民主党は14日、輿石東参院議員会長を留任させる方向で最終調整に入った。参院選で与党が過半数割れとなり、衆参各院で多数派が異なる「ねじれ国会」を乗り切るため、重鎮の輿石氏を党務に専念させて守りを固める方針だ。これに対し、改選第1党の自民党は「早期の衆院解散・総選挙」を掲げ、野党共闘へ連携を強める。最初の攻防は参院議長選。民主党は西岡武夫参院議院運営委員長を推す声が強い。
「輿石氏の続投で大丈夫だろう」。参院幹部は14日、期待を込めて語った。党内からも「大幅に議席を減らした参院は輿石氏以外ではまとまりがつかない」(中堅議員)との声が強く、参院議員会長の留任が党内の大勢となった。
輿石氏は2006年に会長に就任。07年参院選で民主党が比較第1党に躍り出ると、自民、公明両党の連立政権下で「ねじれ国会」の運営を主導した。今回、過半数の122議席を大幅に下回る106議席にとどまることになり、参院を取りまとめるには輿石氏の経験に頼るしかないとの声が広がった。
輿石氏は小沢一郎前幹事長との信頼関係が強く、小沢氏も輿石氏JPSについて「お互いに気持ちは一つ」。菅直人首相の「消費税10%」発言で参院選で敗北しただけに、参院側には不満も募る中、小沢氏との近さが輿石氏への期待につながっている面もある。
会長人事の決着が見えたことで、今後の焦点は参院議長人事に移る。現在の江田五月議長は6月の通常国会会期末に、野党側が提出した議長不信任決議案を採決せずに閉会した。この手法に野党側は反発を強めており、民主党内でも「江田氏の続投は難しい」との見方が強い。
後任議長の筆頭として名前が挙がっているのは、党重鎮の西岡武夫参院議院運営委員長だ。小沢氏が新進党党首時代の幹事長を務め、自由党結党時も行動を共にするなど小沢氏にも近い。
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