遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

トイレ美術館7 山口硯閑『水面緑影』(油彩、10号)

2023年11月11日 | 絵画

洋画家、山口硯閑の油絵『水面緑影』です。

油彩、10号。作者、山口硯閑。戦前。

実は、この品、ずいぶん昔に、私が最初に買った絵画なのです。名を知らない画家だし、かなりのお値段だったので、買うべきかどうか相当迷いました。

でも、私にはとても新鮮な絵だったので、決断しました。

静かな水辺風景です。

水面に周りの木々が写っています。

真ん中、下方に近づくと・・

何が何だかわかりません。

が、1m程離れると・・・

水面に写った新緑の木が見えてきます。
このようなテクニックが油絵の醍醐味ですね。絵心ゼロの私は、憧れます(^.^)

例によって、裏をチェック。

その中に納まっていたのは、大変古いキャンバスです。

おそらく戦前の品だと思われます。

重い高級額は、近年、新調された物でしょう。

今回の絵は、山口硯閑の代表作といってよいでしょう。

同じ絵を何枚も描いています。その中には、『石神井公園』と題したものがあり、今回の品が石神井公園を描いた絵であることがわかります。

これまで、山口硯閑の油絵を3点、紹介してきました。

『伊豆の網代』

『京都嵐山』

『石神井公園』

いずれも、日本各地の水辺風景です。

そして、少し斜めに構図をとり、奥から手前へ視線が移っていくように描かれています。

また、奥から光が手前へ射すのも共通しています。

こうして、水辺の湿った空気感をも表現しえたのだと思います。

山口硯閑は、日本のバルビゾン派の一人と言えるのではないでしょうか。

 

 

コメント (10)
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