洋画家、山口硯閑の油絵『水面緑影』です。
油彩、10号。作者、山口硯閑。戦前。
実は、この品、ずいぶん昔に、私が最初に買った絵画なのです。名を知らない画家だし、かなりのお値段だったので、買うべきかどうか相当迷いました。
でも、私にはとても新鮮な絵だったので、決断しました。
静かな水辺風景です。
水面に周りの木々が写っています。
真ん中、下方に近づくと・・
何が何だかわかりません。
が、1m程離れると・・・
水面に写った新緑の木が見えてきます。
このようなテクニックが油絵の醍醐味ですね。絵心ゼロの私は、憧れます(^.^)
例によって、裏をチェック。
その中に納まっていたのは、大変古いキャンバスです。
おそらく戦前の品だと思われます。
重い高級額は、近年、新調された物でしょう。
今回の絵は、山口硯閑の代表作といってよいでしょう。
同じ絵を何枚も描いています。その中には、『石神井公園』と題したものがあり、今回の品が石神井公園を描いた絵であることがわかります。
これまで、山口硯閑の油絵を3点、紹介してきました。
『伊豆の網代』
『京都嵐山』
『石神井公園』
いずれも、日本各地の水辺風景です。
そして、少し斜めに構図をとり、奥から手前へ視線が移っていくように描かれています。
また、奥から光が手前へ射すのも共通しています。
こうして、水辺の湿った空気感をも表現しえたのだと思います。
山口硯閑は、日本のバルビゾン派の一人と言えるのではないでしょうか。