中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

昇格・桜井に期待するもの

2008-08-03 16:03:54 | Weblog
 五輪を目指すメンバーが抜け、各球団それに替わる選手たちが1軍に合流してき

た。阪神で言えば、桜井、前田、小宮山という面々。どれだけ代役が務まるかわか

らないが、彼らにとっては、ここは1つの正念場である。プロ生活における正念場

と言っていいかもしれない。今、グラウンドで桜井がアップをしているが、この男

がどう変わったか。個人的には注目している。

 彼が2軍に落とされたのは、交流戦が始まったばかりの5月末だったと記憶して

いる。そのときも厳しいことを書いた覚えがある。確か「野球に対する必死さが足

りない!」と指摘したように思う。自分が置かれている立場がわかっておらず、危

機感が全くない…。練習でも試合でもそれが見え隠れするから、監督の逆鱗に触れ

た、というのが2軍行きの理由だった(と勝手に推測している)。

 五輪組が抜けなかったら、お呼びはかからなかったはずだ。実際、2軍でもたい

した成績を残していない。打率も2割5分を少し越えた程度。それでもこうして呼

ばれたのだから、感謝しないといけないだろう。感謝を示す方法はただ1つ。「チ

ャンスで打つこと」に他ならない。しょうもないところで打ったって、それは評価

の対象外だ。あくまでチャンスでの一打、である。

 PLの大先輩・清原が引退を示唆した。いや、事実上の引退表明と言えるだろう。

遅きに失した感は否めないが、ようやくケジメをつけた。桜井など、この偉大な先

輩の指先にも達していない。しかし、時間だけはある。ここである程度の活躍をす

れば、清原に一歩でも近づくだけの時間的保証が約束される。ダメならば、その時

間さえ失うことになる。この1カ月は、死に物狂いでやらないと。ベテランによう

に「暑い!」なんて言っていられない。