京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『容疑者Xの献身』

2008-10-09 | 邦画

 
□作品オフィシャルサイト 「容疑者Xの献身
□監督 西谷 弘
□脚本 福田 靖
□原作 東野圭吾(「容疑者Xの献身」文藝春秋刊)
□キャスト 福山雅治、堤 真一、松雪泰子、金澤美穂、柴咲コウ、北村一輝、
       渡辺いっけい、真矢みき、ダンカン、長塚圭史、益岡徹、林 泰文

■鑑賞日 10月5日(日)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)

<感想>

  実に興味深い・・・。 

 映画版『容疑者Xの献身』の公開初日の4日(土)福山演じる天才物理学者・湯川学の大学時代を描き、
 “探偵ガリレオ”誕生の秘密と原点が明らかにされた土曜プレミアム『ガリレオΦエピソードゼロ』が放送され、
 ビデオリサーチの調べで視聴率が20.8%を記録したそうな(ドラマ放送時の平均視聴率は21.9%)。
 大学時代の湯川をは三浦春馬が演じたがなかなか福山演じる湯川の特徴をよく捉えていた。
 旧友の刑事をそのまま北村一輝(大学生時代は別の俳優)、研究生役を長澤まさみが演じた。
 そして石神とは本作の二人の会話の中にも出てくる4色問題で短い会話を交わしている。

 この映画を観る1週間前ぐらいに原作を読み終えたが、グイグイと引き込む吸引力抜群の東野圭吾の
 原作は実に面白かった。 お馴染みのメンバーはともかく、この湯川と対極にある石神役の堤 真一が
 どんなふうに原作の石神を捉えてを演じてみせて くれるのかが楽しみだった。 
 
 冒頭から梅屋敷や、大森(実際には立会川界隈だったが、自転車置場)、蒲田(簡易宿泊所)等、
 我が家のそばの地名が出るたびにおや~と思ったが、原作では瑞江や篠崎が設定になっていたが、
 変わっていて見たことのある風景が広がったのには驚いた。 それ以外はほぼ忠実に描かれていたが、
 同じ東都大学出身で唯一湯川が天才と認める石神はもっと風体が堤 真一に比べ、野暮ったい感じなので、
 それをまあ2枚目半の堤 真一がどのように演じるかは興味があったが、なんとなくわざとらしい役作りに
 徹していたみたいで、 少し鼻につく部分もあったが、頭がキレるという意味では良かったのかもしれない。 

 原作にはなかった雪山登山のシーンは後で考えると石神が最悪自首する意味で最後の登山と
 位置づけたのだが、 特に必要なシーンでもなかったように思える。 
 ただ一番戴けなかったのは彼女を助ける工藤がダンカンだったことだ。
 原作では疑いつつも彼なら彼女を幸せに出来るとさえ考えたのに、それがダンカンじゃ
 ぶち壊しもいいところだ。  なぜあのキャスティングだったのか彼を起用した理由を是非聞いてみたい。
 
 原作では男性である柴咲の設定だが、この男二人の対決に控えめな演技で対応していたことには
 なかなか評価すべきではないかと思った。 TVドラマでは結構二人はオチャらけた感じもあったのだが、
 ここでは友人としてという部分はちょっと疑問も湧いたが、でもいい位置取りだったように思う。
 これについては渡辺いっけいや真矢みき、品川 祐も含めて同様だ。

 花岡靖子の元亭主・富樫慎二が長塚クンというのもちょっとどうかなぁという感じもしたが。
 花岡靖子を演じる松雪泰子も原作に比べると線が細いという感じもしたのだが、
 さすがに『フラガール』での説得力ある控えめな演技も評価されるものだ。
 先日『
デトロイト・メタル・シティ』のパンチラ女社長役を観ただけにそのギャップは凄かったが(笑)

 湯川学をサポートする人は他にも居た。 原作者の東野圭吾から科学的な部分は間違いのないように
 強い要望がプロデューサーに あったことを受けて、東大の大島まり教授(生体流体力学)と
 横浜国大の根上生也教授に監修を要請したそうだ。 あの湯川が何かにひらめいて所かまわず
 数式を書くシーンは大島教授が熱伝導率や光の屈折率、衝撃波などの数式をきちんと計算して
 演技用の原案として渡したそうだ。 だからこそリアリティがあるのだと思う。
 ちなみに僕は文科系なので数式はさっぱりわからないが(汗)

 よく原作が先か映画が先かと迷うところだが、この映画に関しては映画が先でも良かったかなぁ~ 
 原作の面白さをプラスとし、ダンカンのキャスティングをマイナスとしても充分に楽しめた作品だと言えよう。



 本作とは直接関係ないものの(湯川が‘物理学者’というところの共通だけ)、
 先日2008年ノーベル賞の発表があり、そのノーベル物理学賞に、高エネルギー加速器研究機構の
 小林誠名誉教授、益川敏英京都大名誉教授・京都産業大教授)と 米シカゴ大の南部陽一郎名誉教授の
 3氏が受賞した。 そしてノーベル化学賞いには下村脩・米ボストン大名誉教授が選ばれた。

  実におめでたい・・・。
 


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32 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ダンカン (たいむ)
2008-10-09 19:25:48
こんにちは。
私は原作を読んでいないのだけど、工藤のダンカンは胡散臭さを演出するものかな?って思っていました。ダンカンだったことから、工藤もまたならず者なのかと心配しましたから。それを石神が証明したからあんなでも(失礼)信じるに足る人物と判断しましたよ(^^)
返信する
TBありがとうございました (talofa)
2008-10-09 20:52:45
 ストーリーがおもしろくて最後まで引っ張られていった作品でした。
 謎解きのヒントが 後から思い返すと あ、そういえば・・・という感じでちりばめられていて本当におもしろかったです。
 ダンカンさん、私は原作を読んでいないのでよく分かりませんが 始めは悪役?と思っていたのですが(笑)そのうちに 不器用で一生懸命って感じが出ていていいな、と思いました。
 それにしても松雪泰子さんて凄い女優さんですね~
若いころの彼女って実はあんまり好きじゃなかったのですが、だんだんいい雰囲気になってきたなあ、と思っています。
返信する
まいどどうもです (くまんちゅう)
2008-10-09 22:22:13
同じくドラマのノリでやられたら嫌だなと思っていたので、キャストの控えめな出番は好感でした。
石神のイメージも堤氏とは違うかなと思いましたが演技で納得させられました。
そして圧巻は松雪さんの変わりよう・・・
DMCとは全く別人の役を完璧にこなしていてビックリでした。
返信する
顔で~ (cyaz)
2008-10-10 08:32:57
たいむさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>私は原作を読んでいないのだけど、工藤のダンカンは胡散臭さを演出するものかな?って思っていました。
原作とは全く違ったものでしたね~ あれは艶消しです(笑)

>それを石神が証明したからあんなでも(失礼)信じるに足る人物と判断しましたよ(^^)
でも顔でダメでしょ、あれは(笑)
返信する
原作~ (cyaz)
2008-10-10 08:35:47
talofaさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>謎解きのヒントが 後から思い返すと あ、そういえば・・・という感じでちりばめられていて本当におもしろかったです。
そこが良さだと思いますね^^ 今回コウちゃんとの絡みは少なかったですが(笑)

>ダンカンさん、私は原作を読んでいないのでよく分かりませんが 始めは悪役?と思っていたのですが(笑)そのうちに 不器用で一生懸命って感じが出ていていいな、と思いました。
原作を読んでいない方にはわからないかもしれませんが、イメージ違いすぎます(笑)

>それにしても松雪泰子さんて凄い女優さんですね~
若いころの彼女って実はあんまり好きじゃなかったのですが、だんだんいい雰囲気になってきたなあ、と思っています。
そうですね~
もう少し線(体型的)が太いとさらにいいですが(笑)
返信する
DMC~ (cyaz)
2008-10-10 08:38:34
くまんちゅうさん、コメント、ありがとうございますm(__)m

>同じくドラマのノリでやられたら嫌だなと思っていたので、キャストの控えめな出番は好感でした。
少しイメージは変えて原作に忠実な感じはしました。

>石神のイメージも堤氏とは違うかなと思いましたが演技で納得させられました。
そうですね(笑)

>そして圧巻は松雪さんの変わりよう・・・DMCとは全く別人の役を完璧にこなしていてビックリでした。
それでも違和感がないのが彼女の良さでしょうか^^
返信する
こんばんは! (ルナ)
2008-10-11 00:21:24
おぉ~!やっぱりダンカンの工藤は、
ゆるせませんよねーーーー!!!!
失礼ながら、もっとマシな俳優いっぱいいるだろう!と
思ってしまいました。
弁当屋に尋ねてくる最初のシーンから、あやし過ぎです!(笑)
でも原作を読んでいない方は、いろんな見方をされていて
面白いですね。
原作を読んだ私の中では、石神はドランクの塚地か伊集院って
イメージだったのですが、堤真一はよい方に見事に
そのイメージを裏切ってくれました!
松雪泰子も良かったし、思った以上に良い出来でした。

返信する
やっと… (nene)
2008-10-11 22:35:41
『容疑者~』にもコメント&TB,並びに励ましのお言葉を頂きありがとうございました。ようやくTB出来ました。少し世界が広がった気分です。
これからは時折お邪魔しては過去の映画記録を拝見させて頂きますね。宜しくです。

返信する
私も観ました♪ (koto)
2008-10-13 07:38:29
cyazさんこんにちは♪私も先日観てきましたよ。
確かにダンカン、あれは無い(笑)。
芸人の人が俳優の分野に出てくるのは、どんなに演技派でもあまり好きでは無いのですが、
ただ胡散臭さを出すだけなら、もっと他にも良い人がいたでしょ~?というのが正直な感想です。

TVシリーズを観てないので、柴崎コウとの微妙な関係が良く分かってないのですが、
これから観ても楽しそうですね。レンタルしたいと思っています
返信する
天才~ (cyaz)
2008-10-14 08:25:10
ルナさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>ダンカンの工藤はゆるせませんよねー!失礼ながら、もっとマシな俳優いっぱいいるだろう!と思ってしまいました。
原作を読んだ方はそう思いますよね(笑)

>原作を読んだ私の中では、石神はドランクの塚地か伊集院ってイメージだったのですが、堤真一はよい方に見事にそのイメージを裏切ってくれました!
そういう意見も多かったようですね(笑)?
ただ湯川が認める数学の天才となるとただデブなだけでは無理でしょうね(笑)

>松雪泰子も良かったし、思った以上に良い出来でした。
彼女も色んな役に染まれるタイプですよね^^
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