
最初のポガチャルのタックに反応出来たのはマチュー、ワウト・ファンアールトとマッテオ・ヨルゲンソンにピーダスンの4名のみ。この5名で先頭集団を追います。次のパーテルベルクでマチューがアタックし、ポガチャルだけが付いていく展開になります。2人はコッペンベルクを越えた後に先頭グループに合流。遅れを取ったファンアールト、ヨルゲンソン、ピーダスンもゴールまで残り42kmで先頭グループに追いつきます。

長い距離の登りでは一発のアタックで独走に持ち込むポガチャルですが、流石にクラシックの短い登りでは、アタックを繰り返さざるを得ないのです。ただ、ロンドはミラノ~サンレモとは違い、登り箇所が多いので、登りの度に攻めて、ライバルたちに脚を使わせる作戦だったと思います。

それでも、リドルやヴィスマがアシストを残していたのに対し、ポガチャルとマチューは単独なので、展開的には苦しいはずなのです。それでも、常に攻めていたのはポガチャルとマチューでした。ワウトはドワーズ・ドール・フラーデレンでもアシストを2枚残しながらEFのパウレスにスプリントで敗れているのです。怖いのはマチューとピーダスンの二人だけでした。

最終的に2023年と同様に3度目のオウデ・クワレモントで抜け出すことになったポガチャルですが、今年はマチューもピーダスンも強かったので、最後の最後まで手に汗を握るレースになっていました。最終的には1分以上の差を付けての勝利になりましたが、ポガチャルにとっても厳しいレースだったはずなのです。

そもそも、残り126㎞地点で大きな落車があり、マチューも巻き込まれていたのです。ポガチャルもこの落車でティム・ウェレンスを欠くことになってしまうのですが、落車し1分ほどのタイム差を埋めるのに脚を使ったマチューにとっても厳しいレースになっていたはずなのです。その前にナルバエスも落車していて、この2枚のビッグアシストを欠いたポガチャルも同様でした。

こうした不利もものともせず攻めの姿勢を崩さずに勝ちきるポガチャルの強さはまさに怪物です。これでモニュメントの勝利数でマチューを上回ったポガチャルの次なる目標は来週のパリ~ルーベです。目下同レースを連覇中のマチューに初出場になるポガチャルがどのように挑むのかに大注目です。