洋画家、山口硯閑の油絵です。
油彩『京都嵐山』12号。昭和22年。
京都嵐山、保津川の風景です。
いかにも保津川峡谷らしい景色です。
先の『伊豆の網代』もそうでしたが、山(林)、川(水)、空の組み合わせが得意な作家ですね。
夏でしょうか。雲が湧いています。
この作家にしては、厚塗りです。
全体に傷みが酷いです。
保管状況にもよりますが、このような状態になるにはどれほど時間がたっているのか知りたいと思い、裏返してみました。
なんと、キャンバスではなく、板に描かれていました。
戦後まもなく、画材の調達も思うようにはいかなかったのでしょう。
昭和22年3月の日付がありますから、76年が経っているのですね。
先回の伊藤廉『メロンと桃と栗』が、88才。絵の具のひび割れが酷かったです。
人間と同じく、油絵も、これくらいの年齢になると、かなりヨレヨレになってくるのですね(^^;
おそらく印象派の影響を強く受けているのだと思います。
水辺風景が得意な画家ですね。日本人好みの印象派といったところでしょうか。
額は新調すると結構かかります。少なくとも、山口硯閑の油絵くらいの出費になります(^^; 一番の問題は、こういう古い絵に合う額縁がなかなか無いことです。
よく、「絵に描いたよう!」と言いいますが、これは、京都の嵐山の保津川峡谷の美しい景色の一部を切り取って絵にしたかのようですね(^-^*)
私は、油絵のことは知らないのですが、額縁の傷みが激しい場合は、額縁の若干の修復は許されるのでしょうか、、?
そうですね、真新しい額に変えたら、違和感があるでしょう。
長年、頑張ってきた証ですから、疵は、額の紋章ですね。
額の破損も
その作品の生きてきた年月。
愛おしい作品の一部に思えるのですが
如何でしょう?