ただ、尿道部の痺れに関してはサドルの角度やバイクのポジション調節で改善することも少なくないということは知っておいた方がいいでしょう。個人的にはサドルを換えた場合、フィッティングにかなりの時間をかけています。特に冬季間バイクに乗れない雪国に暮らしていますので、一冬、ローラー台でしっかりフィッティングをするのが習慣になっているのです。
長時間腰を上げずに座ったままの姿勢が続くローラー台では、サドルの高さや角度が微妙に変わるだけで痛みや痺れの具合が違ってくるのがよく分ります。基本的に前がかりになるほど尿道部にかかる負荷が大きくなるので、サドルの高さは低めに、サドルの角度はフラットか、やや前下がりにすることで、ある程度尿道部への負荷は軽減できます。かりに穴あきサドルであっても、サドルの前が上がっていたり、前傾がきつくなると尿道部は圧迫されることが多くなるものです。強い前傾姿勢でも尿道部に負荷をかけたくないのなら、ボントレガーの”Hilo”のようなTT用のサドルがいいのかもしれません。このタイプはサドルの先端部までフローがあるので、かなりの前傾姿勢でも尿道部への負荷は軽減されるはずです。
とはいえサドル選びは奥が深く、悩み始めるときりがないと良く聞きます。ただ、個人的にはフィジークのアリアンテ・ヴァーサスがベストとは云えませんが、わりとフィットしているようで、従来のヴァーサスより溝が深くなり、パッド量も増えた『ヴァーサスX』が新しく登場するとあって注目していたのですが、急遽fabricの"cell"を購入してしまいました。
"fabric"はダイソン、リーボック、ポール・スミスなどハイセンスかつ機能的なプロダクトを世界に発信しているイギリスの新興パーツブランドです。2016年モデルからcannondale製のバイクに標準装備されるケースも増え始めています。
フルカーボンの"ALM"から近未来的なルックスの"cell"までの4モデルがラインナップされています。ファブリックでは独自の「SOMATOTYPE(ソマトタイプ)」というフィッティングシステムで適正モデルを選ぶようになっているようです。このフィッティングだと"scoop"なのですが、デザインの斬新さに魅せられて"cell"を選んでしまいました。
fabricの"cell"は大手スポーツブランド「ナイキ」の人気スニーカー「AirMax」に取入れられている『エアスプリング技術』を採用したコンフォートサドルです。その特徴は、頂点を切り落とした六角錐がセル状に並んだエアフィルムシェルとエアを、表皮とべースで挟み込む独自構造です。ゲル入りサドルのような柔らかさはありませんが、エアスプリングが程よく圧力を分散し、路面からの振動も吸収してくれるようです。
ロードバイクでのロングライドよりMTBやシティサイクルなどのフラットなライディング姿勢に向いているように思います。また、ロードバイクでも身体の大きな人や体重のある方には向いているサドルかもしれません。価格はALM以外なら2つ買ってもフィジークのヴァーサスX程度なので、来シーズンは"scoop"も試してみようと考えているところです。
最新の画像[もっと見る]
-
ポガチャル1強時代のツールを振り返る(1) 3日前
-
ポガチャル1強時代のツールを振り返る(1) 3日前
-
ポガチャル1強時代のツールを振り返る(1) 3日前
-
ポガチャル1強時代のツールを振り返る(1) 3日前
-
ポガチャル1強時代のツールを振り返る(1) 3日前
-
ポガチャルはブエルタをスキップ 4日前
-
ポガチャルはブエルタをスキップ 4日前
-
ポガチャルはブエルタをスキップ 4日前
-
ポガチャルはブエルタをスキップ 4日前
-
ポガチャルはブエルタをスキップ 4日前