中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

プロ5年目・能見の「生き残る道」は…

2009-01-19 15:09:19 | Weblog
 暖かい沖縄で、虎の何人かが自主トレに励んでいる。詳細は、デイリースポーツで若手虎番・田中が書く原稿を読んでいただきたいのだが、そこに1人気になっている選手がいる。今年でプロ5年目を迎える左腕・能見だ。

 この選手がルーキーで、開幕3戦目に先発するというその日、彼の出身地・出石へ取材にでかけた。その前年に大型台風に直撃され、大きな被害が出た地を歩きつつ、デビュー戦をラジオで聞いたのを思い出す。開幕カードでプロ初先発させるほど、当時の岡田監督も期待していたのだが、その後の成績はというと、期待を大きく裏切るものと言わざるをえない。

 いいものは持っているのだが、もうワンパンチ足りない。自身の代名詞と言える球がないんだな。たとえそれがなくても、きめ細かいコントロールがあればまだいいが、それもない。あのタイプには珍しく大まかなのだ。これは能見に限ったことではなく、杉山などにも同じことが言える。

 彼らが「殻」を破れない理由は何か。これまで何度も考えたが、さっぱりわからない。ま、素人にわかるようなら、とっくにプロの投手コーチが何とかしているだろうけどね。大事なのは、本人たちが「変わろう‼」という意志を強烈に示すかどうかだと思う。それが、髪をバッサリ斬ったり、ヒゲを生やしてみたりするといった外見的なことでもいい。何でもいいんよ。とにかく「チェンジ!」を目に見える形で実践することだ。

 プロ入り5年目の今年が、能見にとってはラストチャンスになるだろう。もし全く変わらずにシーズンをすごすことになれば、来年以降の保証はない、と断言する。監督も代わった今年は、本当の意味で正念場。あとはないぞ、能見くんよ。