goo blog サービス終了のお知らせ 

CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

自転車乗りの体感温度(1)

2024-11-15 14:45:56 | ロードバイクの科学
 自転車に乗っていると、夏場は快適なのに、秋が深まるにつれ寒さが身に沁みるようになります。走り出す前は暖かく感じていても、いざ走り出すと寒さを感じてしまうことが少なくありません。これは風を切ることで体感温度が下がる為です。高速で走るロードバイクの場合、外気温と体感温度の差がさらにと大きくなるのです。
 そのくらいは知っていると思われる方でも、実際に走っている時の体感温度がどのくらいになるのかということを意識されている方は少ないのではないでしょうか?防寒対策をするにしても、防寒ウェアは外気温表示がほとんどです。例えば「気温15℃までなら○○」「気温5~10℃なら○○」といった具合です。実際には下記で説明するように、走行速度によって体感温度が変わることになりますから、自分の走行速度も加味して選ぶ必要が出てくるのです。

 一般的には『風速1mに付き1℃冷たく感じる』といわれています。実際には気温や湿度で変わるので、ミスナール(Missenard)の計算式というものを使って計算するのだそうですが、複雑になるので、ここではざっくりと『風速1mに付き1℃下がる』という前提で見てゆくことにします。
 例えば全くの無風状態の中をロードバイクで時速30kmで走行すると、30,000(m)÷3,600(s)=8.333..(m/s)となり、風速8mほどの風を受ける計算になります。つまり、体感温度は外気温より8℃も低くなる計算です。
 つまり、夏場の30℃を越える気温でも、走り始めれば体感温度は20℃前半となり、快適に感じるというわけです。一方、気温が20℃を下回るとどうでしょう。気温20℃でも、走行時には12℃、走行時が10℃だとわずか2℃ということにってしまうのです。

 これが下り坂で時速50kmだと、50,000(m)÷3,600(s)=13.888..(m/s)で14℃近くも体感温度が下がることになるのです。気温が10℃だと、体感温度は氷点下ということになってしまうのです。これは寒いわけです。個人的にも気温17℃の雨の長い下りで、低体温症になりかけた苦い経験があるのです。
 風がなければ身体の周りに体温で暖められた空気の層ができ、空気の断熱効果で寒さが緩和されるのですが、風が吹くとこの空気の層が吹き飛ばされ、体温が奪われて行くためです。このことから、防寒対策は保温だけではダメで、防風対策も併せて考えなければいけないことがお分かりいただけると思います。比較的温暖な時期でも、ウインドジャケットやベスト程度の防風対策が下りの寒さを防いでくれることもあるわけです。

 フリースやウールのセーター等は風が無い室内では暖かいウェアですが、一歩外に出て風を受けると急に寒さを感じるのと同じです。フリースやウールは繊維の間に暖かい空気を貯めやすい構造ですが、通気性が良いため、風を通してしまうからです。
 




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インタビューから紐解くログリッジの魅力(2)

2024-11-15 09:26:34 | プロ・ツール
 ただ、2021年はツールを落車でリタイヤしたものの、東京オリンピックの個人TTで金メダル、ブエルタを3連覇しているのですから超一流の選手なのは間違いありません。不運なのは同じチームにヨナス・ヴィンゲゴーという存在があったことでしょう。ログリッジとしては魚屋でアルバイトしていたこともある練習生に自分の地位を奪わるとは夢にも思っていなかったはずです。この年、落車リタイヤしたログリッジに代わってエースを担ったのがそのヴィンゲゴーでした。
 ツールを連覇していたポガチャルを止めるべく、2022年はチーム戦術でポガチャルを下したものの、マイヨジョーヌはログリッジではなくヴィンゲゴーに渡ってしまうのです。この年はパリ~ニースで総合優勝を果たし幸先の良いスタートを切り、満を持してツール・ド・フランスに出場したのですが、第5ステージで落車し脱臼、Wエース体制だったユンボ・ヴィスマは徐々にヴィンゲゴーをツールのエースに据えて行くのです。

 チーム内で微妙な立ち位置になってしまったログリッジは、2023年のツールには出場せず、ジロ・デ・イタリアを征しに行きます。チームの目標はグランツールの完全制覇でした。結果としてヴィスマ・リースアバイクは3大ツールの完全制覇を別々の選手で征するという大偉業を達成することに成功します。これがチーム・ヴィスマの絶頂期だったのかもしれません。

 ログリッジが移籍してしまった今年はグランツール制覇どころか勝利数も大きく減らすことになりました。ジロとツールはポガチャルに、ブエルタはチームを離れたログリッジに取られ、無冠に終わってしまったのです。唯一輝きを放っていたファンアールトもブエルタの下りで落車し、全てのジャージ(スプリントと山岳賞)を手放してしまうのです。

 さいたまクリテリウムで来日したログリッジにCycle Sportsが行ったインタビューに「彼ら(チーム・ヴィスマ)は僕から多くを学んだと思います。僕たちは一緒に多くのグランツールを走りましたし、彼らは偉大なチャンピオンです。特にヨーナスはツール・ド・フランスを勝ち取ったし、セップも同様です。グランツールに勝つというのは本当に特別なことで、誰もができるわけではありません。そういう意味で、僕が彼らの成長の一因であったならうれしいですし、その一部になれたことは素晴らしいです。」と応えています。今年のヴィスマはチームの支柱が抜け、緊張の糸が切れたような感じでした。

「また、彼らの存在も僕をより良くしてくれる要因です。競争があることで、自分自身を高めるモチベーションになりますし、彼らのおかげで僕も成長できました」と口にしているように、ログリッジは昨年のブエルタは「競争」をさせてもらえなかったと感じているようです。
 




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする