CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

新しい逃げの型(1)

2024-10-12 15:04:07 | プロ・ツール
 世界選手権で100km超からのアタックで「クレイジー」とも思われたポガチャルの勝利でサイクルロードレースの逃げの型が決定的に変化したことを実感させられました。タイム差が生まれても後に挽回可能なステージレースでは、有力選手以外の逃げは容認され易く、逃げ切りが決まることも少なくありません。ただ、タイム差の持ち越しが出来ないワンデーレースではそうもいかないというのがサイクルロードレースの常識だったのです。

 ところが、今年はどうでしょう?ストラーデビアンケでポガチャルの80km超の逃げ切り勝利に始まり、ロンド・ファン・フラーデレンではファンデルプールが44.8kmの独走勝利、パリ〜ルーベでも59.6kmの独走、リエージュ・バストーニュ・リエージュではポガチャルが34.4kmの独走勝利を決めているのです。

 この二人が強過ぎたというのは簡単ですが、口で言うほど容易なことではないはずなのです。それでも、今年のモニュメントでゴールスプリントになったのはフィリップセンが勝ったミラノ~サンレモだけ。加えるなら、ステージレースの代表格であるジロ・デ・イタリアでポガチャルがステージ6勝、ツール・ド・フランスでも6勝とスプリンター以上に勝ち星を重ねているのです。そのほとんどがアタックからの逃げ切り勝利でした。

 思い返せば今年のツールの初日も50kmでアタックしたDSMフィルメニッヒ・ポストNLのロマン・バルデが逃げていたチームメイトのフランク・ファンデンブルークと合流し、そのままワンツーフィニッシュ。その結果バルデが悲願のマイヨジョーヌに袖を通しているのです。
 近年のサイクルロードレースでは高速化が進み、ステージレースでもなかなか大きな逃げが生まれ辛いという状況が続いていたのですが、ワンデーレースでのこの独走勝利には驚かされるばかりでした。
 これには何か理由があるに違いないと思い色々と考えてみました。最大の理由はレースの高速化にあるように感じています。そして、その高速化の背景にあるロードバイクのエアロ化とブラケットポジションによるエアロフォームの変化が大きいのではと推測しているのです。
 



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ロードレースシーズンは終盤へ(2)

2024-10-12 10:08:08 | プロ・ツール
 いよいよ今季最後のモニュメントであるイル・ロンバルディアが始まります。世界選手権後のジロ・デッレミリアをアルカンシエルを来て征したポガチャルですが、イル・ロンバルディアの前哨戦にしていたトレ・ヴァリ・ヴァレシンが大雨でレースがキャンセルされてしまいました。

 続くグラン・ピエモンテではEFエデュケーション・イージーポストが残り52kmからのアタックを決めキャリア5勝目を飾りました。EFにとってはツール・ド・フランスでのカラパスのステージ優勝以来84日振りの勝利となりました。ブエルタでは落車でエースを早々に失い、ステージ優勝がなかったので致し方のないことかもしれませんが、ジロではシュタインハウザーがツールではカラパスが勝利していただけにブエルタは残念な結果でした。

 一昨年のジャパンカップの覇者で日本でも人気の高いニールソン・パウレスですが、勝利はあの日以来のことだそうです。秋の雨の中の周回コースと似たような条件でしたので、パウレスの得意とするシチュエーションだったのかもしれません。

 それにしても108回もの歴史を誇るグラン・ピエモンテのレースの格はジャパンカップとは雲泥の差ですから、EFにとってもパウレスにとっても大きな価値ある1勝になるでしょう。U23のジロ・デ・イタリアを勝つほどの選手でしたが、ここまで5勝と伸び悩んでいたのが不思議です。

 そのパウレスの勝利を陰で支えたのが若いシュタインハウザーでした。今年のジロでもステージ優勝を挙げたドイツ人の若手ですが、このレースでは最後まで追走集団に食らいつき、後方からパウレスの逃げ切りをアシストし、ゴール後二人が抱き合っていたシーンが印象的でした。今のところシュタインハウザーの移籍の話は聞こえてきませんが、いずれ有力チームへ移籍してしまう可能性の高い選手です。
 それにしても10数秒という差がずっと続き手に汗を握る展開のレースでした。理想的な逃げのパターンには1分という差が必要で、間にチームカーが入ることが出来るかどうかが大きな分かれ目になるのですが、パウレスは30秒ほどの差が長く、終盤は14秒という差も長く、かなり厳しいレースだったはずです。

 ポガチャルやエヴェネプール、ファンデルプールといった有力選手がいなかったとはいえ、この勝利はパウレスにとって大きな自信になるはずです。カラパス等のベテランとシュタインハウザーのような若手を繋ぐ大黒柱として来季はさらに活躍を期待したいと思っています。
 イル・ロンバルディアの前哨戦ともいわれるレースですが、中2日での本番になるので、ここからイル・ロンバルディアを勝つ選手が出るとは考え辛いのです。レース間隔もそうですが、メンバーが違い過ぎます。今季のモニュメントを征している選手にオリンピックの2冠に世界チャンピオンが顔を揃えたら、他の選手ではちょっと厳しいと考えるのが妥当でしょう。
 



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