さな駅で旅客列車も多くないのだが、ホームは黒竜江の牡丹江から来た列車と済南行きの列車も停車しており満杯だった。

駅舎は変わった形のガラス張り駅舎。思っていたより近代的な趣だ。しかし2150次も軟臥があるのならまた乗っていいのだが、硬臥だけはなぁ・・・贅沢な話だけど。


その後は近くのバスターミナルに移動。8:50発の青島行き高速バスに乗車したのだった。


つづく



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鄭州→合肥→南京

2011年10月16日 15時07分02秒 | 乗車記(寝台)
以前上海に1年半もいながら行ったことのない安徽省。今更ながら行ってみることとした。

乗車するのは鄭州22:23発、安徽省の省都合肥に翌朝6:42に到着する2194次だ。省都同士を結び、しかも深夜発早朝着というダイヤから勘違いしやすいが、非空調の緑皮車な上に
編成も軟臥1両・硬臥4両に対し硬座11両という完全な「運搬車」なのだ。
数日前に行くことを思い立ったが、何とか軟臥の上段の購入に成功したのだった。非空調なので安い。138元だ。


その後、帰りは一度上海へ出て上海からラサ行きT164次と考えたのだが、T164次の軟臥はその時点で鄭州下車14枚の空席があるものの、なぜか鄭州では購入できなかった。(端末の画面には情報が表示されないようになっていた)なのでK152次の軟臥をとりあえずおさえたのだった。


当日は9時ごろ家を出て駅へ向かった。もっと遅くてもいいのだが、これ以上遅くなると西広場行きのバスが終了してしまうので、ギリギリのラインなのである。相変わらず西広場はエアロビクスのおばちゃんにローラースケートの少年たちと、中国の駅とは思えない場所だ。


駅舎に入場するが、コンコース上の売店は改装のために悉く取り払われていた。実は2194次は鄭州発車前に新郷→鄭州の普快として運行しており、21:40には鄭州に着くので早く改札が始まるものと思っていたが、思ったよりも遅く21:50頃だった。
そういえば天津発広州行のT253次が例によって遅れていたが、なぜにあの列車だけいつも遅れているのだろうか?


列車の編成は22型が主体だが、軟臥車はRW25Bだった。残念。基本的に22型は改造が施されているので、それがない25Bは中国の客車では一番車内設備が劣る車両である。この列車は食堂車がないので、軟臥の隣がもう硬座となっている。「開かずの扉」ごしに硬座をさりげなく撮影。非常に混んでいるように見えるが、ちょうど人が乗り込んでいるからそう見えるだけで、だいたい席が埋まる程度の入りだった。


隣のホームには南寧行きのT5次が入線。ちょうどハノイ行き運行日なので、「同登・北京西」のサボを付けたRW25Kが2両増結されていた。そういえば5月に長沙へ行ったときにT5次に乗ったが、今思えばよく鄭州乗車で買えたものだな。


T5次の発車を動画で撮影していたら発車ベルがホームに鳴り響いたので、急いで乗り込んだ。そして22:21、定刻より2分早く鄭州駅を発車したのだった。
発車してしばらくすると身分証登記となった。深夜発早朝着だと軟臥の身分証登記は行わない列車も多く、同じ鄭州客運段でも北京西~鄭州の快速などそうだが、この列車では行われたのだった。

その後は明日も早いので早々と就寝した。最近の乗車の中ではよく眠れた方だと思う。


翌朝6時過ぎ、列車員がやって来て換票となった。あと30分で到着。顔を洗いさっさと下車の準備を済ませる。その後は緑皮車の特権である窓を開けての撮影となるが、すでに合肥が近づいて低速運転なのはいいものの、直線ばかりでなかなかいい写真は撮れなかった。


そして6:33、定刻より9分早く朝日に照らされた合肥駅番ホームに入線したのだった。


下車後はまず南京への切符を購入する。合肥での用事と言えばスターバックスのタンブラーを買うことぐらいなので、「11~12時くらいの動車組の南京までで1等座ない?」と適当に聞いたら、11:13発のD3031次が購入できた。73元。


まだ朝早いので中心部まで歩いて時間を潰し、24時間営業のケンタッキーで朝食がてら時間を潰し、9時の開店と同時に淮河路のスターバックスに入店。とりあえず総乗車距離が26万キロを突破したことを速報としてブログに打ったのだった。


10時前に店を出て、今度は時間つぶし中に発見したBRTで合肥駅へ戻ることとする。だが合肥のBRTの駅は珍しいことにホームが島式1本のみだ。鄭州も厦門も対向式である。どうやって乗り降りするのかと思っていたら、なんと両側に扉が2つずつ付いているのだった。


全区間で専用レーンというわけでなく、末端は普通の路線バスとして走行し合肥駅へ到着した。出発まであと1時間弱だ。


合肥駅は90年代に造った駅舎を早くも解体して新たに建て替えられてる。が、今時ここまで何もないのも珍しいくらい何もない駅舎だった。軟席待合室もない。売店も少ない。極め付きはこれだけ動車組が発着し、切符売り場は磁気切符発券であるにもかかわらず、自動改札機が設置されていないことだろう。合肥は合寧客運専線と合武客運専線を結ぶ本線上に新駅を建設中だから、それまでの繋ぎという発想なのだろうか。


11時ちょうど、改札が始まってホームに降りた。一番遠い9番線だ。そしてすぐにD3031次の入線となった。この列車は漢口始発上海虹橋行きの動車組で武漢客運段の管轄、使用車両はCRH2Aとなる。比較的初期の車両で7号車のオリジナル1等座に加え、6号車を1等座車に改造したタイプだ。この改造1等座は窓と座席の位置を合わせるためにシートピッチが2等座と同じという詰め込み構造のはずれ席だ。幸い7号車のオリジナル版だった。1・2等合造のコンパートメント席がある新世代CRH2Aもそうだが、CRH2A運行列車で7号車(重連の場合15号車も)以外の1等座になったらはずれと言っていい。


列車は合肥に早着だったようだが定刻ちょうどに発車した。なお武漢~上海間では合肥と南京南で運転士交代が行われる。


途中で肥東に停車し、京滬高速鉄道と並走しだしてから南京大勝関長江大橋を渡り、約1時間10分で南京南駅に到着した。


この南京南駅は昔からある南京南駅ではなく、7月の京滬高速鉄道開業時に高速鉄道ターミナル駅として新たに開業した新駅だ。以前の南京南駅は中華門駅に改称した。

新しい南京南駅はすごく不便な場所にあると勝手に思っていたのだが、地図を見てみるとそれほど遠いわけでもない。地下鉄1号線南延伸線も乗り入れており出口改札の目の前が地下鉄駅への入り口だった。中心部の新街口まで20分ほどで着けるのである。
まずは切符売り場で15日の南京→上海の切符を買い、大娘水餃で昼食を食べてから市内へ向かった。なお南京南駅はテナントが比較的充実していてスターバックスもあった。


南京南駅から新街口まで20分ほどで着けるものの、1号線は安徳門で分岐しているため、南延伸線の運行間隔は日中で9分といったところ。しかも南駅の南方、中国薬科大学駅まで11駅も続いているため、南駅到着時点でかなり混んでいる。真ん中あたりだと昼間でもすし詰めになるから後ろよりか前寄りに乗るのがいい。


1号線本線と合流する安徳門駅は2面3線となっており、ここから中華門駅の先までの約1.5区間は高架区間となっている。再び地下に潜り南京南駅から20分ほどで新街口駅に到着。予約してあった漢庭ホテルに向かったのだった。



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K186次 鄭州→北京西 2011年9月30日

2011年10月09日 16時03分30秒 | 乗車記(寝台)
29日、家に帰ったのが21時半。それから荷物の準備を始めて23時過ぎに家を出てタクシーで駅へ向かった。タクシーで行く時は東広場へ行くことが多いのだが、今回は西広場へ行かせた。

時間が遅いのでコンコースは閑散としている。ボーゲン隊長へ販売用の時刻表を購入し、軟席待合室へ向かった。そして軟席待合室で電光掲示板を眺めていると驚くべき事実を発見。

T201次が広州行きになってる・・・

T201次は本来は海南島三亜行きの列車だ。台風の影響はかなり深刻ならしい。一方で揚州発成都行きのK245次もなぜか遅れている。しかも時間未定。何があったんだ?


昆明発北京西行きK472次の発車に続いて、今回乗車するK186次は10分遅れで入線して来た。硬座は深夜帯なのに満員、食堂車も無座の座席難民の茶座利用で満席と、完全に「運搬車」の趣だ。


元々は鄭州に11分停車なので、停車時間を短縮して5分遅れで発車した。
乗車後に自分のコンパートメントへ行くと、自分の寝台になぜか小さな子供を連れた女性が寝ていた。もともとは上段だったのだが、自分の寝台に鄭州まで乗車していた青年に変わってもらっていたらしい。まあこういうことなら仕方がないので、上段に寝ることにする。どうせ朝には北京に着くわけだし。


鄭州を5分遅れで発車したK186次は京広線を北上する。使用している車両は近年粗製乱造されている機関車給電機能付きの25Gだが、造りがしっかりしているのか意味不明な騒音が車両全体に響き渡ることもなく快適だ。騒音のある無しは製造工場の違いなのだろうか?ちなみに鄭州客運段の管轄列車の25G型はほぼ例外なく騒音が激しい。


乗ってすぐに就寝したが、深夜どこかの駅で臨時停車し武漢・長沙と北京を結ぶ直達特快に連続して抜かされたのは覚えている。ちょうど北京~武漢の直達特快はこの辺りですれ違うようで、下り線も高速で通過していった。下段なら通過の様子が動画撮影できたのだが。


早朝6時過ぎ、上段のおばさんが石家庄で下車。一瞬起きたがまた寝た。

続いて保定に到着。ここでも一瞬起きたがまた寝た。


そして8時を過ぎてようやく起床した。とりあえず顔を洗って寝癖を直し、食堂車へ朝食を食べに向かった。ただ食堂車は相変わらず座席難民で混雑しており、また食堂車で食べてもお粥ないし麺は紙のカップのようなので、麺を持ち帰って食べることとした。

味付けもしっかりしており、また卵も入っていてボリュームがある。なかなかの味だ。やはり同じ広州鉄路集団でも広州客運段などよりは断然いい。ちなみにこの列車は長沙客運段の管轄だ。

食事をしているとちょうど最後の途中停車駅である高碑店に到着。2分停車ですぐに発車した。


食後はコーヒーを飲んでのんびり過ごす。やがて数本のトンネルが連続する区間に入ると北京も間近だ。トンネル区間を抜け永定河を渡ると北京の市街へと入っていく。

そして9:32、定刻より3分早く北京西駅へ到着したのだった。
このあとは西駅南広場より空港バスで北京首都国際空港第3ターミナルへ移動。中国国際航空のラウンジで時間をつぶし15:45発の羽田行きANA便で帰国したのだった。





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伝統の京渝特快T9次 鄭州→重慶 2011年9月16日

2011年09月19日 19時43分01秒 | 乗車記(寝台)
中秋節以降は一時帰国までどこも行かないなどと言っておきながら、結局は出かけてしまった。相変わらず意志が弱いな。

さて、どれも同じように見える中国の列車もそれぞれ「格」と言うものがあって、基本的には省都と北京を結ぶ優等列車が各鉄路局の花形列車となっている。ただ高速鉄道の普及でそういった花形列車の存在も、かつての東海道線東京口の1列車だった寝台特急富士が消滅したように霞みつつある。(もっとも7月の高速鉄道事故の影響で風向きが再び変わりつつあるが)
なので最近は努めてそういう列車に乗るようにしている。4月にT8次(成都→北京西)へ乗車したのもその一環だ。


今回乗車したのは北京西と重慶を結ぶT9次。成都鉄路局重慶客運段の花形列車だ。この列車は買うのが難しい北京西発着長距離特快でも一二を争う混雑ぶりだが、さすがに閑散期は空席が出るようである。そして数日のあいだ空席検索をチェックしていたところ、北京西発車時刻(15:19)を過ぎると鄭州乗車で買える事がわかったのだった。そんなわけで金曜日の午後に切符を購入。喜び勇んで21時半に家を出たのだった。



この時間、西広場行きの66路はすでに運行を終了しているので102路で行こうとしたのだが、ちょうどY807路が来たので初めてそれに乗車して行った。
小雨の降る鄭州駅に降り立ち、そのまま駅舎へ入場した。そして軟席待合室へ行く前に何気なく売店を覗いたのだが、驚くべきものを発見。

く、9月版全国時刻表がぁぁ~

ここ数年、中国の全国版鉄道時刻表は1月、4月、7月、10月の年4回発行(それでも発売時点で内容が古かった)となっていたわけだが、7月の事故に伴う8月末の減速化ダイヤ改正であまりにも変わりすぎたので、急遽発行したのだろう。とりあえず1冊購入した。


その後は軟席待合室で待つ。天津発広州行の特快が遅れているのはいつものこととして、今日は南寧行きのT5次まで遅れている。この列車は自分の乗るT9次を途中で追い抜いてくるダイヤなのでT9次も遅れるかと思ったが、結局は10分ほどの遅れで済んだ。ホームに降りてしばらくすると、SS8に牽引されたT9次が入線。なお鄭州から隴海線に入るため進行方向が変わる。

自分のコンパートメントにはその時点で上段のおじさん一人しかいなかった。この人は保定から十堰までの乗車。最終的には向かいの下段に重慶まで、もう一つの上段には襄陽までの客が鄭州から乗車し満席となった。
そして15分遅れの22:55に鄭州を発車。列車は隴海線へ向けて走り出した。次の停車駅は湖北省の襄陽。およそ6時間ノンストップとなる。発車後さっさと消灯して就寝した。



早朝5時頃、隴海線、焦柳線と経由して湖北省の襄陽に到着。あまり聞き覚えのない駅名だが、昨年襄樊市が襄陽市に改称されたのに伴い、元々の襄樊駅も今年になって襄陽駅に改称されただけである。ここで上段のお兄さんが下車。その後またすぐ寝た。ここからは終点まで襄渝線を走行する。

7時前、今度は十堰に到着。ここで保定から乗っていたという上段のおじさんが下車。早くもコンパートメントは下段のみ2名となってしまった。ただこの向かい若い男がまたよくしゃべる男で、こっちは聞いているつもりなどないのに延々としゃべり続ける。(もっともこの時点ではまだ寝ていたが)
7時半ごろに本格的に起床し、顔を洗って寝癖を直してから食堂車へ朝食を食べに行った。さすが成都鉄路局重慶客運段の管轄だけあり、中国食堂車朝食の定番お粥セット以外に麺が5種類もあった。酸菜肉絲麺を頼む。あっさりしていて美味しかった。

食後はコンパートメントに戻ってコーヒーを飲んでくつろぐ。この瞬間が個人的には一番落ち着くな。


列車は漢水沿いに橋梁とトンネルの連続する区間を走り抜け、9:20、定刻通り陝西省の安康に到着した。安康も雨模様である。

安康は襄渝線と陽安線、西康線が交わる鉄道交通の要衝で、広大なハンプヤードもある。8分停車で定刻通り9:28に発車。ここまで西進した襄渝線はここから南下しだす。
しかし天気が悪い。鄭州からずっと雨模様だ。このあたりもなかなか景色のいい場所なので残念である。

襄渝線はすでに複線化が完了しているが、やはりこの辺りは山岳路線で時折ノロノロ運転となる。なお元々あった単線に別線で付け加えた区間が多いので、上下線が逆になることもある。11:14到着予定の万源には20分の遅れで到着した。万源は中国では珍しくカーブ上にある駅だ。硬座車に吸い込まれていく民工の姿は何年たっても変わらないな。

万源発車後、食堂車へ昼食を食べに行く。SMAPが好きだという回鍋肉と麻婆豆腐を頼んだ。やはり重慶客運段だけあっておいしい。


しかし途中駅から軟臥に乗車してくる客が全くいない。最近の状況からして現時点なら安康や万源乗車で買えるはずなのだが。乗って来るのは身分証提示で列車員に招かれる「偉い人」ばかりである。


達成線と分岐する達州にもおよそ20分遅れで到着。


ここから先は襄渝線、達成線共に動車組運行区間である。ここでT9次の後追いで東莞東発成都行きのT125次がやって来ていることに気づく。T125次は来月ボーゲン隊長と共同戦線を組んで乗車しようと企んでいる列車だ。ただT9次の発車後に入線なので見物することはできなかった。

達州を出るとしばらくの間は、複線化の際に複線直線化新線が建設された区間を進む。途中13:37頃に上り重慶発北京西行きT10次とすれ違う。鄭州~襄陽でもすれ違っているはずだから2回目の顔合わせだ。

四川盆地東部の丘陵地帯を抜け、最後の途中停車駅広安にも20分遅れで到着。ここから重慶までは約2時間半。達州や広安で下車する人が多かったこともあり、この辺りまで来ると車内も閑散としてくる。


ここでT9次の服務状況を記しておく。食堂車は成都客運段のT7次/T8次(北京西~成都)ほどではないが、やはり重慶客運段だけあっておいしい。軟臥車はごく普通の25Kだが、洋式トイレが使用可能だったという点でT8次(一貫して使用不能)よりは上か。田舎の列車は洋式トイレが封鎖されていることが多いのですよ。
また珍しくコンセントが通電状態だった。トイレも洗面所も列車員がマメに清掃していたのできれいだった。全体的にボーゲン隊長が乗車した2006年当時よりはまともだろう。


16時ころになると高層ビル群が丘陵の中に点在するようになり、客も到着かと色めきだす。でも遅れ時間から見てまだ1時間はあるはずだ。
案の定その通りで、列車は重慶西駅経由で長江沿いの成渝線に合流、延々と長江沿いを走り続ける。高層マンション群や橋を見るたびに中心部かと思うがなかなか着かない。そういえば途中の駅の側線で胡散臭い工事が行われていた。放置されたYZ22Cを解体しているのかと思ったら、内部をコンパートメント化改造中だ。硬座車を硬臥車にでも改造するのだろうか。


そして16:57、定刻より24分遅れで重慶駅に到着したのだった。重慶駅は中国では珍しい頭端式の駅だ。駅舎まで歩くと既に牽引してきたSS7Cは外されていた。


なお定期列車の大半は重慶北駅発着となり、ここから出ているのは貴陽方面や成渝線方面の始発列車くらいなので、駅前は本当に重慶かと思うほど空いている。切符売り場など2~3人待ちだな。

このあとは皇冠エスカレーターに乗って7月開業の地下鉄1号線試乗へ向かったのだった。


つづく


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T97次 鄭州→広州東 2011年9月9日

2011年09月14日 14時00分01秒 | 乗車記(寝台)
中秋節連休を広州で過ごすべく鄭州からT97次に乗車する。気づけばこの列車に乗るのも北京西乗車含めて6回目だが、相変わらず香港直通列車で乗ったことがない。まあ、どのみち鄭州からだと直通列車には乗れないのだが。

18時前に家を出て66路の路線バスで西広場へ向かった。
まずは例によって西広場駅舎のマクドナルドで夕食を済ませ、軟席待合室へ向かう。西広場から入場するのは空いていていいのだが、軟席待合室は一番東寄りなので、コンコースを人の流れに逆らいながら進まなければならないのが不便である。
発車20分前に入場したので、軟席待合室に入って10分もしないうちに1番ホームへ出ることができた。ここからT97次に乗車するのも4回目だ。

T97次は定刻通り入線。そして定刻通り発車した。
ただここで問題発生。あかちゃんを連れた家族と相部屋だったのだ。これだと夜どうなるか分かったものではない。そういえば今日は鄭州→広州東で高級軟臥が10枚あったのを思い出し、ここは思い切って補票することとする。実は補票は何気に初めてである。

鄭州→広州東の高級軟臥下段は1100元を超えるため、追加料金は結局507元だった。

しかし高級軟臥、特にRW19Tに乗車するのは久しぶりだ。今年はK179次/K180次(北京西⇔鄭州)の高級軟臥には何度か乗ったが、あれはRW19Kだ。RW19Tに乗車するのは春節後に北京→瀋陽北で長春行の臨時列車(Z列車の間合い運転)に乗って以来かもしれない。
ともあれ高級軟臥に移ったおかげで静かな時間が流れていったのだった。


ちなみに空席検索から見るにこの列車の高級軟臥は鄭州まで満席だった。自分が移るにあたって寝具など掃除しなおしているが、あちらこちらに人がいた痕跡があるし、鄭州で下車している人も相当数いた。停車各駅の空席検索から判断するに、9月9日のT97次高級軟臥は北京西→鄭州10名、北京西→武昌3名、北京西→広州東3名という利用状況だったと思われる。
実は3年前に初めて高級軟臥に乗ったのがこの列車なのだが、交易会開催中であるにも関わらず乗客数は広州東3名、長沙2名の計5名のみだった。以前に比べると高級軟臥の乗車率も上がったものだ。なお自分以外にも鄭州から乗車した小さな子供連れの家族3名が高級軟臥へ補票して来ていた。


列車は河南省を南下。許昌、漯河、駐馬店と駅に停車する快速や貨物列車を抜き去りながら京広線を爆走する。21時過ぎに河南省最南端の信陽を通過。この手前から実は武漢鉄路局管内だが、信陽を出て湖北省に入ると次第に山も増えてくる。

横店の貨物ヤードの明かりが見えてくると武漢も間近。市内に入るとまずは漢口駅を通過するのだが、現在は駅構内の北側に通過線が設けられており、漢口に停車しないT97次はこちらを通る。続いて漢陽を通過すると武漢長江大橋に差し掛かる。橋をゆっくりと渡り黄鶴楼の真下を通り抜け、23:15、武昌に到着した。こんな時間だが6分間隔で次々と長距離列車が発着していた。



この後は就寝。ただ深夜に長沙に到着したのだけは覚えている。



10日の朝8時過ぎ、起床した。すでに列車は広東省内を走行中だ。朝飯はコーヒーを飲みつつ家から持ってきたクラッカーで済ませる。



列車は広東省の田園地帯を抜け、9:40頃には広州北駅を通過。ここから広州市内までは結構あるのだが、残りの所要時間を考えると定刻通りのようなので、ボーゲン隊長に連絡。11時半にいつもの焼肉屋で待ち合わせとなった。



そして今回は広州駅の手前で臨時停車することもなく順調に広州駅構内北側の通過線を通過。10:07、定刻より3分早く広州東駅1番ホームに到着したのだった。





広州にて

広州には2泊したのだが、2日目は日帰りで香港へ行って来た。往復共にKTTに乗車。ここのところ香港直通列車は25Z型が続いていたので久しぶりだ。香港では吉野家で牛丼を食べた他、用もないのに初のエアポートエクスプレス乗車で空港まで行った。

なおボーゲン隊長とは3度飯を食ったが、最近の乗り鉄にマンネリ感が漂っているのはお互い同じようで、これを打破すべく来月末に初の共同戦線が組まれることが決定された。何に乗るかって?「民工運搬車」に乗るために民工積み出し駅へ行きます。2人ともチキンなので一人では行けない恐ろしそうな場所へ・・・



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K114次 昆明→成都 2011年6月12日

2011年06月17日 16時52分09秒 | 乗車記(寝台)
先日の昆明訪問は実に3年3カ月ぶりだった。ということは、その後の成昆線乗車も3年3か月ぶりということになる。



6月12日、10:34発のK114次に乗車したのだった。昆明駅は発着本数の割に駅舎が多いので、構内は意外と空いている。特に軟席侯車室などガラガラだ。

K114次は成都鉄路局成都客運段管轄の快速列車であるが、同客運段の中ではB級の扱いのようで、使用車両は古ぼけた25G、列車員も中年主体だった。ちなみに昆明客運段管轄のK145次/K146次の方は最近粗製乱造製造された25G型に変更されており、編成も寝台が主体になっている。



今回、K114次にしたのは成都客運段管轄だから食堂車がおいしいというのに加え、前回、同列車に硬臥で乗車した際、得体のしれない連中と同区画になってしまって、雲南省寄りの景色を堪能できなかったというのがある。



10:34、K114次は定刻通りに昆明駅を発車した。軟臥は売り切れなのだが、途中乗車が多いのか、10名ほどしか乗っていない。自分のコンパートメントも他はチベットのお坊さん一人だけだった。
この列車の運行区間はほぼ全てが単線なので、発車後から行き違いで何度も停車した。ただし直線化複線化の工事がここでも進んでいる。



11時半頃、食堂車の営業が始まったので、昼食を食べに行った。列車はB級だが成都客運段の食堂車はやはりおいしかった。魚香肉絲と麻婆豆腐とご飯で37元。



昆明を出て2時間半、最初の停車駅広通に到着。ここで大理・麗江方面の鉄道と分岐する。今は麗江まで鉄道が繋がっていて、全区間で景色の楽しめる列車(寝台あり)もあるのだが、鄭州へ帰るのが大変になるので、今回は断念した。



広通まで西へ向かっていたK114次は、ここから進路を北に変える。次の停車駅である元謀と広通には標高差が400メートルほどあるため、このあたりは何度かループ線が続く。成昆線の雲南省寄りでは一番の見どころだ。









ループ線が続く区間を抜け、再び平地に出ると元謀に到着。ここが雲南省内で最後の停車駅となり、次の攀枝花から早くも四川省となる。




およそ1時間半で攀枝花に到着。ここで大半の軟臥の客が下車。変わりに大勢の客が乗って来た。攀枝花は四川省最南端のどん詰まりにあるが、鉄鋼業が盛んなほか、チタンやバナジウムの産出も行われている工業都市だ。なのでこんな所から北京行きの列車も出ている。




攀枝花を出て1時間ほどで食堂車の営業が始まった。なので夕食を食べに行く。ただ実はここ数日胃の調子がよくなかったので、おかずは一品(魚香茄子)とし、スープを追加した。



次の西昌までは2時間半ほどの行程。途中、風力発電機が並ぶ地域を通過した。



結局、軟臥は西昌で満席となった。以前は始発駅をガラガラで発車したら、そのままガラガラだったのだが、オンライン化の進展により途中駅からも明らかに買いやすくなった。ただ後で乗ったT88次で思ったが、こうなってくるとそろそろ補票のシステムを変更する必要が出てくるだろう。



西昌を出てしばらく走ると完全に日が暮れた。21時過ぎに早くも消灯。明日の朝は早い。なお21時半に普雄に停車し、西安発昆明行きの快速と行き違いしたが、このあたりが本来一番景色がきれいな所である。



翌朝は5:20くらいに起こされ換票をした。列車はすでに成都郊外に入っている。やはり1300万都市だけあって、街の広がり方が昆明とは比べ物にならない。(そんな昆明も400万都市だが)
成昆線は以前は成都南駅から成都市街の東側を反時計回りに進んで、成都駅に東側から入っていたのだが、現在は市街地の西側を周る環状線が完成しており、こちらを経由して西側から入るようになっている。ここの一部は複線となっており、また都市鉄道のような高架区間も存在する。



そして早朝5:50、定刻より10分早く成都駅に到着。7天連鎖酒店の成都駅店にチェックインしたのだった。



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