□作品オフィシャルサイト 「あの空をおぼえてる」
□監督 冨樫森
□原作 ジャネット・リー・ケアリー(「あの空をおぼえてる」)
□脚本 山田耕大
□キャスト 竹野内 豊、水野美紀、広田亮平、吉田里琴、小池栄子、品川祐、中嶋朋子、小日向文世
■鑑賞日 5月10日(土)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)
<感想>
まるで娘はこの家族の中で太陽のような存在だった。 イコール、トラブルメーカーでもあったようだが(笑)
それは普通の幸せな家庭に突如として降りかかったアクシデント。 絵里奈(吉田里琴)の死は家族3人の、それぞれの心の中に波紋を投げかけた。 重く深く・・・。 しかしながら、残された英治(広田亮平)にとっては最も大きく心にしこりを残した。 しかもその原因が父親である雅仁(竹野内 豊)の発した声にならない言葉。 大人の不用意な一言が、あとあとまで家族の、しかも娘がいた頃の笑顔と団欒までも奪い去ってしまった。
小さい子供にはわからないが、大きな子供にはわかることがある。 その一言が大きな大人の僕には重くのしかかった。
彼のまだ無傷の壊れそうなハートに、まるで原爆を落としたかのような事件が、そして大好きな父親の一言が、小さな心に大きなトラウマとなった。 だけど彼は健気に傷ついた心を癒してくれる人もなく、それでも家族の再生を図ろうとする。 それは先に逝ってしまった妹の分と、これから産まれてくる赤ちゃんのためにも、仲の良かった頃の明るく楽しかった家族を取り戻すために。
彼はその家族の笑顔を取り戻すために、いつしか大きな子供なりの努力で自分自身も強くなっていった。 いじめっ子に対しても正面から戦える力を備えていった。
殺伐とした現代社会において心の悩みは子供の世界までも曲げてしまう。 そのために最近では学校にカウンセラーをおくところも多い。 この映画でも小日向文世演じる福田(カウンセラー)が、彼が閉ざした心に少しずつ無理をさせず開いていくところを自然な中に引き出しているところがポイントだ。
世間が核家族化し、じいさんばあさんが同居しない家庭というものの、自然に行われた年寄りの智恵やカウンセリングが、職業としてのカウンセラーを入れなければ成り立たない現代の世相を皮肉っているようにも感じた作品だ。
最後の最後で彼女が家族が元通りになって、そして新しい命の誕生を得て、安心して天国に行くところで涙がとめどなく流れた。 エンディングで平井堅の「いつか離れる日が来ても」 が流れ出したら、また更に涙の量を増えたようだ。
この吉田里琴ちゃんはホントにナチュラルな演技で表現力豊かな小さいけれど大きな女優さんだ。 さすがに子役では上手い広田亮平クンも少し霞んでいた。 彼女がどんな女優さんになるのか楽しみだが、その表情を少し大きく成長させてみると、『犬と私の10の約束』や『Little DJ ~小さな恋の物語~』の福田麻由子ちゃんのような感じかな!
子役二人に比べやや父母が役不足に感じだのは僕だけだろうか・・・。
最新の画像[もっと見る]
- 『まる』 17時間前
- 「秋バラ」/四季の香ローズガーデン 2日前
- 「手塚雄二展 雲は龍に従う」/そごう美術館 3日前
- 「ガーデニングショー2024」/日比谷公園 4日前
- 「マティス 色彩を奏でる」/POLA MUSEUM ANNEX 5日前
- 「草月流いけばな展」/日本橋高島屋 6日前
- 『2度目のはなればなれ』 7日前
- 「AZUSA IIDA:佐藤綋朗」/TERRADA ART COMPLEX Ⅱ 1週間前
- 「奥村章人 Synesthesia」/WHAT MUSEUM 1週間前
- 「秋バラ」/代々木公園 1週間前
しかも、どの家庭にも起きるかも知れない出来事であるだけに、
入り込んで観てしまいました。
一生懸命作ってきた家庭。突然の事に受け入れられない大人、、
子供って、理解じゃなくて感じることで行動していくから
いつも凄いなぁと思いますね
時々はこうして、本来の子供の姿に触れて、純粋さを感じたいですね。
泣いた後はスッキリできるいい作品でした♪
トラックバックありがとうです。(*^-^*
両親役の二人は子役2人を引き立てるように
控え目に丁寧に演じていて好感持てたけど、
その一方でなんとなく物足りなさも感じました・・・。
やはり、両親役の二人のイメージに生活感がないからなのかな?
>両方の気持ちが解るだけに、しかも、どの家庭にも起きるかも知れない出来事であるだけに、入り込んで観てしまいました。
そうですよね~ 明日はわからない・・・。
>一生懸命作ってきた家庭。突然の事に受け入れられない大人、、子供って、理解じゃなくて感じることで行動していくからいつも凄いなぁと思いますね
思っているより子供の感性は凄いものだと日常感じさせられることがあります。本能的に学ばなくても存在する能力なんでしょうね。
>時々はこうして、本来の子供の姿に触れて、純粋さを感じたいですね。泣いた後はスッキリできるいい作品でした♪
そうですね。本当に「あの空をおぼえてる」ですね!
関係ないですが、まるで空のようなTシャツを買って来ました(笑)
>両親役の二人は子役2人を引き立てるように控え目に丁寧に演じていて好感持てたけど、その一方でなんとなく物足りなさも感じました・・・。
そうですね^^ 仲の良い割には子供に正対している姿が感じられませんでした。
>やはり、両親役の二人のイメージに生活感がないからなのかな?
そこは仕方がないですね(笑) でもなるべく撮影中以外でも二人と触れ合っていたようですが^^
子供を撮らせたら、ピカ一と思っておりましたが、やはりうまいですね。
親の存在感が薄くなるのも納得です。
そこは確信犯的なつくりかもしれませんね。
あの女の子の無垢な可愛さは本当にすごかったですね。
どんな役者になっていくのか楽しみです。
>この監督とは、一つ違いで、おまけに高校は隣で、異様に親近感を感じてます。子供を撮らせたら、ピカ一と思っておりましたが、やはりうまいですね。
へぇ~、そうなんですか^^
でもそれって年バレバレになりますね(笑)?
>あの女の子の無垢な可愛さは本当にすごかったですね。どんな役者になっていくのか楽しみです。
ここのところ日本も外国も子役が豊作ですね! 楽しみです^^
涙目になってしまって
映画館には行かれそうもないと思っていたので
この記事を読ませていただいて感謝です。
なるほど、子供のこころの話なのですね。
設定がかなり重いのですが、
かなり興味深い内容。
ハンカチ三枚持参してトライしようかな(笑)
>平井堅さんの曲、聞いているだけで涙目になってしまって映画館には行かれそうもないと思っていたので
この記事を読ませていただいて感謝です。
でも、もっと平井堅ワールドが楽しめると思いますよ^^
>設定がかなり重いのですが、かなり興味深い内容。
ハンカチ三枚持参してトライしようかな(笑)
重くはないですから、どうぞハンディタオル持参でどうぞ~^^