新・仏像ワンダフル!

千年の時を超えて仏像との新しい出会い
いやいや街を見渡せばよく似た人がいたような・・

弥勒仏倚座像  ネパール  12世紀(ダークリー時代)

2012-09-03 11:09:52 | 旧仏像ワンダフル

インドに比べて馴染みが少ないネパールの 弥勒如来像です。 

南はインド、北はチベットに囲まれ、 すぐ近くにあの幸せ指数の国ブータン

もあり、世界最高峰のエベレストを擁した ヒマラヤ山脈のある国です。

23cmの青銅製のこの像は でも日本でも見たことがあるような

気がしませんでしたか?

中宮寺の弥勒菩薩半跏思惟像にとても似ている印象を受けます。

インドは動的な仏像が多かったのですが こちらはより深い想念に

軸を置いた 静かな世界です。

 両足を椅子に座ったように前に伸ばす 倚座像も

日本ではあまり見られませんね。

薄衣のシンプルさがそのあっけらかんとした 所作を際立たせて、

ちょっと急所に対して 無防備ではないかと気になるところが

異国情緒ですね。


シヴァ神 インド・タミルナードゥ州  12世紀(チョーラ時代)

2012-09-01 15:14:44 | 旧仏像ワンダフル
破壊と創造で知られるちょっと怖いイメージの
シヴァ神ですが、本当は舞踏の名手でナタラージャ
すなわち舞踏王とも呼ばれていたんですね。

青銅のこの像は渋く深緑に光っていてこんな
彩色ではもちろんありません。

が、この躍動する手足をみておくんなまし、
右手には創造を象徴する太鼓を持ち、
左手には人間の過ちを焼き尽くす
火炎をもっています。

何よりも目を見張るのは、踊る空気を含んで
左右にたなびく髪の毛でしょう。
ここが雲でないところがいいですね。
異国情緒です。

そして言われないとわからない、向かって左側の
髪の毛の中には飛天のように手を合掌した
小さな仏様がいるんですよ。

おおらかなのに芸が細かいですね~