虹はでないようだ

今年最後のマイブームにしようと思っている横溝正史の獄門島の再放送を観ていると、雷音と共に突然激しいスコールが窓ガラスを打ち始めた。
ドラマの後、買い物に出かけようと思っていたので、そのあまりの激しさに面倒くささを覚えながらもお馴染みのストーリーに見入っていると、太陽の光が窓から差し込んできた。
「な～んだ、通り雨やったんや」
ＣＭ中にその事実を確認するように、窓のまえに立つと外は雨。
でも太陽は輝いている。

「狐の嫁入りや」

もう何年見てなっかたんだろう。
子供の頃は狐の嫁入りになると、近所中の子供が騒ぎ出して、みんなベランダに出たものだ。
今日の嫁入りはすごい。
かなりの雨が降っているにもかかわらず、向こうの空は晴れ上がっている。
こんなのを見たのは初めてなような気がする。

今夜は天候が荒れるらしい。
この瞬間を境に天気が変わるのだろう。
なんだか不思議な気分だ。

狐は嫁入りが出来るのに、僕は出来ない。
雨の日に雪が降るようなことがあったらその日は
「そういちの嫁入り」
そうしよう。

くだらない事を書いていたらまた天気がおかしくなってきた。
今から本屋へいって、横溝作品と雑誌を買いにいかなくてはいけないので出かけよう。
急に風も強くなってなってきた。
淋しい夜になりそうだから、小説を読みふける夜にしてしまおう。
さてさて、どんな殺人事件を読むことにしようかな