スタッフのつぶやき

CIL東大和のスタッフが徒然なる日常をつぶやきます。時にズバっと斬りこみます!

先人たちに続いて・・・

2015-03-12 21:52:39 | インポート
eです。

今日、アメリカ大使館で、
「Lives worth living」という映画を見ました。

これは、ADA(障害を持つアメリカ人法)
という法律が成立するまでの、
障害者運動のドキュメンタリーです。

私は1999年に、
短期語学留学でカリフォルニアに1か月半住んでいましたが、
日本にいる時と比べると、
自分が障害者だということを
忘れてしまうような感覚がいつもありました。

「あなたはどうしたいの?」

といつも聞かれ、

「こうしたい」

という希望を最大限実現できるように配慮してくれました。

例えば、フィールドトリップで、ちょっと遠出をするとき、
現地までの移動手段として、
私にクラスメイトとは別のリフトカーを準備してくれましたが、

「私にとって大切なのは、現地まで安全に移動できることよりも、
みんなと同じ時間と空間と共有することだ。」

と言ったら、
クラスメイト全員が一緒に乗れるリフトバスを用意してくれました。

そんな風に、生活の隅々まで、
バリアフリーと当事者主体が整っているアメリカですが、
その環境と制度を創り出すまでには、
何年にもわたる、壮絶な戦いがあったのです。

何百人もの障害者が車いすを降りて道路で座り込みをしたり、
アメリカ全土を回って障害者自身を啓発したり、
車椅子を乗り捨てて、国会議事堂の階段をよじ登るアピールをしたり、
リハビリテーション法の施行規則の署名を求めて、
アメリカ連邦議会を1か月近く占拠したり。

そんな戦いを通して、アメリカでは、
障害者がその人権保障を勝ち取ってきたのだなぁ、
と、感動し、勇気をもらえる映画です。

ポイントは、これが、「福祉」ではなく、
あくまでも

「公民権運動」

だったという事です。

「障害者は大変なんだから、手厚く保護してよ」
というのではなく、
「障害者にも、障害者である前にひとりの人間としての人権があるんだ」
という事を、国に認めさせた、
という事が、重要なのです。

さて、日本でも、平成28年度から、
障害者差別解消法が始まります。

この法律が真に機能するかどうかは、
障害当事者を含むすべての国民が、

「障害者と障害者でない者が対等であるというのはどういう事なのか」

という事を、いかに真剣に考え、
議論していけるかにかかっていると思うのです。

アメリカに負けないくらい、
障害があってもなくても、住みやすい日本にしていきたいですね。

そのために、ADAの良い部分も足りない部分も、
ちゃんと勉強していきたいと思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿