遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

千家好 色替葎(むぐら)椀

2021年10月22日 | 漆器・木製品

先回の色替わり折敷に続き、色替わりの品です。

明治時代と思われる古い箱に入っています。

 

赤、黒、深緑、茶、黄、五色の色替わり小型吸物椀です。

表書きには、「五色無具良椀 壱席前」とあります。

懐石で使われる葎(むぐら)椀です。

内はすべて黒です。

全く傷はありませんが、内側の黒色は少し焼けています。これまで、かなりの回数、使用されたようです。

全体:最大径 7.7㎝、高 9.1㎝。椀本体:口径 6.3㎝、底径 5.3㎝。蓋:径 7.7㎝、高 2.0㎝。

木製。明治時代。

筒型の細い胴に、帽子のような蓋がチョンとのっています。この形が鄙びた藁屋に似ていて、そこに纏わりついた蔦(葎)から、葎椀の名がついたのでしょうか。

このタイプの椀は、箸洗ともよばれます。言い得て妙ですが、少しばかり直接的すぎますね(^^;

葎椀は千家好み(仙叟好、原叟好)と言われています。

今回の品のように、外側が単色で、腰に糸目がある物は、原叟好だそうです。

椀にも色々な物がありますが、蓋のおさまりが悪く、ズレることがしばしばあります。蓋は、本体にポンとのっているだけだからです。ところが、葎椀の場合は、蓋裏が胴に合うようにできています。

ですから、こんな芸当も(^^;

蓋裏に胴がぴったりとはまって、落ちません(^.^)

その一方で・・・

藁屋の屋根のような美しい形なのですが、先すぼまりなので、指先でうまくつかめません(^^;

ま、とにかく、かわゆい品です。

先回の折敷も5色の色替わりでした。ならばと、組み合わせてみました。

ピッタリとあいました(^.^)


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅生さんへ (Dr.K)
2021-10-22 19:17:41
これまた、小さいのに細かな細工を施してあるんですね。
前回の「色替隅折四方膳(折敷)(5枚)」と同じように良い仕事をしていますね(^-^*)
前回の「色替隅折四方膳(折敷)(5枚)」と同じ5色ですし、その「色替隅折四方膳(折敷)(5枚)」とセットだったのでしょうか。
前回の「色替隅折四方膳(折敷)(5枚)」も、この小型吸物椀と同じように明治のものなのではないでしょうか。
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Dr.kさんへ (遅生)
2021-10-22 19:34:56
私も、あまりにもピッタリと色が合ったのでビックリしました。
でも、折敷の方は、箱がないので時代の推定ができませんが、どう考えても戦前位の品です。
ただ、おそらく両方とも、京都で作られた品だと思われますから、それなり大まかな規格があるのかもしれません。
色替りについては、まだ品が2,3あるので、比較してみます。
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