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攀じ登る(2)

2024-08-25 13:23:44 | スポーツ
 ただ、ボルダーの第1課外で最初のホールドに「取り付く」ことが出来なかった森選手。身長154cmの彼女に同情の声が世界中から上がっているようですが、それは少し違うような気がしています。多くの選手が完登できなかった第3課題を森選手だけが完登しているからです。第1課題は身長の低い選手には不利だったことは間違いありませんが、第3課題はむしろ小柄な選手に有利に見えました。この記事の筆者は「(森選手は)コーディネーション能力が求められる課題には苦戦した。ボルダーは五輪種目になって以降、課題内容はダイナミックな動きを求められるものへ変移した。森もこうした動きへの対応力は高めたが、ほかの選手たちがそれを上回る成長曲線を描いたことで課題の難易度は飛躍的に向上し、結果的に森は取り残されてしまった。」と指摘しているのです。

 森選手が苦戦した第1課題についても「森がスタートホールドに飛び乗った時、ハンドホールドは手で触れられる位置にあった。また、銀メダリストで身長158cmのブルック・ラバトゥ(アメリカ・23)がスタートできたことを考えれば、この課題のスタートの成否は身長ではなく、コーディネーション能力の有無と見るほうが妥当だ。」というのです。

 オリンピックの解説をしていた平山ユージ氏も指摘していましたが、「ホールドに飛び乗ったら荷重を意識してしっかり立つ。と同時に左手と右手でそれぞれのホールドをつかんでクライミングウォールから剥がれないように両手両足でバランスを取る」ことが求められていたのです。分かり易く言うと、直接上のホールドに飛びつくのではなく、足元のホールドを利用し、壁面に身体を貼りけるようにして立ち、上のホールドに手を伸ばすことが求められたということです。第2課題でもこの「クライミングウォールから剥がれないように両手両足でバランスを取る」ことが上手く出来ずに完登を逃しているのです。

 こうして振り返ってみると森選手がメダルを逃したのは必然だったのかもしれません。ただ、一方で第1課題と森選手の問題があり世界的にスポーツクライミングが注目されたことで、ロスから正式種目になることが決まっているスポーツクライミングの種目が複合ではなく単独種目になる可能性が高まるかもしれないということでしょう。ワールドカップと同様にリードが単独種目になれば、森選手は金メダル候補の筆頭になるに違いありません。
 




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