先回に引き続き、古美術研究家、常石英明の著作3冊です。やはり、金園社発行です。
今回は、古書画が中心です。
『日本の古美術入門 古書画の鑑定と鑑賞』昭和52年、10版(初版、昭和45年)、950円。
平安時代から近代まで、日本の絵画と書について概説しています。絵画にしろ、書にしろ、膨大な作家と作品があるわけですから、それを一冊にまとめるのはどだい無理な話しです。でも、何回も目を通しているうちに、おぼろげながらこんなものか、という感覚ができてくるから不思議です。古陶磁でも同じですが、特に書画の場合は、時代の大きな様式の中に、作者の個性がピョンと乗っかっています。そこの所の微妙なバランスを感じ取ることができれば、書画の面白さが増すと思いました。
『書画骨董 人名大辞典』平成元年、8版、5000円。
日本美術に関係する有名人、一万有余名の略歴が載っています。書家、画家はもとより、歌人、俳人、茶人など文人のたぐい、さらに、陶工、金工、漆工、武人、僧侶などまで、幅広く収録されています。
落款や印章も簡単に載せてあります。聞いたことのある人はわずかです。日本の古美術がいかに幅広く奥が深いか、あらためて知らされます。
『古書画・現代絵画・刀剣・陶磁他 古美術鑑定評価便覧』平成元年、4版、4500円。
平安時代から現代までの書家、画家の作品の評価(価格)を中心に、陶磁器、刀剣など工芸品の価格について、ずらーっと載っています。
骨董には、陶磁器、掛軸などいろいろありますが、いずれにしろ、最初から最後まで、お金の問題がつきまといます。この品の相場はどれくらいが妥当か? ある程度の目安がつかないと先にすすめません。品物の価格には、作品の出来や時代の流行、景気など様々な要因が関係するので、一義的には決まりません。でも、こういう本を手元に置いておくと、気休めにはなります(^^;
さすがに『日本刀の鑑定と鑑賞』はパスしましたが、常石英明氏の著書、これだけ揃えると思わずウナリますね、ボリュームと金額(^^;