遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

松ニ日出図黒漆中皿(10枚)

2021年10月18日 | 漆器・木製品

100年程前の漆皿です。

祖父が、何かの記念にいただいた物です。

同じ皿が10枚。

 

径 17.6㎝、高 2.3㎝。大正12年。

底面は分厚く(1cm以上)、側面は急に薄くなっています。木轆轤処理の特徴です。また、裏は碁笥底です。

表面は、10枚全部、中心が膨らんでいます。これは歪みではなく、初めからこのような造りだったようです。

明らかに木製ですが、木目は非常にわかりずらいです。やはり、木を輪切りにした素材を轆轤で挽いてあるからでしょうか。

黒地に金漆で松を描き、丸い銀箔が貼ってあります。丸銀は月で、夜景を描いた皿だとばかり思っていました。けれど、箱書きには「松に日出」とあるので、これは太陽なのですね(^^;

この10枚の皿、非常によく似ています。

例によって、違い探し(^.^)

地面の形が違いますね。

じゃあ、次の2枚は?

左の皿:

右の皿:

うーん、こうなったら、松葉しかありません。

左の皿:

右の皿:

ふー、よかった。

違いがありました(^.^)

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅生さんへ (Dr.K)
2021-10-18 15:53:51
100年経っても、本漆は、ほとんど変化しないで、当初の美しさを保っているんですね。
本漆は、手描きですから、同じ物でも、微妙に違いがあるわけですよね。
下の2枚には、松葉の描き方に違いがありますね(^-^*)
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Dr.kさんへ (遅生)
2021-10-18 17:38:12
漆器の時代判定も結構難しいですね。
陶磁器よりも使用痕がつきやすいのですが、今回の品のように100年もそのままになっていると(多分、開けたのは私が初めて(^^;)、時代が付きません。
色も黒漆は強いです。他の色は紫外線や熱で、大なり小なり退色します。

細かい松葉の違いだけですから、相当に熟練した絵付師ですね。
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遅生さんへ (酒田の人)
2021-10-18 21:21:39
これはいい品ですね~、個人的は大好きなタイプの品です
いざ使おうと思うと、勿体ないな~、いう思いが先に立つように感じます。
大正12年ということですが、ウチの会社の会長さんが大正12年生まれで
つい数か月前まで毎日出社しておりました。
(最近は少し足腰が弱ったらしいですが)
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酒田の人さんへ (遅生)
2021-10-18 22:19:22
日常で使うとなると、シンプル・イズ・ザ・ベストでしょうか、少し物足りないぐらいがいいですね。
会長さん、凄いです。長寿のみならず、現役ですから。私の知る範囲の男性では、ちょっと見当たりません。
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