星野ジャパンの「夢」は、北京の空に霧消した。日本野球界8年越しの夢が粉々
に飛び散ったと言い換えてもいい。2000年にプロ・アマ混成チームで臨んだシ
ドニー五輪。ここでメダルなしに終わったことから、長く果てしない「金メダル奪
取への旅」が始まった。04年アテネでは長嶋ジャパン、そして08年北京は星野
ジャパン。共にプロだけの純粋なチームを編成して臨みながら、いずれも準決勝で
涙を飲んだ。前回のアテネは脳梗塞で倒れた長嶋監督の代わりに、中畑コーチが代
行を務めるという緊急事態となったが、今回は違う。満を持して登板した星野監督
で完敗したのである。この事実は、経過にどんな出来事があったとしても、動かし
難い。敗北を素直に受け入れるしかない。
冷静にこの日の日韓戦を振り返ると、多くのファンが思うように、なぜ2-2の
8回裏に好調とはいえない岩瀬を投入したか、という疑問が残る。岩瀬は予選の韓
国戦でも9回に打たれ、先日のアメリカ戦でも決勝点を奪われている。どうみても
本調子とは思えなかったのに、あえて1点奪われたら負け、とも言える大事な局面
で送り出した。7回に藤川が同点にされ、嫌なムードが漂う中だっただけに、余計
「?」がついた。想像だが、岩瀬の経験に星野監督は賭けたのだと思う。だが、こ
れが裏目に出た。
前にも指摘したが、今大会における星野監督のさい配には、首をかしげることが
多かった。あくまでブラウン管越しに見ているだけだから、はっきりしたことはわ
からないので断言はできないが、阪神監督当時と比べて「勝負カン」が鈍っていた
のでは?と思った。投手リレーもそうだし、攻撃面のバリエーションの少なさにも
それを感じた。何でもできる選手を揃えていたにもかからわず…。
短期決戦は「時の運」だと思うが、予選全勝の韓国は運だけで勝ってきたのでは
ない。やはり、ここ一番の力がある。打撃絶不調のイ・スンヨプに決勝2ランが飛
び出すのだから、底知れぬものを感じる。予選、準決勝と2度負けた日本は、もは
や「06年WBC優勝」を忘れた方がいいかもしれない。
北京で取材を続けている本紙の担当記者をはじめ、多くの関係者が落胆している
のは容易に想像できる。無理もない。しかし、選手は責められない。個人的には、
早く大会が終わり、それぞれが所属するチームに帰還してまた日本の野球ファンを
楽しませてくれるのを望む。ただそれだけである。
に飛び散ったと言い換えてもいい。2000年にプロ・アマ混成チームで臨んだシ
ドニー五輪。ここでメダルなしに終わったことから、長く果てしない「金メダル奪
取への旅」が始まった。04年アテネでは長嶋ジャパン、そして08年北京は星野
ジャパン。共にプロだけの純粋なチームを編成して臨みながら、いずれも準決勝で
涙を飲んだ。前回のアテネは脳梗塞で倒れた長嶋監督の代わりに、中畑コーチが代
行を務めるという緊急事態となったが、今回は違う。満を持して登板した星野監督
で完敗したのである。この事実は、経過にどんな出来事があったとしても、動かし
難い。敗北を素直に受け入れるしかない。
冷静にこの日の日韓戦を振り返ると、多くのファンが思うように、なぜ2-2の
8回裏に好調とはいえない岩瀬を投入したか、という疑問が残る。岩瀬は予選の韓
国戦でも9回に打たれ、先日のアメリカ戦でも決勝点を奪われている。どうみても
本調子とは思えなかったのに、あえて1点奪われたら負け、とも言える大事な局面
で送り出した。7回に藤川が同点にされ、嫌なムードが漂う中だっただけに、余計
「?」がついた。想像だが、岩瀬の経験に星野監督は賭けたのだと思う。だが、こ
れが裏目に出た。
前にも指摘したが、今大会における星野監督のさい配には、首をかしげることが
多かった。あくまでブラウン管越しに見ているだけだから、はっきりしたことはわ
からないので断言はできないが、阪神監督当時と比べて「勝負カン」が鈍っていた
のでは?と思った。投手リレーもそうだし、攻撃面のバリエーションの少なさにも
それを感じた。何でもできる選手を揃えていたにもかからわず…。
短期決戦は「時の運」だと思うが、予選全勝の韓国は運だけで勝ってきたのでは
ない。やはり、ここ一番の力がある。打撃絶不調のイ・スンヨプに決勝2ランが飛
び出すのだから、底知れぬものを感じる。予選、準決勝と2度負けた日本は、もは
や「06年WBC優勝」を忘れた方がいいかもしれない。
北京で取材を続けている本紙の担当記者をはじめ、多くの関係者が落胆している
のは容易に想像できる。無理もない。しかし、選手は責められない。個人的には、
早く大会が終わり、それぞれが所属するチームに帰還してまた日本の野球ファンを
楽しませてくれるのを望む。ただそれだけである。