みなさん、はじめまして!
わたしは妖精の国「ジュエルガーデン」からやってきた見習い妖精リリカよ。
一人前になる最後の試験が、人間を一人幸せにすること。
わたしに課せられた試験、それがせいこだったの。
せいこを運命の人と出会わせて、幸せにするのがわたしの仕事。
でもわたしがドジなせいで、なかなかせいこを幸せにしてあげられないの。
それになんと今日はお店に泥棒が入ったらしく、ベッドでシクシク泣いてるの。
見かねてわたしが日記を書いている次第よ。
ああ見えてせいこって繊細じゃない?
きっとすごく傷ついていると思うの。
本来ならわたしの魔法でハッピーにしてあげられたらいいんだけど、目的以外に魔法を使うことは見習い妖精には禁止されているし。
いまこうやって日記を書いていることも、ジュエルガーデンの女王様に見つかったら、きっときついお仕置きをされちゃう。
でも落ち込んでいるせいこをほっとけないの!
わたしの魔法がつかえない代わりに、みなさんの愛でせいこをハッピーにしてあげてください。
もちろんわたしだってせいこが好きな人と結ばれるようにがんばる。
だって、わたしがせいこと知り合ってもう10年以上。
いい加減わたしも試験に合格しないと、いくら妖精の寿命が長いといっても、これだけ落第している妖精も珍しいもの。
だからぜひ励ましにお店に行ってあげてください。
せいこは強がって笑うだろうけど、その笑顔が本当の笑顔になるように、たくさんチェックを払ってあげてください。
せいこは所詮お金が好きなただの守銭奴だから。
まったくぅ、人を好きになるつもりもなく、いつまでもお姫様気質な上、待ち子。
40歳越えてよ、信じられる?
わたしが試験に受からないのも当然よね。
やだ、愚痴っちゃった。
ぜひ励ましてあげてくださいね。
ああ、もう時間が・・・・・・・・・・・。