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マイヨ・ロホの行方(3)

2024-08-26 09:42:29 | ブエルタ・ア・エスパーニャ
 ブエルタ・ア・エスパーニャは第1週目を終え最初の休息日に入りました。厳しい暑さのせいか序盤から波乱の様相を呈している今年のブエルタは、第9ステージでも大きなリシャッフルが起きています。

 第7ステージではワウト・ファンアールトの勝利のためにゼッケン「1」がアシストをするという状況には驚か冴えました。エースのセップクスが総合争いから後退したこともあるのでしょうが、総合優勝を争うエースがスプリンターをアシストするというのは極めて珍しいことなのです。

 続く第8ステージではログリッジとレッドブルチームが意地を見せ総合のタイム差を1分半近く縮めてステージ2勝目を挙げています。このステージで総合優勝争いをしていたアルメイダが大きく遅れ、UAEは総合優勝争いから大きく後退してしまいました。

 アルメイダはコロナ感染が判明しリタイヤとなった第9ステージでは第4ステージで遅れ総合優勝争いから脱落していたアダム・イエーツが意地の走りで区間優勝。UAEもヴィスマもステージ優勝争いではなく。ステージ勝利に目標を切り替えざるを得ない状況のようです。アダムはこのステージで山岳賞ジャージを手にしているので、今後はこのジャージを守る戦い方になって行くのでしょう。

 第9ステージで奮闘したもうひとりはツールで山岳賞と総合敢闘賞を獲得しているリチャル・カラパスでした。この日1つ目の1級山岳プエルト・デ・エル・パーチェ(距離8.9km/平均7.6%)でプロトンから単独でアタックしたカラパス。この段階で逃げグループとは4分以上ものタイム差があったのです。
 単独で飛び出したカラパスですが、ここまでチームメイトのルイ・コスタやリゴベルト・ウランという有力アシストを失っていて、この日総合3位まで順位は上げましたが、総合争いは相当に厳しい状況です。ただ、総合表彰台は見えて来たので、そこが目標となって行くでしょう。

 それにしてもアダムの執念にも関心させられました。最初からマルク・ソレルと共に逃げに乗り、残り60km近くは単独で逃げ切って見せたのですから。カラパスも単独で追いかけましたが、1分40秒ほど届きませんでした。
 ここまでを見る限りログリッジはベン・オコーナーに大きなタイム差を与えてしまった第6ステージが痛かったと思います。この日もフェリックス・ガルが逃げを諦めてオコーナーのアシストに回っています。レッドブル陣営にとっても大きな誤算でしょう。
 AG2Rはフランスの歴史あるチームですが、これまでロメン・バルデがツールの山岳賞を獲得したことはありますが、グランツールの総合優勝はありません。そんなチームに巡って来た数少ないチャンスにチームのモチベーションも上がっていると推測されます。今季はチームの調子も良く、このままオコーナーがマイヨ・ロホを守っても不思議ではないのです。

 ただ、先にも書きましたがAG2R自体にプロトンをコントロールするだけの力はまだ無いので、第9ステージのような展開がこれからも続くことが考えられます。総合争いから後退したヴィスマやUAEがステージ優勝を狙って動いてくることは確実で、残り2週AG2Rがどこまで耐えきれるかがカギとなるでしょう。
 

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