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長谷川利行「水泳場」1932年(昭和7年)

2018年03月27日 | アート
長谷川利行「水泳場」1932年(昭和7年)



 戦前の大正末期、今から90年も前の話です。
関東大震災のあと30代で突然画家になるべく、
上京したのが長谷川利行さんです。
歌人として京都にいた10代から20代は歌集を出版するほど
文学に傾倒していたのに関東大震災のニュースを聞いた
文学青年は東京を目指しました。

「好きこそものの上手なり」とは良く言ったもので、
東京に出てきてからの利行さんは数々の逸話を残しています。
(有名な逸話が多いので省きますが)
中でもまだ芸大の画学生だった東山魁夷さんが利行さんの個展会場で
利行さんの描いた女性像を購入した記録が当時の日記に記してあり、
東山魁夷さんが初めて人の絵を購入したのが長谷川利行さんの
絵画だったことは驚きの一言に尽きます。

上にある「水泳場」はほぼディテールが掴めない抽象画のような絵に
賛否両論があるかと思いますが、私は自由奔放な描き方に憧れます。
下の肖像画でも分かるように、肖像画になると奔放さが少し影を潜め
その人らしさが垣間見えて、利行さんのディテールを素早く捉える
画力も伺えます。

現在進行形で「長谷川利行展」が開催されています。
3月24日(土)~4月22日(日)まで
福島県福島市の福島県立美術館にて。
以後、東京の府中市美術館など全国を巡回します。



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2 コメント

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知らなかった! (甘い生活)
2018-04-07 06:25:50
こんな画家がいたなんて、知りませんでした。

ただの私の無知ですけど、画家をやろうとした情熱はすごいものがありますね。近くに来てくれたら、見に行きたいと思います。ありがとうございました。
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甘い生活さま。 (クラシノソラ)
2018-04-08 00:09:45
甘い生活さま。コメントありがとうございます。ご存じなかったですか。昔は無頼派と云うか、無頼漢と云うのか無鉄砲な芸術家がたくさんいたのですね。私も偏屈な方なのでエリートコース歩いて来た方より、独自の道を切り拓いた方に魅力を感じてしまいます。そう云う意味では長谷川利行さんは鬼神のひとりだと思います。
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