自転車通勤の適正なギア比を考えてみることにしましょう。勿論、大前提になるのはその人の脚力ですが、通勤の距離やコースも考慮に入れる必要があります。
私の場合は片道約5kmのほぼフラットな市街地を走ることになります。ここで一番問題になるのが市街地を走るため、信号機が多く、STOP & GOを強いられるということです。
今の通勤コースをアウターギアで走ろうとすると、リアのギアを2枚は落として止まらないと、スムーズにスタートができません。スタートしてリアのギアを2段上げトップスピードに乗ったところで、ブレーキングを強いられることになります。これは非常に効率が悪い走り方といえるでしょう。
先にも書いたことですが、アウターギアがあるからといって、どうしてもそれを使わなければいけない訳ではありません。初心者ほどアウターギアで走りたがる傾向にあるようですが、ミドルギアを使うことで走行は軽くてスムーズになるということは知っておいて損はないと思います。
フロントギアの歯数にもよりますが、特に市街地走行ではミドルギアの選択をおススメします。理由はギアの切替が少なくてすみますし、スタートが軽くスムーズになるためです。私が購入したAL-700Xのミドルギアの歯数は36Tなので、ケイデンス80rpmなら2×5でも22・3km/h程度の速度になります。2×6で目標としている巡航25km/hに大きく近づくことができる計算です。
実際には風の影響が大きくなかなか理想的な走りにはなりませんが、市街地走行ならミドルギアで何の問題も感じないはずです。
また、通勤距離が長い場合でも、無理にアウターで走り続けようとすると心拍数が上がり過ぎ、ケイデンスが落ちてしまうと、走行にムラができ、平均速度は落ちてしまいます。
逆に比較的軽めのギアで一定のケイデンスを維持する走りの方が、結果的に平均速度が速くなるものです。これは半年のジム通いで実際に体感したことです。
アウターギアは信号機のないコースや下り坂用にとっておけばいいのです。
自転車の最大の敵は強い風です。これは自転車通勤でも同じです。アウターばかりで走っていた頃は、強い向い風の日はギアをミドルに落としていました。ところがアウターで走ってばかりいると、ケイデンスを急に高くすることが難しく、結局風の抵抗に負けてしまうことになります。
ところがミドルギアで一定のケイデンスをキープする走りができるようになると、強い向かい風でもリアを1枚軽くするだけで、比較的無理なく走ることができるようになりました。風が強いからといって、急に大きくシフトダウンしてしまうと風の抵抗に負け、かえって走行が苦しくなってしまうものです。
先日、実際に前をアウターギアでダンシングしている若者の後ろを、こちらはシッティングのままついて行くことができました。確かにアウターギアをダンシングで漕げば一時距離は開きますが、ものの1分もしないうちに追いついてしまうのです。ケイデンスにムラのある走りは平均速度を落とすばかりではなく、身体にも大きな負担となりますから、継続が前提の自転車通勤ではできれば避けたいものです。
今はケイデンス付きのサイクル・コンピュータも手軽に手に入りますから、取り付けてみてはいかがでしょう?
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