Cabin Pressure(脚本:ジョン・フィネモア 出演:ベネディクト・カンバーバッチ他)

イギリスBBCのラジオ・コメディ CABIN PRESSURE について語ります。

暑中お見舞い申し上げます

2013-07-30 06:35:46 | 日記
ご無沙汰しております。皆様、お変わりありませんか?

私は、先週、文明から離れた生活を送っておりました。
現実社会に戻ってきて、まず初めにとりかかったのは、JFSP(=John Finnemore's Souvenir Programme)!
シリーズ1のCDが我が家にも届きまして、久しぶりに聞き、大爆笑!!
シリーズ2は9月に、そして、現在、好評録音中のシリーズ3(オンエアは9月の予定)も、
すでにCD化が決定していて、11月に販売されるそう。

この番組も本当に本当に面白いので、キャビン・プレッシャーの拙訳が一段落したら、
JFSPをご紹介していきたいと思っております。
今後も、よろしければお付き合いくださいませ。


そして、キャビン・プレッシャーがらみでは、
来月はいよいよCumberbatch氏出演の映画が公開されますし、
TVでは、AXNミステリーで、SHERLOCKのシリーズ1+2の字幕版が一挙放送!
未見の方は、放送前に原作をお読みになることをお勧めします。
もちろん、原作を知らなくても充分楽しめますが、知っていると面白さ倍増すること請け合いです。
かくいう私は隠れシャーロキアン(=シャーロック・ホームズ・ファン)。
第一話の、懐中時計ならぬ携帯電話からの推理や、「RACHE」、それにニコチンパッチの「スリー・パッチ・プロブレム」に大笑い&感動して、すっかりハマった次第です。
(原作をお読みの方は、この気持ち、お分かりいただけますよね。ね!)


SHERLOCKと言えば、先週、機会があって、アメリカ版SHERLOCKと言われた
CBSのドラマELEMENTARYを数話見ました(さっき「文明から離れた生活」と書いたような気が…)。
イギリス版のリメイクかと思いきや、全く異なる雰囲気で、これまた面白く仕上がっています。
(特にワトソン先生の設定が効いてます!)
日本では、WOWOWで秋に放送されるようなので、興味のある方は、是非。


そして、こちらのブログでは、次回、キャビン・プレッシャーのシリーズ4最終話を
ご紹介します!

S4-5 Xinzhou(後)

2013-07-20 05:51:32 | 日記
後半です。

 ↓




キャロリン:ああ、おなかいっぱい。
マーティン:うん。
キャロリン:かすかにチキンの味がするピューレを4匙。満腹でこれ以上は食べられないわ。
マーティン:き、きみは本当に食べないの、ダグラス?
ダグラス:これ以上確信できることはめったにない。
アーサー:僕、結構気に入ったよ。また頼もうっと。噛まなくてもいいって楽だね。
キャロリン:よろしい。ご馳走を堪能したあとは睡眠よ。灯りを消してもいい?
マーティン&アーサー:うん。
ダグラス:いや、こんなの馬鹿げてる。私は全然疲れていない。
キャロリン:とはいえ。
(灯りを消す音)
キャロリン:アーサー、なにか言いなさい。
アーサー:オーケイ。なんて言えばいい?
キャロリン:なんでもいいのよ。あなたのいる場所が分かれば、踏まないで私の席に戻れるの。
アーサー:ああ、そうか。僕はここだよ、踏まないで。僕はここだよ、踏まないで。僕はここだよ、踏まないで。
キャロリン:はい、はい、いいわ。もう安全よ。では、おやすみなさい。
ダグラス&マーティン&アーサー:おやすみ。
(沈黙)
ダグラス:よし、ゲームを始めよう。
マーティン:本当にダメだよ、ダグラス。みんなが睡眠時間をとらなければ、明日のフライトは中止するよ。
ダグラス:眠るためさ。この不快感や飢えや、謎のベーコンのおいしそうな香りから気をそらすことができるぞ。
マーティン:うん、分かった、分かったよ。どんなゲームなの?
ダグラス:質疑応答式映画二本立て。
マーティン:どういう意味?
ダグラス:「誰がロジャー・ラビットをはめたか?」「ガンジー」
マーティン:オーケイ。えっと、考えるからちょっと待って。
ダグラス:「何がジェーンに起こったか?」「ファイト・クラブ」
マーティン:きみはいつもそうだ。ずるいよ。どんなゲームをするのか僕たちに言う前に、たくさん答えを用意してる。
ダグラス:そんなことしないぞ。
キャロリン:「おお、ブラザー、そなたは何処に?」「ノッティングヒル」
ダグラス:やあ、ハロー。眠ったかと思っていたよ。
キャロリン:眠ってます。
マーティン:オーケイ、オーケイ、思いついたよ!「我が谷はどのくらい緑か?」
ダグラス:うん?
マーティン:「セブン」
ダグラス:「セブン」?きみの谷は緑が7?
マーティン:うん。10のうちの7。段階評価だよ。
ダグラス:いいだろう。オーケイ。「リバティ・バランスを射った男、、」
マーティン:このゲームは眠りをさそうようなたぐいじゃないと思うな。
ダグラス:いいだろう。ではきみが提案してくれ。
マーティン:よし。じゃ、フィズ・バズはどう?
アーサー:最高!
マーティン:あ、きみはフィズ・バズを知ってる?
アーサー:ううん。でも名前は好き。
マーティン:そう。えっと、1人づつ、1から順番に数を数えるんだけど、3で割り切れる場合は、数字のかわりにフィズ、5で割り切れる場合はバズって言うんだ。
アーサー;それってゲームの名前よりずっと算数っぽいね。
マーティン:まあ、でも、眠りを誘うと思うんだ。一度やってみよう。
ダグラス:いいだろう。1。
マーティン:2。
アーサー:3。
ダグラス:ふむ。これは意外だったな。
マーティン:違うよ、アーサー。3の倍数のときは、フィズって言うんだ。
アーサー:知ってるよ。でも3は3の倍数じゃなくて、ただの3だよ。
マーティン:1掛ける3だよ。1倍だから、、とにかく、僕を信じて。いいね?
アーサー:オーケイ。
ダグラス:1。
マーティン:2。
アーサー:フィズ。
キャロリン:4。
マーティン:バズ。
ダグラス:フィズ。
アーサー:5。
マーティン:違うってば。いいか、アーサー、、
キャロリン:マーティン、マーティン。1980年代のほとんどの時間を、アーサーに分数を教えようと費やした気持ちの女から言わせてもらうけど、潔く降参するほうが良いわよ。
マーティン:そうだね。
アーサー:ううん!ねえ、スキップ、これはいいゲームだよ。ただ、ちょっと複雑すぎるんだ。そうだ、例えばこうしたら?奇数のときはフィズって言って、偶数のときはバズって言うんだ。
マーティン:アーサー、それって、ただ単に、、
ダグラス:確かに睡眠効果はありそうだ。フィズ。
マーティン:バズ。
アーサー:1、2、、フィズ。
キャロリン:バズ。
マーティン:フィズ。
ダグラス:バズ。
アーサー:1、2、3、4、5、6、、フィズ。
キャロリン:バズ。
マーティン:フィズ。
(電子音)
アーサー:わぁ。ガーティも遊んでる!
マーティン:ど、どうしたんだ?
ダグラス:APUの警告音か?
マーティン:え、えっと、見てくるよ。
アーサー:うわ!
マーティン:あ!ごめんね、アーサー。
ダグラス:私も行こう。
アーサー:僕はここだよ、踏まないで!僕はここだよ、踏まないで!僕はここだよ、

マーティン:うん。APUだ。
ダグラス:そうか。今度はなんだ?こいつの子守をしているだけじゃダメなのか?
マーティン:えっと、表示は、、オーバーヒートだって。
ダグラス:もちろんそうだろう。我らがガーティ老嬢は、雪に囲まれて顔がほてっているんだ。
マーティン:あ、「雪に囲まれて」か。もし雪が横なぐりに降っていたら、、降ってるね。排気口がふさがっちゃうよ。


マーティン:よし、準備完了。
(ドアの開く音)
アーサー:頑張ってね、スキップ!
マーティン:ありがとう。
(ドアの閉まる音)
アーサー:彼、なにするの?
ダグラス:機長は機器に関して無尽の才能の持ち主だ。その彼が、APユニット稼動の微調整を行うために編み出した計画は、飛行機のおしりの穴を見つけて、そこに枝を突っ込んで振ることだと。
アーサー:それでうまくいくの?
ダグラス:ああ、もちろんさ。


(ドアの開く音)
マーティン:完了。
アーサー:やったね、スキップ!
マーティン:寒い!コートをとるのを手伝ってくれ、アーサー。(コートを脱ぐ)でも、かなり降っているから、またすぐふさがってしまう。カバーできるものを作ってみたけど、それを固定しておくことができなくて、何度やっても風で飛ばされてしまうんだ。
キャロリン:あら。またベーコンの匂いがするわ。きっとあなたよ、マーティン。あなたがコートを脱ぐ前は匂わなかったもの。
マーティン:僕はベーコンくさくないよ!
アーサー:あ、ちょっと匂うよ、スキップ。
ダグラス:私はまだなにも匂わない。きっとこれは共同妄想のひとつだな。
マーティン:待って、ちょっと待って。(においを嗅ぐ)僕だ!僕のシャツだよ。僕のシャツからベーコンの匂いがする。
アーサー:うん、そうだね。わぁ、それ最高!売りに出せるよ。
キャロリン:まず売れないでしょうね。
アーサー:僕は買いたいな。
マーティン:でもどうして僕のシャツがベーコンくさいんだ?
キャロリン:最近、洗剤を変えた?
マーティン:ベーコンにかい?
アーサー:ベーコンをシャツにこすりつけたとか?
マーティン:いいや!ベーコンに近づいてさえいないよ。
キャロリン:ダグラス、あなた、やけに静かね。
ダグラス:ああ、何も言うことがなくてね。まったく、途方にくれているんだ。
マーティン:きみだろう?きみが僕のシャツをこんなに、、ベーコンっぽくしたんだ。
ダグラス:私は本当に、きみのシャツに指一本触れてない。ボーイスカウトの名にかけて。
キャロリン:いいでしょう。もう充分よ。すでに1時だし、5時間の睡眠をとるためにあと6時間しかないわ。さっさと寝ましょう。
ダグラス:リラックス音楽のテープを作るってのはどうだい?


アーサー:ね、もっとフィズ・バズやろうよ。
キャロリン:いいえ、ダメです。さあ、消灯よ。
(灯りを消す音)
アーサー:僕はここだよ、踏まないで。僕はここだよ、踏まないで。僕はここだよ、踏まないで。
マーティン:こう言ってはなんだけど、キャロリン、さっきのは効果あったよ。
キャロリン:ええ。でもバカげてるわ。ただ、「フィズ」「バズ」が続くだけじゃない。
アーサー:僕はここだよ、踏まないで。
キャロリン:アーサー、もう安全よ。
アーサー:オーケイ。ねえ、もっとルールを複雑にしたらどうかな。例えば、そうだ。数字の代わりに、その、もし誰かが「フィズ」って言ったら、「バズ」って答えるんだ。
ダグラス:それがきみのいう複雑なルールかね?
アーサー:とにかくやってみようよ。
ダグラス:よろしい。フィズ。
アーサー:バズ。
ダグラス:、、かなり短いゲームだな。
アーサー:うん、そうだね。他のルールが必要だね。えっと、例えば、もし、誰かが「バズ」って言ったら、何か言うのはどう?
マーティン:例えば何て?
アーサー:えっと、、 ♪ 'ave a banana ♪
キャロリン:ダメよ。まともな言葉じゃないと。
ダグラス:その通り。ゲームが愚劣によって汚されることを、神様は禁じていらっしゃる。
アーサー:でも、ほかになにも思いつかないんだ。
キャロリン:私はhave a bananaなんて言いませんよ。
アーサー:have a bananaじゃなくて、'ave a bananaだよ。歌と一緒。
キャロリン:なんの歌?
アーサー:えっと、'ave a banana の歌だよ。僕、歌詞はそこしか知らない。
ダグラス:♪ Let’s all go down the Strand♪
(沈黙)
アーサー:きみ、大丈夫、ダグラス?
ダグラス:これが歌さ!この後 ’ave a bananaと続けるんだ。
アーサー:でもきみは「バズ」って言わなかった。
ダグラス:だがそれは、きみが勝手に作ったルールだろう?
アーサー:でもゲームは全部勝手に作るものだよ、ダグラス。法律じゃないんだから。
ダグラス:いいだろう。♪ Let’s all go down the Strand ♪ バズ。
アーサー:♪ ’ave a banana! ♪
マーティン:ちょっとルールを整理していいかな?
ダグラス:そりゃいい。
マーティン:誰かが「フィズ」って言うと、
アーサー:バス。
マーティン:「バズ」って答える。
アーサー::♪ ’ave a banana! ♪
マーティン:そして誰かが「バズ」って言うと、
アーサー:♪ ’ave a banana! ♪
マーティン: ’ave a banana! って答える。
アーサー:うん、その通り!じゃ、僕から始めるよ。フィズ。
マーティン:バズ。
ダグラス:キャロリン、きみが栄誉を担うかい?
キャロリン:いいえ。私はそんなこと言わないわよ。
アーサー:やってみてよ、母さん。すごく楽しいから!
キャロリン:お断り。
ダグラス:よろしい。♪ ’ave a banana! ♪
(沈黙)
ダグラス:まだ長くは続かないな。
マーティン:うん。他のきっかけがあるといいかもね。その、例えば、誰かに名前を呼ばれたら、「フィズ」って言うとか。
アーサー:わぁ、それ最高だよ、スキップ!
マーティン:フィズ。
ダグラス:バズ。
アーサー:♪ ’ave a banana! ♪ やったね、スキップ、きみは天才だよ。
マーティン:フィズ。
ダグラス:バズ。
アーサー:♪ ’ave a banana! ♪ どうやってこれを思いついたの、スキップ?
キャロリン:アーサー、スキップって言うの止めなさい。
マーティン:フィズ。
ダグラス:バズ。
アーサー&ダグラス&マーティン:♪ ’ave a banana! ♪
キャロリン:もうやめ!ダメよ、もうやめなさい、みんな!
アーサー:ごめんね、母さ、
キャロリン:ダメ、ダメ、ダメ、ダメ。
アーサー:ごめんなさい。
キャロリン:もう充分よ。私たちのうち、2人は眠らないといけないし、4人とも睡眠が必要です。だからもうゲームは中止。おしゃべりも中止。静かに横になって、ゆっくり訪れる眠気に身を任せましょう。
(警告音)
ダグラス&マーティン&アーサー:♪ ’ave a banana! ♪
キャロリン:もう!


(警告音)
マーティン:きみの番だよ、ダグラス。
ダグラス:2度続けてか?
アーサー:僕はまだ一度もやってないよ。僕が行ってもいい?
ダグラス:まあいいだろう。雪に残っている我々の足跡をたどれば、尾翼の下にジャム瓶くらいの穴があるのが見つかるはずだ。そこの雪を取り除いて、戻って来い。
アーサー:承知。最高。僕はここだよ、踏まないで。僕はここだよ、踏まないで。
キャロリン:あなたが動いているのよ。
アーサー:あ、そうか。オーケイ、行ってくるね。
(ドアの開く音)
キャロリン:外に出るときに灯りを消して。
アーサー:オーケイ!
(スイッチ音。ドアが閉まる)
キャロリン:これを20分おきに続けないといけないの?
マーティン:雪が降る間はね、うん。
キャロリン:なんとかできないの、ダグラス?
ダグラス:例えばなんだい?
キャロリン:分からないけど、あなたの得意分野でしょう。カバーかなにか作れないの?
ダグラス:APU作動中は穴をふさいではいけないんだ。それが一番の目的だからね。それに、飛行機の後ろの、高さ150CMのところにあるただの穴だ。カバーを吊せるようなものがない。
キャロリン:「ヴァージニア・ウルフを怖がるのは誰?」「スパイダーマン」
ダグラス:いいね。
マーティン:ああ、おなかへった!
ダグラス:私のベイビー・フードが残っているぞ。もしほしいなら。
マーティン:え、いいの?きみはおなか空いてないのかい?
ダグラス:ああ、私はホテルで食べた。
マーティン:きみが?僕たちは食べてないよ。食べ物がなくてみんな文句を言っていた。
ダグラス:うん。まあ、ちょっと作ったんだ。
マーティン:本当に?もしかしてそれって、僕のシャツがベーコンくさいのと関係あるんじゃないか?
ダグラス:いったいどうやってそんなこと出来るんだ?
マーティン:分からないけど。でも方法はあるはずだ。


ダグラス:「なにがきみを悩ませているのか、ギルバート・グレイプ」「12匹の猿」
マーティン:あのさ、きみは本当にハークをチューリッヒに行かせる気かい、キャロリン?
キャロリン:私の気持ちは関係ないわ。彼は大人よ。
マーティン:うん。でも、もしきみが頼めば、留まるんだろう?
キャロリン:、、どうやらそのようね。
マーティン:じゃ、きみの気持ち次第なんだね。
キャロリン:いいから寝なさい。
ダグラス:きみはどうなんだ、マーティン?もしスイス・エアウェイズが採用したら、きみもチューリッヒに住むことになる。
マーティン:なんだ。さっきは応募するなって言ったろう?あちらは一流だからって。
ダグラス:そんなこと言ってないぞ。
マーティン:そうだね。声に出して思っただけだったね。
ダグラス:だか、きみはスイスへ引っ越す気はあるのか?
マーティン:もし誰かが飛行機を飛ばすことを許してくれるなら、僕はどこへでも行くよ。それに、、チューリッヒからファドゥーツって遠いかな?
キャロリン:そうね、50マイルくらいかしら。どうして?
ダグラス:ああ、そうか!ダックスフォードはうまくいったんだな?
キャロリン:ダックスフォードってなに?
ダグラス:ダックスフォード航空博物館に、マーティンは最近、魅力的な若いリヒテンシュタインの女性をエスコートしたんだ。「の」というのは、王女の、という意味さ。
キャロリン:え?この前のあの横柄な女のこと?
マーティン:彼女は会うといい人だよ。
ダグラス:それで?うまくいったか?
マーティン:なんのこと?
ダグラス:ダックスフォードさ。どうだった?
マーティン:いつも通り素晴らしい場所だったよ。
ダグラス:何か新しい発見は?
マーティン:えっと、ううん。あそこはプロのパイロットではなく素人向けの展示だから、、
ダグラス:航空の話じゃない!
マーティン:ダグラス。
ダグラス:落ち着けよ。根掘り葉掘り聞こうってつもりじゃないさ。ただ、、うまくいったのかね?
マーティン:うん。彼女は良かったよ。良い日だった。一緒にいれて良かったし、彼女は、すごく良かった。
ダグラス:ああ、愛か。我々を詩人にするね。
マーティン:愛じゃないよ。
キャロリン:じゃ、また会うつもりなの?
マーティン:きっとね。来週に。
ダグラス:ああ、2度目のデートは難しいぞ。
マーティン:それが、3度目なんだ。実はね。
ダグラス:そうなのか?2度目はいつだったんだ?
マーティン:えっと、デリーで一日休みがあったろう?あの日、彼女はたまたまアグラに来ていたんだ。
ダグラス:本当に?どうして?
マーティン:え、えっと、スウェーデン国王の誕生会がタージ・マハールで開かれて、僕たち、それに行ったんだ。
ダグラス:なるほど。きみは彼女をダックスフォード航空博物館へ連れて行き、彼女はきみをタージ・マハールで開かれたプライベート・パーティに連れて行った。来週はどこに行くつもりなんだい?
マーティン:、、クロイドン空港ビジターセンター。
ダグラス:彼女を甘やかしすぎだぞ。
マーティン:これは彼女の考えなんだ!
ダグラス:そうか。ならきみはSAに応募すべきだ。
マーティン:本気で?
ダグラス:絶対さ。きみの彼女の近所にある大手航空会社が募集しているんだぞ。
マーティン:僕の彼女じゃないよ。
ダグラス:こんな機会を逃がす手はない。もし採用されなくても、面接はいい練習になるし、もし採用されたら、きみはこんなヤツと一緒に飛ばなくてすむんだぞ。きみのフライト・バッグから携帯アイロンを盗み出して、ベーコン・サンドイッチを作るようなヤツと。
マーティン:やっぱりきみだったんだな!
ダグラス:悪いね。アイロンを使うかどうか知らなかったんだ。
キャロリン:ねえ、アーサーは随分長いこと外に出てるわよね?
ダグラス:ああ、そうだな。
マーティン:大変だ。まだ穴を探しているのかも。僕が探しに行くよ。
(ドアの開く音)
マーティン:みんな。あそこ、尾翼のそばに誰かいるよ。
ダグラス:アーサーだろう?
マーティン:違うよ。もっと背が高い。あの人、飛行機を調べているみたいだ。
キャロリン:本当に?
マーティン:ほらね?
キャロリン:あら、本当だわ。えっと、ハロー?ハロー。
アーサー:ハロー!
キャロリン:アーサー?あなたなの?
アーサー:そっちは違うけど、こっちは僕だよ。ハロー!
キャロリン:そっちはなに?
アーサー:教える前に言っておくけど、離陸するまでにちゃんと壊すって約束するよ。
キャロリン:また雪だるま!まったくもう、作らずにいられないのね。
アーサー:ううん、そうじゃなくて、忙しくしてたかっただけなんだ。僕がここにいて排気口をきれいにしていれば、みんなが休めるから。
キャロリン:それは優しい思いつきだけど、この寒さで一晩中いられるわけないでしょう。さあ、中に入って。
ダグラス:ああ!もちろん!
マーティン:なに?
ダグラス:アーサーには無理だが、出来るヤツがいるぞ。アーサー、これに背中をあずけて、一緒に押すんだ。1、2、3、押せ!
アーサー:動かないと思うけど、ダグラス。わあ、動いた!
キャロリン:いったいなにしてるの?
ダグラス:睡眠を得るためさ。見てご覧。アーサーが偶然にも、素晴らしいものを、我々に作ってくれたのは、高さ180CMの雪の台座だ。
アーサー:違うよ、雪だるまだよ。
ダグラス:両方さ。
キャロリン:台座?なんのための?
ダグラス:MJN特許の、APU排気口用雪ガードさ。マーティン、きみの帽子をくれ。
マーティン:え、ダメだよ!
ダグラス:大丈夫さ。スイス・エアウェイズはもっといいのをくれるよ。
マーティン:僕の帽子を投げ込むには恐れ多い会社だってきみは言ったろう?
ダグラス:そうだったか?まあ、私は失念していたようだ。恐れ多いのはきみの帽子さ。
マーティン:ああ。
ダグラス:よし。これで穴を完璧にカバーできる。何かの役に立つとは思っていたよ。
アーサー:わぁお。これってつまり、僕の最初の雪だるまは今日を救って、そのあと台無しにしちゃった。でも僕の2番目の雪だるまと、マーティンの帽子と、ダグラスのアイディアと、それから母さんの、、えっと、
キャロリン:飛行機。
アーサー:飛行機が、今夜の救世主だ!
ダグラス:その通り、アーサー。
アーサー:フィズ!
マーティン:バズ!
キャロリン:いいわ、言いましょう。 ♪ ’ave a banana! ♪


 (エンド・クレジット)




S4-5 忻州(前)

2013-07-19 06:08:43 | 日記
シリーズ4の第5話 Xinzhou です。

前回の「一音節ゲーム」に続き、今回、訳しづらかったのが
後半に出てくる映画タイトルを使ったゲーム。
邦題が疑問形になってない…。
と、いうわけで、野暮を承知で邦題とオリジナルのタイトルをご紹介。

ロジャー・ラビット Who Framed Roger Rabbit?
オー・ブラザー  O Brother,Where Art Thou?
我が谷は緑なりき  How Green Was My Valley?
バージニア・ウルフなんかこわくない  Who's Afraid of Virginia Woolf?
ギルバート・グレイプ What's Eating Gilbert Grape?


それでは、以下、Xinzhouをお送りします。
毎回のお願いですが、先に番組を聞いてからご覧くださいませ。

 ↓
 



(テーマ曲)
  今週は 「忻州」


アーサー:ニンジンがあればなぁ。
(足音)
アーサー:やあ、みんな!
キャロリン:あと21分よ。早く、早く、早く!マーティンはどこなの?
ダグラス:帽子が風に飛ばされたんだと。
キャロリン:飛ばされた?どうして飛んでいくの?あの帽子は彼より大きいのに。マーティン!
マーティン:うん。すぐ行くよ。
キャロリン:そんな帽子は放っておきなさい。あと19分よ。
マーティン:分かってる。でも、、よし、捕まえた。
キャロリン:じゃあ早くこっちに来なさい。アーサー、キャビンは準備できてる?
アーサー:うん。貨物と食事を積みこんで、キャビンチェックも済ませて、僕はもうすぐこの雪だるまを完成させるとこ。
キャロリン:どうして雪だるまを作っているの?
アーサー:雪が積もってるから。
(足音)
マーティン:お待たせ。
キャロリン:ようやくね。帽子にあごひもをつけたらどう?
ダグラス:本気でやりかねないぞ。
(ドアの音)
キャロリン:さあ、みんな入って。あと18分で日没よ。マーティン、早く中に入りなさい。
マーティン:うん。でもその前に僕、、
キャロリン:中国のような遠い国の雪景色を堪能する時間はないのよ。
ダグラス:公平に言って、ここは中国だ。
キャロリン:ダグラス、a)黙って。b)管制塔と話してきて。
ダグラス:だがa)を実行しながらでは、私はどうやって、
キャロリン:今すぐよ。
(ドアの音)
キャロリン:それじゃマーティン、見回りして。
マーティン:さっき見回りしようと思ったのに、きみが早く中に入れって言って、
キャロリン:そして私が今、言ってるのは、早く外へ。行きなさい!
(ドアの音)
キャロリン:それじゃアーサー、離陸の準備を。
アーサー:オーケイ。準備出来た。
キャロリン:よろしい。
アーサー:ねえ、僕は準備出来たし、スキップの見回りには何分かかかるから、大急ぎで雪だるまを仕上げてもいい?
キャロリン:ダメよ!
アーサー:そんなぁ。


ダグラス:(無線で)忻州管制塔へ、こちらはG-E-R-T-I。フィットンに向けての出発を要請します。
忻州管制塔:了解、G-T-I。出発を許可します。空港は日没で閉鎖されることを承知ください。
ダグラス:ありがとう、管制塔。知ってるよ。そこで我々が編み出した作戦は―その単純性を賞賛してもらえるだろうが―その前に離陸することだ。
管制塔:G-T-I、繰り返してください。
ダグラス:了解。出発許可。
(無線オフ)(ドアの開く音)
ダグラス:おっと、すごいな。雪だるまのフロスティ・パイロットだ。
マーティン:オーケイ。見回り完了だ。でも、
ダグラス:そうか。こちらも万事順調だ。あ、だが、ガーティからまた1つ部品が落っこちたぞ。
マーティン:え?どれが?
ダグラス:APU始動器が故障。
マーティン:そんなぁ。
ダグラス:幸い、そいつのいまわの際の仕事はAPUを始動することだった。つまり、第一に、そいつは好きなことをしながら死ねたし、第二に、我々は離陸できる。
マーティン:よかった。さあ、外に出て雪を見て。
ダグラス:ここから見えるよ、マーティン。素敵だね。さあ、座ってくれ。出発しよう。
マーティン:いや。気になるんだ。
ダグラス:おい、マーティン。ダメだ。頼む。
マーティン:ここで口論するより見に行くほうが早いよ。
ダグラス:分かった。いいだろう。


ダグラス:うん、大丈夫だ。さあ、行こう。
マーティン:いや、僕、、この雪はぬかるんでるように思えるんだ。
ダグラス:全然ぬかるんでないよ。綺麗な、ふわふわの雪だ。べちゃべちゃだったら雪玉を作ることはできないだろう。だが、ほら。見てみろ。
マーティン:うん、でも、それは、それは正式な雪玉じゃない。構造統合性に欠けている、
(雪玉があたる音)
ダグラス:問題なさそうだが。
マーティン:きみがやるだろうと分かっていたよ。
ダグラス:それでもきみは避けなかった。
マーティン:ああ。でもさ、こうして軽くすくったら、


アーサー:ねえ、あれはずるいよ。
キャロリン:なにが?
アーサー:窓の外を見てよ。雪だるまを完成させる時間がないんだったら、どうしてマーティンとダグラスはあんなこと出来るの?
キャロリン:まったくもう!


マーティン:ほらね?当る前にこわれちゃう。だから安全ではないんだ、
キャロリン:殿方。パイロットたちの楽しい冬の世界にお邪魔して申し訳ないけど、この飛行機をあと11分で離陸させないといけないのよ。
マーティン:キャロリン。僕の考えでは、翼に積もった雪が、離陸するにはぬかるみすぎているんだ。
ダグラス:そして私は完全に大丈夫だと考えている。
キャロリン:そこであなたたちは雪合戦で決着をつける気なのね。
マーティン:いいや。べしゃべしゃの雪はどんな大きさでも形を保てないけど、乾いた雪なら、
ダグラス:あの、マーティン。
マーティン:なに?
ダグラス:あれを見てくれ、アーサーの極上の雪だるまを。あれをぬかるんだ雪で作ることは出来ないだろ。
マーティン:ああ、うん。大丈夫みたいだね。
ダグラス:その通り。だからみんな機に戻ろう。今夜、出発するぞ!
(足音)
ダグラス:アーサー?
アーサー:ん?
ダグラス:きみの雪だるまは今日を救ったぞ。
アーサー:最高。


ダグラス:(無線で)管制塔へ、こちらG-T-I。滑走路1-8の停止位置。離陸準備完了。
管制塔:了解。許可するまで待機。
(無線オフ)
マーティン:よし!本当に間に合ったぞ。
ダグラス:驚きだが、やり遂げたな。しかも、まだ4分残っている。
マーティン:あれ、ヘンだな。ねえ、ベーコンの匂いがしない?
ダグラス:いや。
マーティン:本当に?これ、これは確かにベーコンの匂いだよ。
ダグラス:マーティン、それがきみの仲間内の隠語なのか?この機に警察官が乗っているという意味かね?
マーティン:真面目な話さ。きみは本当に匂わないの?
ダグラス:ああ。
マーティン:本当?困ったな。その、ベーコンの匂いがするって、なにか意味があるのかな?
ダグラス:ああ、その質問は哲学者向きだな。
マーティン:本気でさ。だって、例えば焦げたトーストの匂いがするときは、脳卒中のおそれがあるっていうから。ベーコンの匂いがするときは、なんのおそれがあるんだろう?
ダグラス:朝食かい?
キャロリン:(客室から)おい、運転手さんたち!何やってるの?離陸するの、しないの?
(ピンポン)
ダグラス:こんばんは。キャロリンたちとアーサーたち。こちらはみなさんのダグラスです。4時間に及ぶ中国の交通渋滞は徒労では終わらず、我々は幸せなことに、この謎めいた東洋を離れて、謎のないフィットンに戻るための離陸許可を待っているところです。
キャロリン&アーサー:やった!
ダグラス:私はマーティンの指示で操縦室に加わり、彼が本日のマーティンを担当します。
マーティン:ハロー!
ダグラス:みなさんの客室乗務員は、みなさんです。彼らは全力を尽くしてパイロットのフライトを平穏に、そして快適なものにしてくれることを信じて疑いません。
キャロリン:とんでもない。私はずっと寝ているわよ。
ダグラス:まさに幸先のよいスタートです。それでは、お席でくつろいで、
管制塔:(無線で)G-T-Iへ。
ダグラス:はい、管制塔。
管制塔:離陸許可を却下します。
ダグラス:なんだと?どうして?
管制塔:駐機場に貨物を置き忘れています。戻って回収してください。
マーティン:いや、いや、それはないよ。僕が見回りしたんだ。絶対になにも忘れていない。
管制塔:ここから見えますよ。高さは約1メートル、横50センチ、白色です。
ダグラス:あれは雪だるまだ!ただの雪だるまだよ。
管制塔:戻って回収してください。
ダグラス:それでは日没前に離陸できない。
管制塔:夜明けまであと8時間4分です。おやすみなさい!
(無線オフ)


アーサー:本当にごめんなさい。
キャロリン:もういいのよ。
アーサー:ただの雪だるまなのに。
マーティン:そうだね。
アーサー:それにさ、思い出してほしいんだ。あいつは今日を救ったんだよ。今日を台無しにする前は。
キャロリン:いいのよ。さて、今日はすごく楽しかったわね。明日、もう一度同じ事をやりましょう。ダグラスはホテルへ戻るタクシーの手配をお願い。マーティンはガーティをシャットダウン。アーサーはおとなしくそこに座って、雪だるまを作らないこと。
マーティン:飛行機をシャットダウンって、、ダグラス?
ダグラス:ああ、なんてこった。
キャロリン:今度はなに?
ダグラス:APUの始動モーターが故障したんだ。シャットダウンしてしまったら、再起動できない。
アーサー:そんな、、APUってなに?
マーティン:補助動力装置。
アーサー:え、そんな!、、 補助動力装置ってなに?
マーティン:エンジンが止まっているときに飛行機に電力を送る機械さ。
アーサー:了解。
キャロリン:そう。でも問題ないわ。エンジンをオンにするまでは電力はいらないもの。
ダグラス:本当かい?ではどうやってエンジンをスタートさせるんだ?木の枝をこすり合わせるか?
キャロリン:つまり、日の出までAPUを作動させておく必要があるのね。
ダグラス:そうだ。
キャロリン:作動している間、飛行機をほっておくわけにはいかない。
マーティン:うん。
キャロリン:つまり、私たちはみなガーティで一晩過ごすのね。
アーサー:最高!


マーティン:オーケイ。3つの座席をできるかぎり後ろに倒したよ。そして非常用キットの毛布を全部出した。
ダグラス:それは快適だな。誰が通路で寝るんだ?
アーサー:僕だよ。そのほうが楽しそうだもん。
ダグラス:ふむ。パジャマ・パーティは魅力的だが、私は操縦室に座って読書することにするよ。今晩操縦するつもりで、コーヒーを3杯飲んでしまった。
マーティン:うん。でもさ、ダグラス、きみは眠らないといけないよ。
ダグラス:どうして?
マーティン:僕たちパイロットは睡眠時間を最低5時間とらないと、明日、飛行することが出来ないからさ。
ダグラス:マーティン。私は大丈夫さ。1979年の一夜、私は5日間起きていたことがある。
キャロリン:一夜なのに?
ダグラス:あれはすごい夜だった。
マーティン:そうか。でも、規則として、
ダグラス:分かったよ。
キャロリン:アーサー、あなたベーコンを調理しているの?
アーサー:ううん。
マーティン:ほらね!言ったとおりだ。
キャロリン:なにを誰に言ったの?
マーティン:ベーコンの匂いがするって。ダグラスは感じないらしい。
キャロリン:ええ、これは確かに焼いたベーコンよ。どうして匂うの?
マーティン:分からない。きみは匂うかい、アーサー?
アーサー:匂わない。でも、嗅覚は僕の得意分野じゃないんだ。
ダグラス:あえて聞くが、きみの得意の感覚はなんだね、アーサー?
アーサー:触覚だよ、絶対。科学の授業のときに、袋に入ったものを手探りだけで当てるゲームがあって、僕、ほとんど全部当てたんだ。ブドウもね。
マーティン:機内にベーコンはある?あったら、今、ほしいな。
アーサー:ないけど、でも、夕食を作ろうか?
キャロリン:ええ、お願い。私、腹ペコなの。
マーティン:僕もだ。今日のメニューは?
アーサー:チキンが2つ、子羊肉が2つ。
マーティン:いいね。なるべく早く頼むよ。
アーサー:承知!
(カーテンの音)
キャロリン:残念!
ダグラス:どうした?
キャロリン:なんでもないわ。ただ、明日の出発だと、トスカに間に合わないことに気付いただけよ。
ダグラス:残念。それはおバカのハークが納得しないかもな。
キャロリン:彼のことをそう呼ぶのは止めてちょうだい。
ダグラス:申し訳ない。おバカーズのハーキュリーズ。
キャロリン:ともかく、彼と行くわけじゃないの。あの人は今チューリッヒよ。
ダグラス:エア・カレドニアがチューリッヒに運航しているとは知らなかった。
キャロリン:違うわ。彼は、その、家探し中よ。
マーティン:そうなの?
キャロリン:うん、うん、そうよ。彼はあっちに引っ越すかも。
ダグラス:引っ越すかも?
キャロリン:ええ。彼がそう望めばね。
マーティン:きみも一緒に行くかも?
キャロリン:とんでもない!どうして私が?
マーティン;だって、もう1年半も付き合ってるじゃないか。
キャロリン:16ヶ月よ。それに、私たちは付き合っていません。私たち、、たまたま同じ場所にいることが多いだけ。
ダグラス:なんとロマンティックな。
マーティン:それで、どうして彼はチューリッヒに?
キャロリン:その、、いい?これは内緒の話よ。スイス・エアウェイズが国際化に乗り出して、エア・カレドニアを買収したの。それでハークはチューリッヒへ異動しないと、早期退職しなければならないのよ。
マーティン:スイス・エアウェイズが国際化を?
キャロリン:ええ。でもそれは私の話の要点じゃないけど。
マーティン:あ、ごめん。でもさ、新規採用もあるよね、きっと。
キャロリン:そういうことね。ええ、そうだわ。あなた、応募すべきよ。
ダグラス:そうかい?
キャロリン:もちろんだわ。他の仕事を探すべきだって、ずっと言ってるのよ。
ダグラス:本当に?
キャロリン:ええ!私、お給料が払えないことにうんざりしているの。マーティンは翼を大きく広げないと。
ダグラス:我々の翼は折りたたむのにかい?
マーティン:きみは僕が応募すべきではないと思うのかい、ダグラス?
ダグラス:いや、そうは言ってない。応募できる、ってことさ。結果はどうあれ、やってみろよ。あそこは一流の航空会社だがね。
マーティン:分かったよ。
ダグラス:つまり、立候補するのはいいことだ。ただ、私が思うに、初心者が帽子を投げる先としては、もう少し穏やかな所もあるんじゃないかな。
(カーテンの開く音)
アーサー:あの、母さん?
キャロリン:なに?
アーサー:ちょっと質問。みんなが一羽づつ食べられる、小さいチキンのこと知ってる?
キャロリン:ええ。
アーサー:あれはなんて名前?
キャロリン:プーサン(=ひなどり)よ。
アーサー:ああ。ベイビー・チキンじゃないんだ。
キャロリン:ええ。
アーサー:ああ。ねえ、みんな、間違いについてこの前話してたでしょ?
マーティン:なにしたんだ?
アーサー:間違いは誰にも起こることで、仕方がないことだって。
キャロリン:なにしたの?
アーサー:僕、ちゃんと伝えるべきだったんだ。ケータリングを注文するときに、メニューにベイビー・チキンってあって、あの小さいチキンのことだと思ったんだ。僕はあれが大好き、巨人になった気がするから。でもあれじゃなくて、これだって。
キャロリン:そう。飛行機に一晩閉じ込められた4人のために、あなたが準備したケータリングは、アーサー、チキン味のベイビーフード2瓶なのね。
アーサー:違うよ。これだけじゃない。ラム(=子羊)味のも2瓶あるよ。
ダグラス:ベイビー・ラムをなんだと思ったんだね?
アーサー:子羊はみんなベイビーだもん。
マーティン:それじゃ、朝食は?
アーサー:朝食は注文してないんだ。
マーティン:どうして?
アーサー:夕食でおなかいっぱいになると思ったから。
マーティン:もう!


(続く)


S4-4 Wokingham(後)

2013-07-13 07:21:04 | 日記
後半です。


 ↓



(ドアの開く音)
キャロリン:さて、では。帰国、準備、万端、なの?
ダグラス:うん。準備、完了。君は?全員、席に、つい、てる?
キャロリン:ええ。全員、座席、、もう!この、遊び、うん、ざり。
ダグラス:私も、同感。
キャロリン:私達、上手、すぎ、るの。引き、分け、にし、ない?
ダグラス:そう、すべ、きだ。うん。
(沈黙)
キャロリン:でも、君は、まだ、1音、以上、ある、単語、使う、こと、して、ない、のね。
ダグラス:君も、同様、にね。
キャロリン:ええ。
ダグラス:そう。では、どう、やら、王手、には、ほど、遠い。
キャロリン:ええ。でも、そう、なの?
(ピンポン)
ダグラス:おい!
キャロリン:良い、日を、皆様。我々、離陸、まで、あと、少し、です。でも、その、前に、少し、話を、その、、前で、帽子、被る、人物、から。
ダグラス:ああ。感謝、する。(インターコム)では。やあ、みな、さん。本日、搭乗、頂き、私は、大変、光栄、です。この、機の、短い、旅は、、、ここ、から、UK、まで。私の、名は、ダグ、、ス、ミス。私が、本日、皆様、と、飛行、しま、す。飛行、時間、は、約1、時間。そして、高度、は、、、大変、高い、です。では、これ、から、皆様、には、、先程、話し、た、人、から、の、機内、での、安全、設備、の、説明、を、聞い、て、くだ、さい。
キャロリン:あり、がと。こう、しま、しょ。前の、席に、ある、案内、を、読ん、で、くだ、さい。
ダグラス:ああ、


(ジグソーパズルの音)
マーティン:端っこがあったよ、アーサー。
アーサー:ありがとう、スキップ。
サイモン:(玄関先で)ハロー!ハロー!誰かいるかい?
ウェンディ:あら、サイモンだわ。サイモン!私たちはこっちよ。
(ドアの開く音)
サイモン:ママ!
ウェンディ:サイモンったら、来なくてもよかったのに。
サイモン:俺の大切なママが戦場で負傷したのに来なくてもいいって?俺を遠ざけようって魂胆だな。
マーティン:ここ5日間は、遠ざける必要すらなかったよね。
サイモン:マーティン!ここへ来いよ。
マーティン:いや、いいって、、
サイモン:大きなハグを!
マーティン:むむむ、、僕も会えてうれしいよ、サイムズ。
サイモン:いやいや、そんなんじゃないだろう。大きなハグだ。
ウェンディ:あら、かわいい!
マーティン:かわいくないよ。
サイモン:会えてうれしいよな。
マーティン:持ち上げないで!
サイモン:高い、高~い。
マーティン:やめろよ。
サイモン:ほ~ら!
マーティン:下ろしてくれ!
サイモン:空を飛ぶぞ。ほ~ら!
マーティン:下ろせよ。下ろしてくれ!
ウェンディ:まあ、あなたたちったら、楽しそうね。
サイモン:それで、ママ、どうして病気になったことを教えてくれなかったんだい?
マーティン:僕は教えたよ。
ウェンディ:だってあなたはとても忙しいから。
サイモン:仕事より母さんのほうが大事さ。世話する人が誰もいないのに、ここに寝かせておくわけにはいかない。
マーティン:「誰も」じゃないよ。
ウェンディ:そうよ。マーティンがよく看てくれて。
サイモン:本当かい?よくやったな、お前。
マーティン:ありがとう、サイモン。 ダメだよ、待った、
サイモン:じゃあ、ママ。明日朝一番に、俺の医者に診てもらえるよう、手配しよう。
ウェンディ:そんな必要ないわ。
マーティン:きみの医者?かかりつけがいるの?
サイモン:古き善きスマイリー先生さ、もちろん。
マーティン:え、ネイサン・スマイリー?学校の?
サイモン:その通り。覚えているか?
マーティン:もちろん覚えてるさ。僕のかばんを科学室の屋根の上に投げたヤツだ。彼は足病医だぞ。
サイモン:それに名医だ。
マーティン:狭心症のことは詳しくないと思うけど。
ウェンディ:マーティン。サイモンに任せましょう。一番いいと思うことをやってくれるわ。
サイモン:うん、これがきっと最良の策だ。だが意見を曲げないことはいいことだぞ、お前。よくやった。これからも頑張れ。
マーティン:ありがとう、サイモン。 ダメだって!


ダグラス:立ち向かえばいいじゃないか。
マーティン:やってみたけど、でも兄さんは強引だし、それにあの声と口ひげがさ。
ダグラス:口ひげがどうした?
マーティン:あんなもしゃもしゃした口ひげをはやしている人と口論するのは難しいんだ。
ダグラス:私なら試してみるがね。
マーティン:きみなら出来るさ。きみやキャロリンならね。でも残念ながら僕はきみでもキャロリンでもない。僕は僕なんだ。
ダグラス:確かに。だがきみは私とキャロリンを知っている。
マーティン:だから?
ダグラス:次の日曜に車でスタンステッド空港に行くだろう?途中でちょっと寄り道して、きみの母上のお見舞いに伺うってのはどうだい?全クルーが。制服姿で。
マーティン:うん、いいね。名案だよ!


(ドアベル。玄関ドアが開く)
アーサー:やあ、ウェンディ。僕だよ。
ウェンディ:いらっしゃい、アーサー。
アーサー:そしてこちらが母さん。
キャロリン&ウェンディ:はじめまして。
アーサー:母さん、こちらがマーティンの母さん。マーティンの母さん、こちらが僕の母さん。こう言うの、面白いね。そしてこちらがマーティン。もう知ってるよね。
(家の中へ)
ウェンディ:マーティン、あなたの制服姿。格好いいわね。それにその帽子も!
キャロリン:素敵な眺めでしょう。あ、キャロリンです。
キャトリン:キャトリンです。コートをお預かりしましょう。
キャロリン:ありがとう。
キャトリン:それからあなたの帽子も、マーティン。
マーティン:あ、いや。大丈夫だよ。
キャトリン:どうして?寄っていかないの?
マーティン:ううん。でも、その、、サイモンはまだかい?
キャトリン:いるわよ、中に。どうして帽子をとらないの?
マーティン:サイモン!
サイモン:やあ、お前か。中に入って来いよ。
マーティン:え、うん。でもここに来てくれれば、、
サイモン:お前がこっちに来るなら、俺が行く必要はないだろ。
マーティン:そうだね。 (キャトリンに)いいよ、帽子を受け取って。
キャトリン:あら、ありがとう。
サイモン:分かった、分かった。行くよ。そっちでなにのんびりしてるんだ?
マーティン:ああ、サイモン。 (キャトリンに)返して。早く返してよ!
キャトリン:何を返すの?
マーティン:帽子だよ。早く帽子を返して!
サイモン:マーティン。
マーティン:サイモン!やあ。こんな格好で申し訳ない。仕事に向かう途中なんだ。キャトリンが持っているのが僕の帽子だよ。
サイモン:へえ、そうか。ともかく、ハグは?
マーティン:いや、いいよ。制服にしわがよるから。僕の機長の制服にね。
サイモン:そうは思えんな。どう見てもそいつはポリエステルだ。ほら、おいで!
マーティン:持ち上げないでよ。お願いだから、持ち上げないで。
サイモン:高い、高~い!
(ドアベル)
ダグラス:この家でよかったかな?
マーティン:早く降ろしてよ!
サイモン:空を飛ぶぞ!
ダグラス:うん。間違いない。
ウェンディ:どうぞ入って。あの子たち、ちょっと遊んでいるの。
ダグラス:そのようですね。
サイモン:ほら、着地だ。
マーティン:えっと、その、こっちがウェンディ、キャトリン、そしてサイモン。こちらはダグラス。副操縦士(=ファースト・オフィサー)だよ。
ウェンディ:はじめまして。
キャトリン:ファースト・オフィサー?それって機長の上司?
ダグラス:いえ、違います。
マーティン:僕が機長だよ。知ってるだろう?僕が機長だ。
キャトリン:ええ、知ってるけど、あなたは彼より上のはずがないわ。
マーティン:僕が上なんだ。そうだろう、ダグラス?説明してやってよ。
キャロリン:ええ。是非。
ダグラス:ええ、彼は、彼は、私の、、彼は、その、通り。
キャトリン:あら。彼は上手なの?
ダグラス:ええ!彼は、最も、最も、上手、です。
マーティン:どうもありがとう、ダグラス。痛み入るよ。
ウェンディ:さあ、中に入って。お先にどうぞ、ミセス・ナップ=シャッピー。
キャロリン:あら、どう、か、私の、こと、は、、
ダグラス:なに?
キャロリン:キャと、呼ん、で。
マーティン:キャ?
キャロリン:ええ。キャ。短く、した、の。
ダグラス:なに?
キャロリン:遊び、で。短い、ほう、が、楽し、いわ。
マーティン:ああ、そんな。きみたちまだ、、
キャロリン:なに?全て、問題、なし、よ。
マーティン:オーケイ。きみたち2人、キッチンに来てくれるかい?


マーティン:まだあの遊びを続けてるんだね。
キャロリン:え?いえ。とん、でも、ない。
マーティン:やってるじゃないか。
ダグラス:何の、遊び?
マーティン:「ソーセージ」って言ってごらん。どっちか1人。
(沈黙)
ダグラス:私は、断る。
マーティン:僕を助けるって言ったろ?そのために来てくれたんじゃないか。一度でいいから兄の前で格好いいところを見せたかったのに、きみたちはばかげたゲームに執心してる!
キャロリン:両方、出来、るわ。
マーティン:いや、出来ない。きみたちの話し方は壊れたおしゃべりおもちゃみたいだ。
ダグラス:それ、は、少し、辛辣、だね。
マーティン:もうやめてよ。オーケイ、僕が恩赦を布告しよう。この家にいる間は、ゲームは中断する。いいね?
キャロリン:いい、わよ。
ダグラス:私も。
マーティン:よかった。ありがとう。
ダグラス:よし。では、部屋、に、戻る、かい?
キャロリン:ええ、是非。
マーティン:ちょっと待った。「ソーセージ」って言って。
キャロリン:君が、先に。
ダグラス:いや。君、から。
マーティン:まったくもう!一緒に言うんだ。3つ数えるよ。1、2、3、、(沈黙)頼むよ、本気で!1、2、3、
キャロリン&ダグラス:ソーセージ!
マーティン:ありがとう。
キャロリン:やれやれだわ。国教廃止条令反対論。
ダグラス:素晴らしい!では玄関ホールでの家族の集いに再度加わることにしようか?
キャロリン:確実にね。


ウェンディ:問題ない?あなたたち、お仕事だったら行ってちょうだい。
マーティン:いや。いや。もう大丈夫だよ。
キャトリン:なにを言い合っていたの?
マーティン:なにも。ちょっと、航空関係の手続きについて検討していたんだ。
サイモン:そうか。でもこっちでは、きみたちが「ソーセージ」って叫んでいたように聞こえたぞ。
キャロリン:ええ。ケータリングの手配に関して、ちょっとした手違いが。でもマーティンが解決してくれましたわ。
ダグラス:いつものようにね。
サイモン:どんな問題?
マーティン:問題は、、問題は、次のフライトでどんな食事を出すべきかで。その解決策が、ソーセージさ。
サイモン:ああ、でも、どうかな、マーティン。俺ならもう一度考えるがね。お前はユダヤ教の人たちのことを忘れてるぞ。
マーティン:忘れてないよ。ビーフ・ソーセージなんだ。
サイモン:ああ、だが、ヒンズー教の人がいたらどうする?彼らは牛肉は食べられない。ダメ、ダメだな。俺が思うに一番いいのは、
マーティン:いや、ヒンズー教の人はいないんだ。大丈夫だよ!
ウェンディ:きっとそうでしょうね。でも、サイモンの考えを聞いてみてはどう?
マーティン:ダグラス!
ダグラス:で、サイモン。さっきはちゃんと自己紹介できなかったが、私はダグラス。マーティンの副操縦士です。彼の部下。彼の副司令官。
サイモン:はじめまして。こう言ってはなんだが、あなたのほうがこのマーティンよりも、私が想像するパイロットらしく見えますな。
ダグラス:本当に?そちらは私の想像通りの郡議会管理者らしく見えますよ。
サイモン:実は、上級管理者です。
ダグラス:ああ、本当に?上級。すごいな。
キャロリン:いろんな経験を積んでらっしゃるんでしょうね。
サイモン:まあ、そうですね。2、3の物語はありますよ。
ダグラス:是非聞かせてください。
(沈黙)
サイモン:あの、、だが、仕事の話はあまり、ね。
キャロリン:ええ。でもしていただけたら嬉しいわ。ずっとお話をお聞きしたかったの。先日マーティンからあなたのことを伺って。あれはモンテカルロ上空を飛んでいたときね。
ダグラス:モンテカルロだったかな、キャロリン。ウガンダじゃないか?
キャロリン:あら。そうだったわね。素敵なカメラマン達を、マウンテンゴリラの撮影のために乗せたんだったわ。
ダグラス:申し訳ない。あの旅行はあまり記憶に残らなくて。
キャロリン:ええ。でもサンクトペテルブルグは別よ。そこでは、離陸の時に鳥がぶつかって、マーティンが、エンジン1つだけで着陸させたの。
ダグラス:うむ。
ウェンディ:マーティン、あなたが?
アーサー:うん。彼、最高だったよ。
マーティン:まあ、あれも仕事のうちさ。
ダグラス:そう、私の仕事でもあったんだが、すっかり気が動転してね。
キャロリン:泣いちゃったのよね。
ダグラス:それを認めることを恥とは思わない。
キャロリン:女学生みたいに。
ダグラス:もう充分だよ。だがここにいるマーティンは、私の頬を叩いてバカなまねはよせと言い、たった一人で飛行機を操縦して、横風と戦いながら、凍結した滑走路に着陸して、我々全員の命を救ったんです。
ウェンディ:マーティン!
キャトリン:すごいじゃない!
ダグラス:あ、申し訳ない。話が横道にそれてしまった。あなたのお話を聞かせていただくところでしたね、サイモン。
サイモン:え、ああ、そうですね。話してもいいんですが、、でも、止めておきましょう。職業上の秘密でして。
キャロリン:もちろんですわ。
ダグラス:それ以上おっしゃらずに。


キャロリン:お会いできてよかったわ、ウェンディ。長くいられなくてごめんなさい。
ウェンディ:いえ、いえ。来てくださってありがとう。
(ドアの開く音)
ウェンディ:皆さんに会えて嬉しかったわ。
アーサー:じゃあね、ウェンディ。
ウェンディ:バイバイ、アーサー。 じゃあね、マーティン、さようなら。
マーティン:さよなら、母さん。水曜に来るね。
ウェンディ:ええ。あなたがイカロスのこと話してくれて、本当に嬉しかった。
マーティン:ありがとう、母さん。僕も、、イカロス?
ウェンディ:ええ、そういう名前でしょう?イカロス運送。
マーティン:うん。でも僕、名前は教えてないよ。
ウェンディ:そう?あなたから聞いたと思ったけど。
マーティン:ううん。
ウェンディ:あら、そう。
マーティン:知っていたんだね?
ウェンディ:その、実を言うと、マーティン、私は機械オンチだけど、でも自分の息子の名前をタイプして、グーグルで検索することは出来るわ。
マーティン:他の2人はどう?彼らも知ってるの?
ウェンディ:どうかしら。私、ええ、きっとね。知っていると思うわ。ええ、知ってます。
マーティン:2人から言われたことはないけど。
ウェンディ:当然よ。あなたが話したがらないから、2人も黙っていたの。あの子たち、あなたのことが好きなのよ、マーティン。特にサイモンは。だから、、彼にあんなこともうしないでちょうだいね。1度で充分よ。
マーティン:あんなことって?どういう意味?
ウェンディ:あなたのお友達に会えてよかったわ。じゃあね。愛してるわ。
マーティン:、、僕も愛してるよ。


ダグラス:問題ないかね?
マーティン:ああ、うん。そう思う。ねえ、僕たち、サイモンに対して厳しすぎたかな?
ダグラス:とんでもない。
キャロリン:そう思わないけど。なぜ?後悔してるの?
マーティン:えっと、うん、少しね。でも、同時に、すごくよかったよ!ごめんね。いけないことだと分かっているけど、でも、すごくいい気分!本当にありがとう。
キャロリン:どういたしまして。気持ち、分かるわ。その、ルースを知っているでしょ?あの人といると、5歳の頃の気分になるのよ。
マーティン:そうだね。彼のあの口ひげがなければ、僕、なんとか対処できると思うんだ。
ダグラス:きみは口ひげを重要視しすぎると思うがね。
キャロリン:やった!口ひげ!
マーティン:え?
キャロリン:3音節よ。私の勝ち。
ダグラス:でも今はゲームしてない。停戦中だ。
キャロリン:いいえ、違います。「この家にいる間は」。それが停戦の条件よ。
ダグラス:だがきみは家を出てからも、長い単語を使っていたぞ。
キャロリン:そうかしら?ルー、スが、私を、5歳、の、頃の、気分、に、させ、る事?いいえ、あれは罠だったの。あなたは見事に引っかかったわね、副操縦士のヘッフォラン象さん。
マーティン:オーケイ。次は僕の番だ。機内ではちゃんとやってなかったからね。
アーサー:ちょっと待って。僕は全然やってないよ。
ダグラス:きみもやってみたいのか、アーサー?
アーサー:もちろんだよ。
ダグラス:いいだろう。それでは、今から、始め。
アーサー:ブリリアント!
ダグラス:簡にして良。

 (エンド・クレジット)




S4-4 ウォーキンガム(前)

2013-07-12 06:38:13 | 日記
と、その前に。
前回の続きですが、カンバーバッチ氏の「声のお仕事」に興味をお持ちの方へ。
来週、BBC RADIO4で、ドラマの再放送があるようです。要チェック!


そして、以下はCabin Pressureのシリーズ4第4話 WOKINGHAMです。
ここからは、番組を聞いた後でご覧ください。

 ↓

このエピソードを訳すときに一番悩んだのは、やっぱり「一音節言葉ゲーム」。
私の日本語では面白さが全然伝わらない…。 
先にお詫びします。ごめんなさい!

 ↓



(テーマ曲)
 今週は 「ウォーキンガム」


マーティン:燃料バランスは?
ダグラス:見事に完了。
マーティン:ありがとう。
(ドアの開く音)
キャロリン:操縦室のサービスベルが故障したの?
マーティン:いや、問題ないと思うけど。
キャロリン:でも鳴り続けてるわ。
ダグラス:ああ。鳴らしているんだ。
キャロリン:では鳴らすのを止めなさい。
マーティン:でもいつもアーサーに頼みごとがあるときは鳴らして、、
キャロリン:そうね、でもアーサーはここにはいません。アーサーがここにいないときは、操縦室のサービスベルは単なる鑑賞用の装飾になるのよ。
マーティン:でも、僕たち、本当にほしいものがあるときは、、
キャロリン:ダメ、ダメ、ダメです。あなたに一音節の言葉で説明しましょう。
ダグラス:お、いいね。さあ、始めて。
キャロリン:君達、触る、こと、不可、です。その、サービス、ベル、に。但し、
ダグラス&マーティン:あ!
マーティン:「サービス」 2音節だよ。
ダグラス:残念でした。だが努力は認めよう。
キャロリン:ゲームじゃないのよ。
マーティン:僕、なら、でき、るよ。なお、長い、時間。
ダグラス:よし、やれ。何を、張る?
マーティン:そう、、だね。例えば、
ダグラス:それが何にせよ、きみは今、負けたよ。オー、ケイ、私の、番だ。
マーティン:何の、番?
ダグラス:良い、試み、だな、友よ。だが、君は、私を、騙せ、ない。そう、
マーティン:そう?
ダグラス:そう、安直、には。
(無線)
ダグラス:おは、よう。MJN、です。何か、御用、です、か?
アーサー:やあ、ダグラス。僕だよ。母さんいる?
キャロリン:ええ、ここにいるわよ。今日は何をしでかしたの?
アーサー:何も!何もしてないよ。ただ、その、ちょっとした偽善的質問があるんだ。
キャロリン:あらまあ。そうなの?
アーサー:まあね。仮に何かが起こったとして、
キャロリン:あなた、何をしたの?
アーサー:違う!何もしてない。僕のせいじゃないよ。それに、もしかしたら、何も起こらなかったのかも。えっと、でも、もし、何かが起こったとして、でもそれに対しては、みんなが帰ってくるまでなにもできないとしたら、僕は、今、話すべきかな?それとも着陸するまで待つほうがいい?
キャロリン:それって私のこと?
アーサー:何かが起こったって言ってるんじゃないんだ。僕が言っているのは、もしも、、
キャロリン:ええ、そうね。あなたはとんでもなく狡猾だったわ。さあ、正直に話しなさい。
アーサー:オーケイ、分かった。えっと、スキップ、きみのお母さんから電話があって、
マーティン:うん?
アーサー:そうなんだ。でね、基本的に、一番言いたいことは、心臓発作は起こしてないって。
マーティン:母さんが心臓発作を!?
アーサー:違うよ!僕が言ってるのは、その、それは本当に大間違いだよ、スキップ。心臓発作じゃないんだ。
マーティン:どういうこと?母さんに何があったの?
アーサー:心臓発作じゃないよ。はっきりそう言ってた。
マーティン:母さんはどこにいる?
アーサー:オーケイ。えっと、どこにいるか話しても、スキップ、心配しすぎないでね。だって、今いるのは、
マーティン:病院にいるのか?
アーサー:どうして分かったの?
マーティン:あと3時間で行くと伝えてくれ。



マーティン:母さん、大丈夫?
ウェンディ:ああ、マーティンったら。わざわざ来てくれなくてもよかったのに。(キス)私はまったく大丈夫よ。騒ぐようなことじゃないの。あら、いやだわ。あなた、制服姿じゃない。職場から直接ここへ来たの?
マーティン:もちろんそうさ。
ウェンディ:そんな必要ないのに。お仕事の途中で来たんじゃないでしょうね?
マーティン:、、うん、違うよ。飛行機は着陸させたから。
ウェンディ:よかった。
マーティン:そんなことより、何があったの?
ウェンディ:本当になんでもないの。
マーティン:ちょっと救急車に乗ってみたかったとか?
ウェンディ:いいえ。私は救急車はいらないって言ったのに、周りが大騒ぎしたのよ。私はちょうど王立救命艇協会の後で椅子を片付けていて―いい集まりだったのよ、マーティン。40ポンドも寄付があって、
マーティン:うん、それは素敵だね、母さん。でも今は、病院に来ることになった経緯に集中してくれないかな。
ウェンディ:ええ。片付けが終わったときに、ちょっと息切れがしたの。それだけよ。なんだか心臓が少しずぎずきしてきたから、それで、
マーティン:そ、それって胸が?胸の痛み?
ウェンディ:そんな風じゃないのよ、「ああ、胸が痛い!」みたいな。正直言って、マーティン、静かに座っていれば治まったのに、でもあの騒ぎ屋さんのサンドラが救急車を呼んじゃって。正直、救急車よ!私のためになんて、想像できる?
マーティン:うん、うん。できるよ。
ウェンディ:でも本当に必要な人がいたらどうするの?
(足音)
キャトリン:母さん! 大丈夫?
ウェンディ:あら、キャトリン。あなたまで。来てくれなくてもよかったのに。
(キス)
キャトリン:もちろん来るわよ!ハイ、マーティン。
マーティン:ハイ、キャット。
ウェンディ:まあ、あなたも制服姿じゃない。あなたも職場から直接来たの?
キャトリン:もちろんそうよ。
ウェンディ:でも勤務シフトは済ませた?
キャトリン:いいえ。母さんが病院にいるからってみんなに言って、私、
ウェンディ:あら、ダメよ。マーティンはちゃんとシフトを終わらせてから来たわよ。
マーティン:母さん。僕の仕事は、途中で止めるわけにいかないんだ。
ウェンディ:さあ、キャトリン、戻ってお仕事を済ませなさい。私は平気だから。
キャトリン:私がいなくてもみんなやっていけるわ。母さん。
ウェンディ:ダメよ。
マーティン:母さん。本当に大丈夫だよ。
キャトリン:それってどういう意味、マーティン?
マーティン:え?なんでもない。同意しただけさ。
キャトリン:同意って、私の仕事はたいしたことがないってこと?
マーティン:違うよ!ただ、交通監視員がちょい減っても、たぶんウォーキンガムはなんとかやっていけるだろうって意味さ。
キャトリン:「少し」よ。きっとあなたは不可欠な存在なんでしょうね。
マーティン:そんなこと言ってない。
ホワイト先生:ここは問題ありませんか、ウェンディ?
ウェンディ:ええ、ありがとう、ホワイト先生。お詫びしますわ。子供たちが口げんかしていて。
キャトリン:口げんかじゃないわ。
マーティン:子供じゃないよ。
ホワイト先生:ええ。はじめまして。ご足労いただきすみません。パーティから抜け出していらしたですね。
キャトリン:なんのパーティ?
マーティン:あ。いえ、これは、、本当に僕たちの仕事なんです。
ホワイト先生:なるほど、そうですか。で、ウェンディ、良い知らせは、心電図と血液検査の結果は良好です。心臓発作ではなかったようですよ。
ウェンディ:ほらね!そう言ったでしょ。
ホワイト先生:どちらかというと狭心症の疑いがあります。確実を期すために、数日入院して、
ウェンディ:いえ。ダメよ。
ホワイト先生:1週間もかかりませんよ。その間に精密検査を。
ウェンディ:本当に結構ですわ。私は大丈夫よ。家に帰ってもいいでしょう?
ホワイト先生:そうですね、外来患者として通院してもらえれば。自宅で、どなたか、世話の出来る人はいますか?
ウェンディ:自分で面倒見ますわ。
キャトリン:ばか言わないで。私たちが世話するわよ。ねえ、マーティン?
マーティン:えっと、うん、た、たぶんね。それにサイモンもいるし。
ウェンディ:あら、そんな。サイモンを煩わすなんて。
マーティン:煩わすんじゃないよ。僕たちみなで、
ウェンディ:いいえ。私、本当にサイモンに迷惑を掛けたくないの。彼のお仕事はとても大切なんだから。
キャトリン:私の仕事も大切よ。
マーティン:そうだよ。それに僕の仕事は実際大切なんだ。
キャトリン:実際ってどういう意味?
マーティン:僕たちの仕事も重要ってことさ。サイモンと同じように。
ウェンディ:でもサイモンは政府のために働いているのよ。
マーティン:郡議会だよ!
ウェンディ:ええ、その通り。


(ドアが開く)
キャロリン:こんにちは、運転手さんたち。あ、運転手さん。あとどのくらい?
ダグラス:約3時間。
キャロリン:そう。(沈黙) まったく、あなただけだと、ここって退屈ね。
ダグラス:私が言おうとしていた事だ。
キャロリン:なにかゲームはないの?
ダグラス:ないだろうね。あるのは一音節言葉くらいだ。
キャロリン:ああ、そうね。あなた、すごく下手だったわ。
ダグラス:そんなことない!
キャロリン:でもあなた、アクシデントって言ったわ。
ダグラス:おい、待てよ。あのときはゲームしてなかった。
キャロリン:言い訳ね。
ダグラス:きみは文章ひとつまともに言えなかったんだぞ。
キャロリン:あれは遊びじゃなかったわ。
ダグラス:そう、かい。なら、君は、今は、より、良く、出来、ると?
キャロリン:私は、より、より、良く、出来、ると、思う、わ。
ダグラス:よし。では。同じ、時に、初め、よう。先に、2つ、以上、音の、言葉、話し、たら、負け、だよ。
キャロリン:了解、だわ。君が、負け、ます。
ダグラス:先と、同じ。私が、言お、うと、して、いた、事だ。
キャロリン:ほら!
ダグラス:なに?
キャロリン:もう!!


(お湯の沸く音)
マーティン:母さん。紅茶いる?
ウェンディ:私がいれるわ。
マーティン:ダメだよ。来なくていい。僕がいれるから。
(台所のドアが開く)
ウェンディ:あら、私でも出来るわよ。行って座ってなさい。
マーティン:本当にダメだよ、母さん。これじゃ世話してることにならない。
ウェンディ:私は大丈夫よ、本当に、
マーティン:分かってる、マラソンだって出来るよね。でも紅茶はどうだい?
ウェンディ:ええ、そうね。もしあなたが作っているのなら。
マーティン:今作ってるよ。これは絶対の既成事実だ。
ウェンディ:なら、いいわ。
マーティン:よかった。今でもミルクに砂糖を1つ?
ウェンディ:なんでもいいのよ、出来たもので。
マーティン:でも母さんの好きなように、、分かった。
ウェンディ:私のは端の欠けたマグに入れてね。
マーティン:う、うん。それも可能だけど、でも、2人とも欠けてないマグを使ってもいいんだよ。
ウェンディ:私は欠けていても気にしないわ。
マーティン:うん、そうだろうね。でも、、分かった。はい、どうぞ。すでに作ってある、なんでもいい紅茶が、欠けたマグに。母さんの希望通りだよ。
ウェンディ:あなたは本当に優しい子ね。あら、マーティン。コーヒーを飲んでるの?
マーティン:そうだよ。
ウェンディ:私もコーヒーでよかったのに。
マーティン:母さん。問題が2つあるよ。母さんはコーヒーが好きじゃないし、コーヒーを飲むのは医者から禁じられてるんだ。
ウェンディ:きっと大丈夫よ。
マーティン:ああ、絶対大丈夫さ!でも母さんは気にいらないだろうし、それに、心臓発作を起こすかもしれないんだよ!
ウェンディ:ごめんなさい。
マーティン:ううん、母さん、僕が悪いんだ。怒鳴ったりして。ごめんね。
ウェンディ:いいえ、私のせいなの。謝るのは私。ただ、迷惑をかけたくなくて。それだけよ。
マーティン:分かってる。それが一番の皮肉なんだ。


マーティン:(あくび)おはよう、キャロリン。
キャロリン:おはよう、おめめパッチリさん。あなた、大丈夫?
マーティン:んん?大丈夫だよ。
キャロリン:ダグラスはどこ?
マーティン:彼はちょっと、(あくび)、彼はちょっと、(あくび)、彼はちょっと、
(ドアの開く音)
ダグラス:おはよう、マーティン。
マーティン:ほら、来たよ。
ダグラス:ああ。良い、日を、君に。
キャロリン:良い、日を、君も。
マーティン:なにしてるの?
ダグラス:あの、嫌な、遊び。我々、の、会話、一つ、言葉、しか、使え、ない。
マーティン:まだあのゲームを続けてるのかい?
キャロリン:二日、目よ。実は、私達、この、遊び、得意、みた、い。でも、これ、では、仕事、出来、ない、わ。
ダグラス:よし。彼に、言え。私は、外で、、機を、見る、仕事、する、男に、なる。
(ドアの閉まる音)
キャロリン:やっと一息つけるわ。さあ、マーティン、ブリーフィングよ。マーティン。マーティーン!
マーティン:ああ、うん。ハロー。僕、起きてるよ。
キャロリン:マーティン。あなた、操縦できるの?
マーティン:うん、大丈夫。ただ、その、、(あくび)、母さんと過ごした6時間はちょっと大変だったし、そのあとの6時間はヴァンの仕事。そして僕はこれから飛行機を飛ばすんだ、どこかへね。
キャロリン:いいえ、ダメです。帰って寝なさい。今日のフライトはダグラスと私で出来るわ。ねえ、あなた、ご家族に話すべきよ。
マーティン:無理だよ。みんな、フライトがないときは、僕が母さんの面倒を見ることができるって思ってる。イカロス運送のことは誰も知らないんだ。
キャロリン:話しなさい。
マーティン:話せないよ。僕がパイロットになったことでみんな感心してくれたんだ。なのに、実は生活費は父さんの中古のヴァンで稼いでるなんて、どうやって伝えればいいの?
キャロリン:分からないわ。でもいずれ方法を見つけないと。でも、今のところは、別の解決策があるわよ。
マーティン:なに?
キャロリン:あなたのお母様は、話を聞いたところ、助けが必要なのに助けをほしがらない、確固たる意思の持ち主のようね。
マーティン:その通り!
キャロリン:ではどうぞご自由に、私たちの圧倒的な力を使っていただきましょう。人を助けることが大好きで、人がそれを望んでいるかどうかまるで気がつかない人物よ。


(ドアベル)(ドアが開く音)
ウェンディ:どなた?
アーサー:こんにちは!ミセス・スキップですね?
ウェンディ:いえ、違うわ。きっと別の家の、、
アーサー:あ、ごめんなさい、ミセス・クリーフだ。こんにちは!僕はアーサー。スキップが言ってたけど、僕が来るのを待ってたんですって?
ウェンディ:そうじゃないの。他人様の手を煩わせたくないって言ったのよ。私は本当に、本当に大丈夫だから、
アーサー:やった!入っていいですか?
(アーサー、家の中へ)
ウェンディ:あら、ええ、もちろんよ。紅茶かなにか出しましょうね。でもあなたは、
アーサー:最高!僕が作ってもいい?
ウェンディ:そんな、ダメよ。あなたは座っていて。私が作るわ。
アーサー:うん。でも僕が作ってもいいでしょ?僕、紅茶やコーヒーをいれるのが上手なんだ。僕の一番の得意技だよ。それとも、ミニゴルフかな。
ウェンディ:そう。それならたぶん、、
アーサー:やった!えっと、まっすぐこっちだよね?(台所へ向かう)あ、それに僕、ボグルと、ゲス・フー、コネクト・フォーとカプランクを持ってきたよ。
ウェンディ:それって、、ラッパーの名前?
アーサー:ううん。ゲームだよ。
ウェンディ:ダメよ。本当に、あなた、私のために時間を無駄にしなくてもいいのよ。
アーサー:そんなことないよ。僕、ゲームが大好きなんだ。でも誰も一緒に遊んでくれないんだ。
ウェンディ:あら、そうなのね。でも私は、上手じゃないかもしれないわ。
アーサー:もしそうなら最高だよ。だって、僕はすごく下手なんだもん。他にもね、ジグソーパズル2つ、言葉探しパズルの本、それから、引き出しからケーブル線を持ってきた。
ウェンディ:ケーブル?どうしてそんなの持ってきたの?
アーサー:他のと一緒に出てきたんだ。でね、このこんがらがった線を外すのって楽しいかなって思って。


キャロリン:さて、私の、息子、不在、中は、私が、飲む、物を、作り、ます。何か、飲み、たい?
ダグラス:親切、だね。有り、難い。
キャロリン:紅茶?
ダグラス:いや。所望、する、のは、(沈黙)紅茶、では、ない、ほう。
キャロリン:紅茶、では、ない、ほう。って、何の、こと?
ダグラス:君は、存じ、てる、はず、だよ。
キャロリン:麦酒!あら、ダグ。ダメ、です。飲酒、禁止。
ダグラス:麦酒、では、ない。
キャロリン:葡萄、酒ね。これ、また、ダメ、です。友人、さん。
ダグラス:葡萄、酒は、いら、ない。熱い、飲み、物を、所望、する。豆で、作る、もの。例え、ば、ゴー、ルド、ブレ、ンド。
キャロリン:何の、事か、理解、する、わ。でも、君の、口から、名前、言及、して。誤解、ない、よう、に。
ダグラス:了解。紅茶、で、いい。


アーサー:これはきみのヒゲかな、ウェンディ?
ウェンディ:違うと思うわ。あなたの尻尾じゃない?
アーサー:あ、そうだね。うん。
(玄関のドアが開く音)
マーティン:ただいま。母さん?
ウェンディ:あら、マーティン。おかえりなさい。私たちはここよ。
(ドアの開く音)
マーティン:わぁ、忙しかったようだね。
アーサー:やあ、スキップ!ウェンディと僕はジグソーパズルが得意だって分かったんだ。そうだよね、ウェンディ?
ウェンディ:あなたは上手だわ、アーサー。
アーサー:ウェンディが上手なんだ。僕が持ってきた2つを完成させたから、今は、両方のピースを混ぜて、一緒に作っているんだ。
マーティン:それで一つの大きなパズルに?
アーサー:うん、そうなればいいなと思ったんだけど、無理みたい。さっきと同じ絵になってきたよ。手伝いたい?
ウェンディ:そんなことしなくていいのよ。
マーティン:でもやりたいんだ。
アーサー:やった!端っこのピースは僕にちょうだい。僕は基本、端っこ屋なんだ。
(ジグソーパズルの音)
ウェンディ:車はどこに停めたの?
マーティン:角を曲がったところ。
ウェンディ:あら、そんなのダメよ。うちの前に持ってきなさい。そのほうが安全よ。
マーティン:ウォーキンガムのみすぼらしい通りよりも安全だって?
ウェンディ:ええ。
マーティン:大丈夫だよ。
ウェンディ:あなたのほうが詳しいわよね。
マーティン:実を言うと、母さん、僕の車で来たんじゃないんだ。
ウェンディ:そうなの?
マーティン:うん。僕は、、えっと、ヴァンで来たんだ。父さんの古いヴァンだよ。
ウェンディ:あら、本当に?まだちゃんと走るの?
アーサー:うん、最高だよ。僕たち一度、ほとんどデヴォンに行ったんだ。
マーティン:うん。実はね、母さん、本当言うと、僕は、ヴァンを仕事に使ってるんだ。フライトの合間にね。その、配達とか引越しとか、運び屋みたいな。僕は運送の仕事をしている。
ウェンディ:あら、マーティン、素晴らしいわ!
マーティン:、、そう?
ウェンディ:もちろんよ。だって、自営業みたいな感じでしょ?
マーティン:うん、、そうだろうね。
ウェンディ:あなたのお父さんが聞いたらきっと喜ぶわ。
マーティン:本当に?
ウェンディ:ええ!あの人はいつもあなたがヴァンを持つべきだって。ここだけの話、サイモンがずっとほしがっていたんだけど、あなたのお父さんはこう言ったわ。「あの子は1月もすれば興味を無くすし、オイル交換も車検の更新もしないだろう。マーティンが持つべきだ」って。それを使ってあなたは自分の仕事をしているのね。あの人、すごく誇りに思うでしょう。
マーティン:そうだね。それにもちろん、僕は飛行機のパイロットでもある。
ウェンディ:あ、そうね、ええ。それも喜ぶわ。


 (続く)