遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

面白古文書 『大きな物見立てくらべ』(下)

2021年11月28日 | 面白古文書

面白古文書 『大きな物見立てくらべ』の後半(下段、にしのかた)です。

やはり、意味のとれない部分があります。赤字でマークしました。わかる方、教えていただければ幸いです。

下段(にしのかた):

 

にしのかた
差添 能書乃一のじ
     (能書の一の字)
大関 やましのもふけばなし
      (山師の儲け話)
関脇 あめ屋乃からかさ
      (飴屋の唐傘)
小結  女郎屋ですくおんな
    (女郎屋ですぐ?女)
前頭  くも助乃まごうた
      (雲助の馬子唄)
前頭  小おとこ乃かり若
     (小男の雁若)
前頭  つうじん乃ふところ
      (通人の懐)
前頭  ゐあひぬき乃刀
     (居合抜きの刀)
前頭  てんぐさま乃はな
      (天狗様の鼻)
前頭  とうぞくのきもたま
      (盗賊の胆玉)

 

前頭  おたふくのひたい
      (お多福の額)
前頭  つんほのないしよばなし
      (つんぼの内緒話)
前頭  おいらん乃道中
      (花魁の道中)
前頭  すまふとり乃うらつけ
     (相撲取りのうらつけ)
前頭  関とり乃めしたき
     (関取の飯炊き)
前頭  うミ月乃はら
      (産み月の腹)
前頭  ひなしかし乃いひかゝり
      (日無し貸の言いがかり)
前頭  おびとき乃ふりそで
      (帯ときの振袖)
前頭  日一ばい乃晦日勘定
     (日一倍の晦日勘定)
前頭  ほていゑ乃ふくろ
      (布袋絵の袋)
前頭  やぶいしゃのふところ
      (藪医者の懐)
前頭  はつぴ乃もんどころ
      (法被の紋所)
行司 女客ニ出すかげま
     (女客に出す陰間)


【通人(つうじん)】 花柳界の事情に通じている人。粋人。
【日済し貸(ひなしがし)】毎日少しずつ返す約束で金を貸す商人。
【帯解き(おびとき)】着物の付けひもをとって、初めて普通の帯を締める祝い。江戸中期ごろからは、七五三に行われた。ひもとき。おびなおし。
【陰間(かげま)】江戸時代に茶屋で客をとった男娼。歌舞伎役者が兼ねていたが、後に20才以下の美少年。女性客の場合は、もう少し年をとった男が相手をした。
【晦日勘定(みそかかんじょう)】 月末に支払いをすること。

 

 


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2 コメント

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遅生さんへ (Dr.K)
2021-11-28 18:43:01
これも、解説付きで読み下し文が付いていますから読める(というよりは、「あっ、そのように読むのか、、」と思う程度ですが、、)わけですが、そのようなものが無かったらチンプンカンプンというところです(~_~;)

このようなものは、読めてはじめて「貴重な文書」であり、「お宝」ですが、読めない者にとっては反古紙ですね(~_~;)
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Dr.kさんへ (遅生)
2021-11-28 19:18:32
いやー、苦しいです。赤が残ると、何ともいえない気分です。
労、多いです。
で、益はというと、たとえば、陰間。江戸時代には、男郎(?)屋があったのですね。これって、世界的に見ても、珍しいのではないでしょうか。
そんなものを知って何になる、というのは確かですが、知って得した感が、次の面白古文書を用意してくれます(^.^)
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