【ニューヨーク=山川一基】米アップルは16日、持ち方によって受信状態が悪化するとの苦情が米国で相次いだ新型スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)4」について、電波障害を防ぐケースを無料で配布すると発表した。ただ、設計ミスではないとし、自主回収や修理の実施は否定した。
スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)がカリフォルニア州の本社で会見して発表した。ジョブズ氏は冒頭、「我々は完全でないし、電話も完全ではない。しかし利用者全員をハッピーにしたい」と述べ、問題を認めて購入者に謝罪した。
ただ、同様の問題は他社製品でも起きていると説明し、「業界全体の問題だ」と指摘。先月24日に日米などで発売して以来、300万台以上が売れたことを明らかにし、米国での返品率は1.7%と前のモデルより低いと強調した。
iPhone4は側面全体がアンテナを兼ねる金属でおおわれ、左下部分に手や指が触れると障害が起きやすい。ケースは絶縁物質でできており、装着すると障害が軽減される。ケースの配布は米国では来週後半からネットで申し込みを受け付け、9月末まで続ける。通信状況が異なる日本ではトラブルの報告はないとしているが、ジョブズ氏は会見で「米国以外でも対応する」と述べた。
ジョブズ氏の会見の前にはファンが作った「iPhoneアンテナの歌」のビデオが流れた。「iPhone4、欲しくないなら買わないで。買って気に入らなければ返品して」とのメッセージが会場に流れた。
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