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双極性障害に大勝利

2004年11月05日 | Weblog
10歳の少女「H」は不機嫌でイライラした朝を迎えた。このセンターにやってきた時も彼女は壁を叩いたり、時には母親を叩いたりして暴れていた。

「最初の精神科医はさじを投げました。私に言ったんです『この状況は救いがたい』」と母親は振り返った。絶望の淵に立たされた家族にも諦めずに救いの手を差し伸べた人物がいた。彼の名前は「スティーブ」

双極性障害が幼い年齢で発症することは稀である。母親によれば初めて異変に気付いたのは彼女が僅か1歳の時だった。家族の発見と対応は速かったが、母親と彼女は何件もの病院を歩き回るはめになった。どの医者も彼女が何の病気なのか診断出来なかった。唯一母親だけが「この子は双極性障害では?」と感じていた。

何も解決策が見つからないどころか「H」の言動は年齢を重ねるに連れて激しくなった。他人を傷つけ、自分を傷つけ、時には道路に飛び出す行為もみられた。彼女が9歳の時に初めて入院。入院回数は6回に及んだ。

「H」が10歳の時、両親は窮地に立たされた。医療面の問題もあったが、金銭的な面で限界がきたのである。残された選択はただ1つ「諦める」ことであった。しかし、諦めてすぐ彼女は双極性障害と診断されたのである。家族は喜び、双極性障害のための治療を1からはじめた。

現在彼女は19歳。高校を卒業し、現在は販売員として問題のない生活を送っています。

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正しい診断と正しい導きを。医者だけでなくセラピスト、そして家族、本人にも基本的なことですが重要なことです。約一ヶ月前に「PTSD」の誤診(PTSDでないのにPTSDと診断する)が非常に多いというニュースがありました。医者も報道などで頻繁に見聞きする病気に対して敏感になると思います。もしかしたら「適応障害」の診断がここ一ヶ月で急増している可能性もあります。

「正しい診断と正しい導き」基本だけど難しい問題なのかもしれません。

HealthDay「A Small Triumph Over a Mental Illness」より

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