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今回の品は、非常に時代のある能画です。
屏風剝しと思われ、全部で6枚あります。
時代は江戸前期、大きさは、幅29cm、長さ39cmほどです。
6枚の古画を3枚ずつ、2回に分けて紹介します。
『高砂』
高砂の尉です。
高砂の姥です。
いずれも、力強く描かれ、江戸前期の人物画によく見られる描き方です。
尉が熊手を持っているので、『高砂』とわかります。
姥が右手に持っているのは、箒でしょう。
『道成寺』
女面をつけた人物です。
これは誰?
左手に扇を持ち、横向きに構えています。
左足を上げています。先回紹介した扇型奈良絵『道成寺』(下図)と同じところを描いています。
鐘入り前、小鼓との緊張したやり取りで、長ーーーーい沈黙のと、やっと一歩をすすめる場面です。その後、鐘に入った女は、蛇に変身する訳ですが、その予兆として、長絹の裾は、三角形の鱗模様になっています。
また、周りには、白っぽい丸模様が、点々とあります。拡大して見ると、剥げているのではなく、銀泥が塗られていることがわかりました。どうやら、桜の花のようです。物語の前半部、里の女がまず、不気味に謡い始めます。「花の外には松ばかり。花の外には松ばかり、暮初めて。鐘や響くらん。」実際の舞台には何も無いのですが、これで桜が咲き乱れる春の季節が表されます。この絵は『道成寺』の舞台の一場面を描いたものですが、実際には見えない桜花を散らしているのが珍しい。タイプBの能画に、タイプAの要素を加えているのですね(^.^)
今回の品は、いずれも、能舞台の一場面を描いたBタイプの能画です。特筆すべきは、人物を一人(主にシテ)しか描いていないことです。この描き方は、明治以降の能画には多く見られますが、江戸時代の絵画では大変珍しいものです。
今回の絵には、一人分の情報しかありません。先回の『羽衣』の松のようにヒントとなる小物類も描かれていません。ですから、能の演目を探り、絵のタイトルをつけるには、苦労しました(^.^) それでも、今回はまだわかりやすい方でした。次回の品(残りの3枚)には手こずりました(^^;
江戸前期になりますか。そのような風格のある絵ですね(^_^)
このように古い絵は、なかなかないですよね。
この絵には、1人分の情報しかありませんし、ヒントとなる小物類も描かれていませんから、さすがに、能に造詣の深い遅生さんでも、「能の演目を探り、絵のタイトルをつけるには、苦労」したわけですね。
次回の絵が楽しみです(^_^)
なかなかこういう品には出会えません。
実はこれ、神社の境内の骨董市で露天商が持っていた物です。
もちろん、先方は何の絵か知りません。ただ、古いことはわかるみたいでした(当たり前ですが(^^;)。
しかし、類例が少ない絵です。描かれている能の演目を突きとめるのに相当難儀しました。今だ十分な自信がありません(^^;
それこそ掘り出しものですね!
滅多にこのようなものとは出会えませんよね(^_^)
これを見つけた時は、ゾクゾクとしたことでしょう!
バラで値が付けてあったので、一括で買うから、と落ち着いた口調で(^^;)少々まけさせました。
後は一目散に家へ(^.^)
滅多にない出来事でした(その逆のケースはゴマンと有り(^^;)